麗氣記

麗氣記

『麗氣記(れいきき)』は、伊勢両宮の神々を密教的な世界観から説く中世神道書です。本文十四巻と神体図四巻からなる「十八巻」として伝えられ、後世の両部神道に大きな影響を与えました。

本頁は、土御門文書編纂所が国文学研究資料館鵜飼文庫所蔵の写本を底本として、新たに本文を読み取り、句読点・訓読・現代語訳・注釈を独自に作成する自家翻刻資料です。近現代の校訂本・書き下し文・現代語訳を転載せず、原画像との照合を終えた区分から順次掲載します。

土御門文書編纂所版について

ここでいう原文翻刻は、著者自筆原本を復元したという意味ではありません。オンラインで全冊を確認できる近世写本のうち、慶安二年と承応二年の識語をもつ鵜飼文庫本を作業底本とし、その本文を可能な限り底本どおりに翻刻します。伝本間の異同から祖本の本文を考える作業は、底本翻刻とは分けて校異・編纂注に記します。

原文翻刻、句読本文、訓読、現代語訳は混在させず、共通の区分番号で対応させます。底本に付された返り点・仮名・朱筆は歴史資料として尊重しますが、土御門文書編纂所版の句読・訓読・現代語訳は独自に作成します。

底本の配列

鵜飼文庫本では、「天地麗氣記」が最初に置かれ、次に「二所太神宮麗氣記」が続きます。本版では既成の刊本配列へ並べ替えず、まず底本の物理的な配列どおりに翻刻します。

影印の読み方

下の「底本影印」には、鵜飼文庫本二冊の全九十八画像を収めています。「前へ」「次へ」、または画像下のつまみで画像を送れます。画像を押すと、CODHが配信する高精細の原画像を別画面で開きます。

本頁は土御門文書編纂所による編纂中の作業稿です。原文翻刻、独自句読、独自訓読、独自現代語訳を分離し、各単位の校合状態を明示して公開します。

自家翻刻・訓読・現代語訳

公開版 reikiki-20260807-full-v5・ 全276単位・ 8 / 14頁

万鏡本縁神霊瑞器記

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RK-0063・影印 第47画像 両丁
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原文翻刻 画像照合済

獨古鈴 三古鈴 五古鈴 塔室鈴 寶鈴 九古鈴 十六古鈴 十八古鈴 龍頭鈴 竹頂鈴

句読本文 画像照合済

獨古鈴 三古鈴 五古鈴 塔室鈴 寶鈴 九古鈴 十六古鈴 十八古鈴 龍頭鈴 竹頂鈴

訓読 画像照合済

獨古鈴(とっこれい) 三古鈴(さんこれい) 五古鈴(ごこれい) 塔室鈴(とうしつれい) 寶鈴(ほうれい) 九古鈴(きゅうこれい) 十六古鈴(じゅうろくこれい) 十八古鈴(じゅうはちこれい) 龍頭鈴(りゅうずれい) 竹頂鈴(ちくちょうれい)

現代語訳 画像照合済

独鈷鈴 三鈷鈴 五鈷鈴 塔室鈴 宝鈴 九古鈴 十六古鈴 十八古鈴 龍頭鈴 竹頂鈴

万鏡本縁神霊瑞器記

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RK-0064・影印 第48画像 両丁
本文 単位: 画像照合済
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二妙體也 諸佛同輪亦如是云云 天瓊戈者獨古變成也 天逆戈大梵天王弟也 天道太刀大梵天王弟也 亦號常世鄕 件神寶藏瀧祭神宮者也 一是瀧原宮也 三種神璽

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二妙體也。 諸佛同輪亦如是云云。 天瓊戈者獨古變成也。 天逆戈大梵天王弟也。 天道太刀大梵天王弟也。 亦號常世鄕。 件神寶藏瀧祭神宮者也。 一是瀧原宮也。 三種神璽。

訓読 画像照合済

二の妙體なり。 諸佛同輪も亦た是くの如しと云云。 天瓊戈は獨古の變成なり。 天逆戈は大梵天王の弟なり。 天道太刀は大梵天王の弟なり。 亦た常世鄕と號す。 件の神寶は瀧祭神宮に藏すものなり。 一、是れ瀧原宮なり。 三種神璽。

現代語訳 画像照合済

前単位末尾の「不」と連ねれば、五智・五阿は「不二の妙体」であるとする文になる可能性がある。 諸仏が同じ輪にあることも同様である、という。 天瓊戈は独鈷が変化したものとされる。 天逆戈は大梵天王の弟である、と本文はいう。 天道太刀も大梵天王の弟である、と本文はいう。 また「常世郷」とも呼ぶ。 この神宝は瀧祭神宮に納められているという。 「一、これは瀧原宮である」〔項目関係未決〕。 三種の神璽。

万鏡本縁神霊瑞器記

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RK-0065・影印 第48画像 両丁
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白銅鏡 梵言阿羅清美 神言眞清身 亦名天□羅雲劒 草薙劒 是也 爲本名也 大日覺王 八坂瓊曲玉 寶珠也

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白銅鏡 梵言阿羅清美 神言眞清身 亦名天□羅雲劒 草薙劒 是也 爲本名也 大日覺王 八坂瓊曲玉 寶珠也

訓読 画像照合済

白銅鏡 梵言には阿羅、清美 神言には眞清身 亦た天□羅雲劒と名づく 草薙劒 是れなり 本名と爲すなり 大日覺王 八坂瓊曲玉 寶珠なり

現代語訳 画像照合済

白銅鏡 梵語では「阿羅・清美」 神の言葉では「真清身」 また「天□羅雲剣」とも名づける〔一字未読〕 草薙剣 これである 本名とする 大日覚王 八坂瓊曲玉 宝珠である

万鏡本縁神霊瑞器記

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RK-0066・影印 第48画像 両丁
本文 単位: 画像照合済
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天神誓曰 天皇如八咫瓊之勾以曲妙御宇 且和白銅鏡以分明看行山川海原 乃提神劒平天下 故萬類神寶用以三種爲神璽也 神光神璽昔經 于五代立無念無心死陰陽重如 第七葉時始有將令 以降始以事天下於神明 靈光成賞罰 大神威魂上下有四種神變 以上以陰乳爲母以陽貴爲父 下來地神五代時流坐護國守王 第六葉仁王始 神武天皇漸下神威成人無靈玉光 此時

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天神誓曰。 天皇如八咫瓊之勾以曲妙御宇。 且和白銅鏡以分明看行山川海原。 乃提神劒平天下。 故萬類神寶用以三種爲神璽也。 神光神璽昔經。 于五代立無念無心死陰陽重如 第七葉時始有將令。 以降始以事天下於神明。 靈光成賞罰。 大神威魂上下有四種神變。 以上以陰乳爲母以陽貴爲父。 下來地神五代時流坐護國守王。 第六葉仁王始。 神武天皇漸下神威成人無靈玉光。 此時。

訓読 画像照合済

天神、誓ひて曰はく。 天皇、八咫瓊の勾の如く、曲妙に御宇せん。 且つ白銅鏡に和して、分明に山川海原を看行し、 乃ち神劒を提げて天下を平らぐ。 故に萬類の神寶、用ゐるに三種を以て神璽と爲すなり。 神光神璽昔經〔語切り・構文未決〕。 于五代立無念無心死陰陽重如〔語切り・構文未決のため訓読保留〕。 第七葉の時、始めて將令有り。 以降、始めて事を天下の神明に以てす。 靈光、賞罰と成る。 大神の威魂、上下に四種の神變有り。 以上、陰乳を以て母と爲し、陽貴を以て父と爲す。 下り來たりて地神五代の時に流れ坐し、國を護り王を守る。 第六葉、仁王始まる。 神武天皇、漸く神威を下し、人と成りて靈玉の光無し。 此の時……

現代語訳 画像照合済

天神は次のように誓った。 天皇が八咫瓊の曲がりのように妙なるあり方で国を治めるように、と述べる。 また白銅鏡のように調和し、山川海原を明らかに見渡し、 神剣を携えて天下を平らかにする。 このため、多くの神宝のうち三種を神璽として用いるという。 「神光神璽昔經」は採字を確定したが、語切りと構文を確定しない。 「于五代立無念無心死陰陽重如」は採字を確定するが、語切りと構文が未決であるため、現代語訳を保留する。 第七の代になって初めて「将令」が生じた、と記す〔語義未決〕。 それ以後、天下の事を神明によって行うようになったという。 霊光は賞罰の働きとなる。 大神の威ある魂には、上と下に四種の神変がある。 以上は、陰乳を母、陽貴を父とする。 地上へ降り、地神五代の時代に伝わって国を守り王を護る。 第六の代に「仁王」が始まるという。 神武天皇の時、神威が次第に下って人となり、霊玉の光がなくなる、と本文は記す。 「この時」で次単位へ続く。

万鏡本縁神霊瑞器記

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RK-0067・影印 第49画像 両丁
本文 単位: 画像照合済
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但神明以威光攝政 仁聖虛用德道威勢化成大神變 轉變成大道 契哉神世現威神力得道得果 後出世成道時學佛教成佛身 依神擁護護佛法 僧寶御言説給 元天不降種子 無地不敷學 天地和合生萬物 責上笑下無生死 從本無一物 無終萬物都不可例涯際 初起虛無幻化跡 四相幻野等一度是非 速一度是非悟 神冥應諸佛擁護 天皇玉體無動如陽津磐邑 天常磐里磐 三世常住 四海淨澄 天神地祇平等本覺大慈悲 三際不可得 兩宮鎭坐百大僧祇無量無數億 常住不變實本有法界法典 天然不生法性不動無邊形像御形鎭座種種神 足諸大梵王尸棄光明三十三天一大梵主大日覺王四種神變 向上向下二宮本誓 諸大別宮各各平等 現在色樹森羅萬像皆是神體 山頂山下皆是神宮 如如本寂同體遍照 一生補處發阿耨多羅三藐三菩提心矣

句読本文 画像照合済

但神明以威光攝政。 仁聖虛用德道威勢化成大神變。 轉變成大道。 契哉神世現威神力得道得果。 後出世成道時學佛教成佛身。 依神擁護護佛法。 僧寶御言説給。 元天不降種子。 無地不敷學。 天地和合生萬物。 責上笑下無生死。 從本無一物。 無終萬物都不可例涯際。 初起虛無幻化跡。 四相幻野等一度是非。 速一度是非悟。 神冥應諸佛擁護。 天皇玉體無動如陽津磐邑。 天常磐里磐。 三世常住。 四海淨澄。 天神地祇平等本覺大慈悲。 三際不可得。 兩宮鎭坐百大僧祇無量無數億。 常住不變實本有法界法典。 天然不生法性不動無邊形像御形鎭座種種神。 足諸大梵王尸棄光明三十三天一大梵主大日覺王四種神變。 向上向下二宮本誓。 諸大別宮各各平等。 現在色樹森羅萬像皆是神體。 山頂山下皆是神宮。 如如本寂同體遍照。 一生補處發阿耨多羅三藐三菩提心矣。

訓読 画像照合済

但し神明、威光を以て攝政す。 仁聖虛用、德道威勢、化して大神變と成る。 轉變して大道と成る。 契へるかな、神世に威神力を現じ、道を得、果を得。 後に出世成道の時、佛教を學びて佛身と成る。 神の擁護に依りて佛法を護る。 僧寶、御言を説き給ふ。 元、天に種子を降さざることなく、 地に學を敷かざること無し。 天地和合して萬物を生ず。 上を責め下を笑ふ、生死無し。 本より一物無し。 終り無き萬物、都て涯際を例すべからず。 初め虛無より起こる幻化の跡。 四相幻野等、一度の是非。 速やかに一度の是非を悟る。 神冥は應じ、諸佛は擁護す。 天皇の玉體、動くこと無きこと陽津磐邑の如し。 天常磐里磐。 三世常住。 四海淨澄。 天神地祇、平等本覺の大慈悲。 三際、得べからず。 兩宮の鎭坐、百大僧祇、無量無數億。 常住不變、實に本有の法界法典。 天然不生、法性不動、無邊の形像、御形に鎭座する種種の神。 足諸大梵王、尸棄光明、三十三天、一大梵主、大日覺王、四種神變〔「足諸」と前後の構文未決〕。 向上・向下、二宮の本誓。 諸大別宮、各各平等。 現在の色樹、森羅萬像、皆是れ神體なり。 山頂・山下、皆是れ神宮なり。 如如本寂、同體遍照。 一生補處、阿耨多羅三藐三菩提心を發す。 矣。

現代語訳 画像照合済

ただし、神明は威光によって政を助けるという。 「仁聖虚用」「徳道威勢」が変化して大神変となる、と記す〔語切り未決〕。 さらに変化して大道となる。 神代に威神力を現し、道と果を得ることを述べる。 後に世へ出て悟りを成就する時、仏教を学んで仏身となるという。 神の擁護によって仏法を護る。 僧宝がその教えを説く。 もとより天に種子が降りない所はなく、 地に教えが敷かれない所もない。 天地が和合して万物を生む。 「上を責め下を笑う」「生死なし」という句を掲げる〔構文未決〕。 本来、一物もない。 終わりのない万物の境界を一律に定めることはできない。 虚無から起こる幻のような跡を述べる。 「四相幻野等、一度是非」〔語切り未決〕。 一度の是非を速やかに悟るという。 神の冥応があり、諸仏が擁護する。 天皇の御体は「陽津磐邑」のように動かないという〔語形未決〕。 「天常磐里磐」〔語形未決〕。 三世に常住する。 四海は清く澄む。 天神地祇は平等であり、本覚の大慈悲を示すという。 過去・現在・未来の三際は捉えることができない。 両宮の鎮座は、百大僧祇・無量無数億と記される〔数量表現の構文未決〕。 常住不変であり、本来備わる法界の法典であるという。 自然のままに不生で、法性は不動であり、限りない形像の御形にさまざまな神が鎮座する。 「足諸大梵王」以下、尸棄・光明・三十三天・一大梵主・大日覚王・四種神変と続くが、「足諸」の係り方は確定しない。 向上・向下と、二宮の本誓。 諸大別宮はそれぞれ平等である。 現に見える樹木を含む森羅万象は、すべて神体であると本文はいう。 山頂も山下も、すべて神宮であるという。 本来の寂静において同体であり、あまねく照らす。 一生補処にあって、この上ない完全な悟りを求める心を起こす。 以上。

万鏡本縁神霊瑞器記

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RK-PAR-0046・影印 第49画像 両丁
見出し・巻題 単位: 校了
原文翻刻 校了

萬鏡靈瑞器麗氣記八

句読本文 校了

萬鏡靈瑞器麗氣記八

訓読 校了

萬鏡靈瑞器麗氣記八(まんきょうれいずいきれいきき・はち)

現代語訳 校了

『万鏡霊瑞器麗気記』第八

RK-MAT-0005・影印 第50画像 右丁
物質的記録 単位: 画像照合済

翻訳対象外の理由

丁付・綴じ・貼紙等の物質的情報を記録する単位です。

RK-PAR-0047・影印 第50画像 左丁
見出し・巻題 単位: 校了
原文翻刻 校了

心柱麗氣記九

句読本文 校了

心柱麗氣記九。

訓読 校了

心柱麗氣記九(しんのみはしられいきき・九)。

現代語訳 校了

『心柱麗氣記』第九。

RK-0068・影印 第50画像 左丁
本文 単位: 画像照合済
原文翻刻 画像照合済

飛空自在梵天王權建立器世間 向十方界言 我今召集十方界迷情神達佛達 我身體充滿 吉時有虛空音聲告 善哉善哉大梵天王 我本無有音聲 爲利益現 爲利益我等入深禪定 往無量阿僧祇劫未聞如是誠諦金言 善諦聽諦聽 善思念 其後能八十一劫出現娑婆世界 其中凡聖相遇 現應化身 演度衆生 八千變賢劫十六劫間 在々處々

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飛空自在梵天王、權建立器世間。 向十方界言。 我今、召集十方界迷情神達佛達。 我身體充滿。 吉時有虛空音聲告。 善哉善哉大梵天王。 我本無有音聲。 爲利益現。 爲利益我等入深禪定。 往無量阿僧祇劫未聞如是誠諦金言。 善諦聽諦聽。 善思念。 其後能八十一劫出現娑婆世界。 其中凡聖相遇。 現應化身。 演度衆生。 八千變賢劫十六劫間。 在々處々。

訓読 画像照合済

飛空自在の梵天王、權に器世間を建立す。 十方界に向かひて言はく、「我、今、十方界の迷情の神達・佛達を召集す。我が身體、充滿す」と。 吉時に、虛空の音聲有りて告ぐ。「善哉、善哉、大梵天王。我、本より音聲有ること無し。利益の爲に現じ、我等を利益せんが爲に深き禪定に入る。無量阿僧祇劫を往きて、未だ是くの如き誠諦金言を聞かず。善く諦かに聽け、諦かに聽け。善く思念せよ」と。 其の後、能く八十一劫に娑婆世界に出現す。其中、凡聖相遇ひ、應化身を現じ、衆生を演度す。八千變賢劫・十六劫の間、在々處々〔数詞関係・構文未決〕。

現代語訳 画像照合済

本文は、飛空自在の梵天王が仮に器世間を建立し、十方界の迷情の神々と仏たちを召集すると呼びかける場面を述べる。虚空の声は梵天王を称え、本来は音声を持たないが利益のために現れると告げ、「誠諦金言」をいまだ聞いたことがないとして、よく聴き思念するよう促す。その後、娑婆世界に出現して応化身を現し、衆生を導くと説く。末尾の「八千變賢劫十六劫間、在々處々」は、踊り字を含む採字を保持するが、数詞関係と構文は未決である。

RK-PAR-0048・影印 第50画像 左丁
識語・奥書等 単位: 画像照合済
原文翻刻 画像照合済

十八卷内 〔題脇仮名注未転写〕

句読本文 画像照合済

十八卷内 〔題脇仮名注未転写〕

訓読 画像照合済

十八卷の内。 〔題脇仮名注未転写〕

現代語訳 画像照合済

「十八巻のうち」と記す。 題脇の仮名注は未転写であり、その内容は推定しない。

RK-0069・影印 第51画像 両丁
本文 単位: 画像照合済
原文翻刻 画像照合済

有無量千萬億大威神力 隨其國隨其處 或現佛身 或現辟支佛身 或現聲聞身 或現梵王身 或現帝釋身 或現自在天身 或現大自在天身 或現天大將軍身 或現四大天王身 或現大小王身 或現長者居士宰官婆羅門身 或現比丘比丘尼優婆塞優婆夷身 或現長者居士宰官婆羅門婦女身 或現童男童女身 或現天龍夜叉乾闥婆阿修羅迦樓羅緊那羅摩睺羅伽人非人等身 或現執金剛神 有爲無爲有差別 娑婆世界者有天魔外道多邪見放逸 爾時尸棄光明大梵天王宮天御中主尊 三轉成大日靈貴 拔濟衆生給矣 六劫後可出生金剛靈鏡 男命相治相會並坐云云 爾時梵天王授與大八州給 次授與梵天王身體

句読本文 画像照合済

有無量千萬億大威神力。 隨其國隨其處。 或現佛身。 或現辟支佛身。 或現聲聞身。 或現梵王身。 或現帝釋身。 或現自在天身。 或現大自在天身。 或現天大將軍身。 或現四大天王身。 或現大小王身。 或現長者居士宰官婆羅門身。 或現比丘比丘尼優婆塞優婆夷身。 或現長者居士宰官婆羅門婦女身。 或現童男童女身。 或現天龍夜叉乾闥婆阿修羅迦樓羅緊那羅摩睺羅伽人非人等身。 或現執金剛神。 有爲無爲有差別。 娑婆世界者有天魔外道多邪見放逸。 爾時尸棄光明大梵天王宮天御中主尊。 三轉成大日靈貴。 拔濟衆生給矣。 六劫後可出生金剛靈鏡。 男命相治相會並坐云云。 爾時梵天王授與大八州給。 次授與梵天王身體。

訓読 画像照合済

無量千萬億の大威神力有り。其の國に隨ひ、其の處に隨ひ、或いは佛身、辟支佛身、聲聞身、梵王身、帝釋身、自在天身、大自在天身、天大將軍身、四大天王身、大小王身、長者・居士・宰官・婆羅門身、比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷身、長者・居士・宰官・婆羅門の婦女身、童男・童女身、天・龍・夜叉・乾闥婆・阿修羅・迦樓羅・緊那羅・摩睺羅伽・人非人等の身を現じ、或いは執金剛神を現ず。 有爲と無爲とに差別有り。娑婆世界には天魔外道多く、邪見放逸なり。爾の時、尸棄光明大梵天王宮天御中主尊、三轉して大日靈貴と成り、衆生を拔濟し給ふ。 六劫の後、金剛靈鏡を出生すべし。男命、相治め、相會して並び坐すと云云。爾の時、梵天王、大八州を授與し給ひ、次に梵天王の身體を授與す。

現代語訳 画像照合済

本文は、大きな威神力が国や場所に応じて仏・菩薩・声聞・諸天・王・在家者・出家者・男女・八部衆など多様な姿を現すと列挙する。続いて、有為と無為、娑婆世界の邪見について述べ、ある尊格が三度転じて大日靈貴となり衆生を救済すると説く。さらに六劫後の金剛霊鏡、男命の会座、大八州と梵天王の身体の授与を記すが、尊名の分節と一部の構文は未決である。

RK-PAR-0049・影印 第51画像 両丁
識語・奥書等 単位: 画像照合済
原文翻刻 画像照合済

文曰 諸佛金剛灌頂儀 汝已如法金剛竟 爲成如來體性故 汝應授此金剛杵

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文曰。 諸佛金剛灌頂儀。 汝已如法金剛竟。 爲成如來體性故。 汝應授此金剛杵。

訓読 画像照合済

文に曰く。 「諸佛金剛灌頂の儀。 汝、已に法の如く金剛を竟へ、 如來の體性を成ぜんが故に、 汝、應に此の金剛杵を授くべし」と。

現代語訳 画像照合済

引用文は、諸仏の金剛灌頂の儀について述べ、如来の本性を成就させるため金剛杵を授けるべきだと記す。

RK-0070・影印 第52画像 両丁
本文 単位: 画像照合済
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此杵者我身三昧耶戒故 二所皇大神宮者以伐折羅爲宗 伐折羅者獨古 獨古者心肝王 王者神 神者正覺 覺者法界一心 一心者真正覺 正覺者心柱 心柱者心王 心王者大日 今兩宮是也 神者心御柱 柱則衆生成佛因縁 法界縁起是也 伐折羅陀羅即是金剛能執持義也 金剛寶山記曰 大梵天王御躰遣佛界名字佛 御心遣中道名字實相 相貌遣菩薩界名字新發 左手申天道名字天 右手申人道名字人 用施十方名字淨土 德覆天下名字日月 左足踏餓鬼道名字餓鬼 右足踏畜生道名字畜生 神進識界名字有情 已上十界互具莊嚴不二摩訶衍姿也 凡九億四萬三千七百九十二神上首 常於娑婆界有大神力 亦不生神 不來從天 從地不出生 亦不來他方

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此杵者我身三昧耶戒故。 二所皇大神宮者以伐折羅爲宗。 伐折羅者獨古。 獨古者心肝王。 王者神。 神者正覺。 覺者法界一心。 一心者真正覺。 正覺者心柱。 心柱者心王。 心王者大日。 今兩宮是也。 神者心御柱。 柱則衆生成佛因縁。 法界縁起是也。 伐折羅陀羅即是金剛能執持義也。 金剛寶山記曰。 大梵天王御躰遣佛界名字佛。 御心遣中道名字實相。 相貌遣菩薩界名字新發。 左手申天道名字天。 右手申人道名字人。 用施十方名字淨土。 德覆天下名字日月。 左足踏餓鬼道名字餓鬼。 右足踏畜生道名字畜生。 神進識界名字有情。 已上十界互具莊嚴不二摩訶衍姿也。 凡九億四萬三千七百九十二神上首。 常於娑婆界有大神力。 亦不生神。 不來從天。 從地不出生。 亦不來他方。

訓読 画像照合済

此の杵は、我が身の三昧耶戒なるが故なり。二所皇大神宮は伐折羅を以て宗と爲す。伐折羅は獨古、獨古は心肝王、王は神、神は正覺、覺は法界一心、一心は真正覺、正覺は心柱、心柱は心王、心王は大日なり。今、兩宮、是なり。 神は心御柱なり。柱は則ち衆生成佛の因縁、法界縁起、是なり。伐折羅陀羅は即ち是れ、金剛の能く執持する義なり。 『金剛寶山記』に曰く、大梵天王の御躰を佛界に遣はして佛と名づけ、御心を中道に遣はして實相と名づけ、相貌を菩薩界に遣はして新發と名づく。左手を天道に申して天、右手を人道に申して人、用を十方に施して淨土、德を天下に覆ひて日月、左足に餓鬼道を踏みて餓鬼、右足に畜生道を踏みて畜生、神進識界を有情と名づく。 已上、十界互具莊嚴、不二摩訶衍の姿なり。凡そ九億四萬三千七百九十二神の上首、常に娑婆界に於いて大神力有り。亦た神を生ぜず、天より來らず、地より出生せず、亦た他方より來らず。

現代語訳 画像照合済

本文は、金剛杵を三昧耶戒に関わるものとし、伐折羅・独鈷・心肝王・神・正覚・法界一心・心柱・心王・大日を順に結びつける。また心御柱を衆生成仏の因縁および法界縁起と位置づけ、伐折羅陀羅を金剛の「よく保持する」意味と説明する。続く引用では、大梵天王の身体・心・相貌・手足などを十界の名称へ配し、十界互具の姿とする。末尾は、多数の神々の上首が娑婆界で力を持ちながら、天・地・他方から来るのではないと説く。前段はこれらが「今の兩宮」であると結び、配当段では「神進識界」を「有情」と名づけるが、その語義は慎重に扱う。

RK-FIG-0030・影印 第52画像 右丁
図像 単位: 画像照合済

翻訳対象外の理由

文字本文ではない図像単位です。内容は底本画像で確認できます。

RK-FIG-0031・影印 第52画像 右丁
梵字・種字 単位: 画像照合済
原資料の文字情報 画像照合済

〔Siddham二群未転写〕

翻訳対象外の理由

梵字・種字の専門校合を要する単位です。現段階では本文四層の翻訳対象外です。

RK-PAR-0050・影印 第52画像 右丁
識語・奥書等 単位: 画像照合済
原文翻刻 画像照合済

〔音注未転写〕

句読本文 画像照合済

〔音注未転写〕。

訓読 画像照合済

〔音注未転写〕。

現代語訳 画像照合済

音注は未転写であり、内容とSiddhamとの配当は未確定である。

RK-0071・影印 第53画像 両丁
本文 単位: 画像照合済
原文翻刻 画像照合済

前身相現故 元來元去神是也 九萬八千五百七十二神上首 常以典神道人間界有大威勢 覆其國無二也 故天無二主 宗廟照三界給 故以日爲胎藏界 以月爲金剛界也 祖吾在鏡中 其貌如日 其心如海 其惠如天 其德如地 修善道攝心爲精進行 正念爲本 夫一切法自性空 依遍照如來相 當知空寂爲躰 無相爲相 無性爲性 無得爲得 爲利益衆生如來作異相 是故諸佛應化 菩薩萬行 五道行相 十界差別 皆是如來方便共實 取空一理不著諸相 爲不可得 不可得即如來正覺 般若修行之要道 其至極既以如是故天女曰 伊勢兩宮元始無終大元宗神 亦一念不生神 羅列萬法心故 絞結萬像躰 呼爲法元因利爲神爲縁 守一無窮妙牀邊際無利生力用躰息佛法恩 恩諸神影 無邊法界心量如是而布瑞之言本也 故杵獨王受之 言八大州傳之 持明鏡照心月 是妙法最頂梵王眞言也 無爲事不言教 是人眞心

句読本文 画像照合済

前身相現故。 元來元去神是也。 九萬八千五百七十二神上首。 常以典神道人間界有大威勢。 覆其國無二也。 故天無二主。 宗廟照三界給。 故以日爲胎藏界。 以月爲金剛界也。 祖吾在鏡中。 其貌如日。 其心如海。 其惠如天。 其德如地。 修善道攝心爲精進行。 正念爲本。 夫一切法自性空。 依遍照如來相。 當知空寂爲躰。 無相爲相。 無性爲性。 無得爲得。 爲利益衆生如來作異相。 是故諸佛應化。 菩薩萬行。 五道行相。 十界差別。 皆是如來方便共實。 取空一理不著諸相。 爲不可得。 不可得即如來正覺。 般若修行之要道。 其至極既以如是故天女曰。 伊勢兩宮元始無終大元宗神。 亦一念不生神。 羅列萬法心故。 絞結萬像躰。 呼爲法元因利爲神爲縁。 守一無窮妙牀邊際無利生力用躰息佛法恩。 恩諸神影。 無邊法界心量如是而布瑞之言本也。 故杵獨王受之。 言八大州傳之。 持明鏡照心月。 是妙法最頂梵王眞言也。 無爲事不言教。 是人眞心。

訓読 画像照合済

前身の相を現ずるが故に、元來元去の神、是なり。九萬八千五百七十二神の上首、常に典神道を以て人間界に大威勢有り、其の國を覆ひて二つ無し。故に天に二主無く、宗廟は三界を照らし給ふ。故に日を胎藏界と爲し、月を金剛界と爲すなり。 祖吾、鏡中に在り。其の貌は日の如く、其の心は海の如く、其の惠は天の如く、其の德は地の如し。善道を修し、心を攝して精進行と爲し、正念を本と爲す。 夫れ一切法は自性空なり。遍照如來の相に依り、空寂を躰、無相を相、無性を性、無得を得と爲すと知るべし。衆生を利益せんが爲、如來は異相を作す。故に諸佛の應化、菩薩の萬行、五道の行相、十界の差別は、皆これ如來の方便と實なり。空の一理を取りて諸相に著せざるを不可得と爲し、不可得は即ち如來の正覺、般若修行の要道なり。 其の至極、既に是くの如し。故に天女曰く、「伊勢兩宮は元始無終の大元宗神、亦た一念不生の神。萬法を心に羅列する故に萬像の躰を絞結す」と。以下、法元・神・縁・利生・佛法恩・諸神影などを説き、無邊法界の心量を瑞の言の本とする。故に杵の獨王、これを受け、八大州に傳ふと言ふ。明鏡を持ち心月を照らす、これ妙法最頂の梵王眞言なり。無爲の事は言教せず、これ人の眞心なり。

現代語訳 画像照合済

本文は、多数の神々の上首とされる神が国を覆い、宗廟が三界を照らすと述べ、日を胎蔵界、月を金剛界に配する。鏡中の祖を日・海・天・地にたとえ、善道・精進・正念を説く。続いて、一切法の自性空、空寂・無相・無性・無得を掲げ、諸仏の応化や菩薩の行、五道・十界の差別を如来の方便として説明する。後半は伊勢両宮を始めも終わりもない神、一念不生の神とする本文独自の説を記すが、難読箇所を残しつつ、「八大州」へ伝えること、梵王真言と人の真心に関する結語として暫定的に読む。

RK-PAR-0051・影印 第54画像 両丁
見出し・巻題 単位: 校了
原文翻刻 校了

心柱麗氣記巻第九

句読本文 校了

心柱麗氣記巻第九。

訓読 校了

心柱麗氣記、卷第九。

現代語訳 校了

『心柱麗氣記』巻第九。

RK-PAR-0052・影印 第54画像 両丁
識語・奥書等 単位: 画像照合済
原文翻刻 画像照合済

奧書云 爲開眞如理宮林本學惠光謹以授此書高野山 金剛三昧院長者坊之御本以寫之 享祿五年三月六日 空音

句読本文 画像照合済

奧書云。 爲開眞如理宮林本學惠光謹以授此書高野山。 金剛三昧院長者坊之御本以寫之。 享祿五年三月六日。 空音。

訓読 画像照合済

奧書に云ふ。 眞如の理を開かんが爲、宮林本學惠光、謹みて此の書を高野山に授く。 金剛三昧院長者坊の御本を以て、これを寫す。 享祿五年三月六日。 空音。

現代語訳 画像照合済

奥書は、真如の理を明らかにするためにこの書を高野山へ授けたこと、金剛三昧院長者坊の本を用いて写したことを記す。日付は享禄五年三月六日、末尾に「空音」とある。

RK-PAR-0053・影印 第55画像 右丁
識語・奥書等 単位: 画像照合済
原文翻刻 画像照合済

此麗氣記上下奉寄進駿府 惣社所也 承應貳癸巳歳 四月日 從五位下水野石見守源忠貞

句読本文 画像照合済

此麗氣記上下、奉寄進駿府 惣社、所也。 承應貳癸巳歳。 四月日。 從五位下水野石見守源忠貞。

訓読 画像照合済

此の麗氣記上下を、駿府惣社に奉寄進する所なり。 承應貳癸巳歳、四月日。 從五位下、水野石見守源忠貞。

現代語訳 画像照合済

この『麗氣記』上下巻を駿府惣社へ寄進する旨を記す。日付は承応二年癸巳四月、署名は従五位下・水野石見守源忠貞である。

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