神体図
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『麗氣記(れいきき)』は、伊勢両宮の神々を密教的な世界観から説く中世神道書です。本文十四巻と神体図四巻からなる「十八巻」として伝えられ、後世の両部神道に大きな影響を与えました。
本頁は、土御門文書編纂所が国文学研究資料館鵜飼文庫所蔵の写本を底本として、新たに本文を読み取り、句読点・訓読・現代語訳・注釈を独自に作成する自家翻刻資料です。近現代の校訂本・書き下し文・現代語訳を転載せず、原画像との照合を終えた区分から順次掲載します。
ここでいう原文翻刻は、著者自筆原本を復元したという意味ではありません。オンラインで全冊を確認できる近世写本のうち、慶安二年と承応二年の識語をもつ鵜飼文庫本を作業底本とし、その本文を可能な限り底本どおりに翻刻します。伝本間の異同から祖本の本文を考える作業は、底本翻刻とは分けて校異・編纂注に記します。
原文翻刻、句読本文、訓読、現代語訳は混在させず、共通の区分番号で対応させます。底本に付された返り点・仮名・朱筆は歴史資料として尊重しますが、土御門文書編纂所版の句読・訓読・現代語訳は独自に作成します。
鵜飼文庫本では、「天地麗氣記」が最初に置かれ、次に「二所太神宮麗氣記」が続きます。本版では既成の刊本配列へ並べ替えず、まず底本の物理的な配列どおりに翻刻します。
下の「底本影印」には、鵜飼文庫本二冊の全九十八画像を収めています。「前へ」「次へ」、または画像下のつまみで画像を送れます。画像を押すと、CODHが配信する高精細の原画像を別画面で開きます。
本頁は土御門文書編纂所による編纂中の作業稿です。原文翻刻、独自句読、独自訓読、独自現代語訳を分離し、各単位の校合状態を明示して公開します。
公開版 reikiki-20260807-full-v5・ 全276単位・ 13 / 14頁
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八坂瓊曲玉 九尊位 八葉九尊 中ノ九ノ 裏書也
八坂瓊曲玉。 九尊位。 八葉九尊。 中ノ九ノ、 裏書也。
八坂瓊曲玉。 九尊の位。 八葉九尊。 中の九の裏書なり。
図中には「八坂瓊曲玉」「九尊位」「八葉九尊」とあり、「中の九の裏書である」と記される。
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四ツ羊ノ石也 中ノ九ノ 裏書也 日生光 金色
四ツ羊ノ石也。 中ノ九ノ、 裏書也。 日生光。 金色。
「四ツ羊ノ石也」と記す。 中の九の裏書なり。 「日生光」。 「金色」。
図中には「四ツ羊ノ石也」とあり、また「中ノ九ノ裏書也」「日生光」「金色」と記される。
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胎界 青色 金界
胎界。 青色。 金界。
胎界。 青色。 金界。
図中には「胎界」「青色」「金界」と記される。
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三弁寶珠 三光智躰
三弁寶珠。 三光智躰。
三弁の寶珠。 三光の智躰。
図中には「三弁寶珠」「三光智躰」と記される。
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内神
内神。
内神。
図中には「内神」と記される。
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外神
外神。
外神。
図中には「外神」と記される。
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九尊形
九尊形。
九尊の形。
図中には「九尊形」と記される。
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九尊三形曼荼羅
九尊三形曼荼羅。
九尊の三形曼荼羅。
図中には「九尊三形曼荼羅」と記される。
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豊受皇太神継文
豊受皇太神継文
豊受皇太神継文(とようけこうたいじんつぎぶみ)
『豊受皇太神継文』。
南閻浮提□□□□胎金剛寶座大日本國伊 勢山田原天照豊受皇太神者非相天照新智 躰下來於欲界他化自在天王宮中爲大毘 盧遮那佛爲除魔醯首羅難轉法輪化成尸棄大梵 天王爲娑婆世界主悲六道四生有情重苦不捨 身口意妄三業頓可成佛道示正覺正智形現神 通自在姿十方无邊利益於在之處處施神威 光化儀於光明飯世界建名大毘盧遮那如來於
南閻浮提□□□□胎金剛寶座、大日本國伊 勢山田原、天照豊受皇太神者、非相天照新智 躰、下來於欲界他化自在天王宮中、爲大毘 盧遮那佛。爲除魔醯首羅難、轉法輪、化成尸棄大梵 天王、爲娑婆世界主。悲六道四生有情重苦、不捨 身口意妄三業、頓可成佛道。示正覺正智形、現神 通自在姿、十方无邊利益、於在之處處、施神威 光。化儀於光明飯世界、建名大毘盧遮那如來、於
南閻浮提の□□□□胎金剛宝座、大日本国伊勢山田原の天照豊受皇太神は、非相天照新智体、欲界の他化自在天王宮中に下来し、大毘盧遮那仏と為る。魔醯首羅の難を除かんが為に法輪を転じ、化して尸棄大梵天王と成り、娑婆世界の主と為る。六道四生の有情の重苦を悲しみ、身・口・意の妄なる三業を捨てずして、頓に仏道を成ずべし。正覚・正智の形を示し、神通自在の姿を現じ、十方無辺を利益し、在る所々に神威の光を施す。光明飯世界に於いて化儀し、大毘盧遮那如来と名を建て、……に於いて〔次条へ続く〕。
冒頭の「南閻浮提□□□□胎金剛寶座」は四字の欠字を含むため、厳密な構文を確定しない。本文では、大日本国伊勢山田原の天照豊受皇太神について、「非相天照新智体」と記し、欲界の他化自在天王宮に下って大毘盧遮那仏となったとする。さらに、「魔醯首羅」の難を除くため法輪を転じ、尸棄大梵天王となって娑婆世界の主となり、六道四生の衆生の重い苦しみを憐れみ、身・口・意の迷いの三業を捨てないまま速やかに仏道を成就できることを示したと説く。また、正覚・正智の形と自在な神通の姿を現し、あらゆる所に神威の光を及ぼすという。続いて、字面どおり「光明飯世界」と記す世界において教化の姿を示し、大毘盧遮那如来の名を立てると述べる。末尾の「於」は次単位冒頭の「極樂淨土」に続く。
極樂淨土是名天王如來於師子國是名大牟尼 尊於大日本國是名大日孁貴豊受太神是也不 來不去神本覺不生元神一切衆生父常住不變 妙理也又成正覺正智是法界眼前道 理也金剛界遍照如來本相悲願取果本有金剛 界普賢如來月輪本相爲本形三密鏡是爲神躰 是名法身如來摧一切衆生八萬四千塵門明 盡无餘煩惱惡業是名大梵天王宮是名金剛法 界宮豊受皇太神継文開海雲造玄血脈和西宮 神本緣如即信兩宮人者堺内堺外不失唯以三 密瑜伽教法日々夜々可讀持因緣如左神則諸 佛魂佛則諸佛神性也人則神主神則人魂如宗 如自心是名真如是名萬法是名大悲方便是名 真實覺王是名真如海是名真言海是名般若波 羅蜜多王宮是名神廊柱是名三界建立主是名 □衣□□義是名其□□□是名及子王式中 義是名大覺大字智文 是則佛説也不是我言密教相承大事師資累代
極樂淨土、是名天王如來。於師子國、是名大牟尼 尊。於大日本國、是名大日孁貴豊受太神、是也。不 來不去神、本覺不生元神、一切衆生父、常住不變 妙理也。又成正覺正智、是法界眼前道 理也。金剛界遍照如來本相、悲願取果、本有金剛 界普賢如來月輪本相、爲本形。三密鏡、是爲神躰。 是名法身如來。摧一切衆生八萬四千塵門、明 盡无餘煩惱惡業。是名大梵天王宮。是名金剛法 界宮。豊受皇太神継文、開海雲造玄血脈和西宮 神本緣如即信兩宮人者、堺内堺外不失。唯以三 密瑜伽教法、日々夜々可讀持。因緣如左。神則諸 佛魂。佛則諸佛神性也。人則神主。神則人魂。如宗 如自心。是名真如。是名萬法。是名大悲方便。是名 真實覺王。是名真如海。是名真言海。是名般若波 羅蜜多王宮。是名神廊柱。是名三界建立主。是名 □衣□□義。是名其□□□。是名及子王式中 義。是名大覺大字智文。 是則佛説也。不是我言。密教相承大事、師資累代、
極楽浄土においては、これを天王如来と名づく。師子国においては、これを大牟尼尊と名づく。大日本国においては、これを大日孁貴豊受太神と名づく。これなり。不来不去の神、本覚不生の元神、一切衆生の父、常住不変の妙理なり。また正覚・正智を成ず。これ法界眼前の道理なり。金剛界遍照如来の本相は、悲願の果を取り、本有金剛界普賢如来の月輪の本相を本形と為し、三密鏡、これを神体と為す。これを法身如来と名づく。一切衆生の八万四千の塵門を摧き、明らかに無余の煩悩悪業を尽くす。これを大梵天王宮と名づけ、これを金剛法界宮と名づく。豊受皇太神継文。「開海雲造玄血脈和西宮/神本縁如即信両宮人者/堺内堺外不失」〔この範囲は語切り・句読・構文未詳〕。ただ三密瑜伽の教法をもって、日々夜々読持すべし。因縁、左のごとし。神は則ち諸仏の魂、仏は則ち諸仏の神性なり。人は則ち神の主、神は則ち人の魂。宗のごとく、自心のごとし。これを真如と名づけ、これを万法と名づけ、これを大悲方便と名づけ、これを真実覚王と名づけ、これを真如海と名づけ、これを真言海と名づけ、これを般若波羅蜜多王宮と名づけ、これを神廊柱と名づけ、これを三界建立主と名づく。「是名□衣□□義/是名其□□□/是名及子王式中義」〔残る六字、語切り・訓読未詳〕。これを大覚大字智文と名づく。これは則ち仏説なり。我が言にはあらず。密教相承の大事、師資累代の……〔次条へ続く〕。
前単位から続き、本文では、極楽浄土では天王如来、師子国では大牟尼尊、日本では大日孁貴豊受太神と名づけるとする。その神を、不来不去・本覚不生の根源神、すべての衆生の父、常住不変の理と述べ、正覚・正智を成就することを法界に目前する道理とする。さらに、金剛界遍照如来の本相が悲願の果を取り、本有の金剛界普賢如来の月輪の本相を本来の形とし、三密鏡を神体とすると説く。また、法身如来とも名づけ、衆生の八万四千の「塵門」を砕き、残るところのない煩悩と悪業を尽くすと述べ、大梵天王宮・金剛法界宮などの名を列挙する。中ほどの「開海雲造玄血脈和西宮/神本緣如即信兩宮人者/堺内堺外不失」は、「如即」と二つの「堺」の本文字を画像上で確定したが、語切り・句読・前後の構文は未詳であるため、そのまま掲げる。続いて、三密瑜伽の教法を日夜読誦・保持すべきことを述べ、神・仏・人・心の関係を本文独自の言い方で示したうえ、真如、万法、大悲方便、真実覚王、真如海、真言海、般若波羅蜜多王宮、神廊柱、三界建立主などの名称を列挙する。末尾近くの「□衣□□義/其□□□/及子王式中義」は、「及」の本文字を確定した一方、残る六字と語切り・訓読が未詳であるため、意味を補わない。末尾は、これは自説ではなく仏説であり、密教相承の大事、歴代の師資の「骨目」であるという次単位の文へ続く。
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