五行大義

五行大義

隋の蕭吉が五行思想の諸説を集成した『五行大義』全五巻について、土御門文書編纂所による原文翻刻・句読・訓読・現代語訳を公開します。

土御門文書編纂所による公開校訂版です。元禄十二年刊本の画像を底本とし、原文翻刻、独自句読、独自訓読、独自現代語訳を分離して公開します。

自家翻刻・訓読・現代語訳

公開版 gogyo-taigi-20260818-g4-v2・全964単位・5 / 49頁

第二論支干名・幹と干の字義

第1冊 第11画像を開く(新しいタブ)
GT-100024・巻1
本文 校了
原文翻刻校了

又作幹者幹濟爲義支者支任爲義以此日辰任濟萬事故云支幹又作干字者亦是簳義如物之在竿上能豎立顯然故亦云竿也世書從易故多干也

句読本文校了

又作幹者、幹濟爲義。支者、支任爲義。以此日辰任濟萬事、故云支幹。又作干字者、亦是簳義。如物之在竿上、能豎立顯然、故亦云竿也。世書從易、故多干也。

訓読校了

又、幹に作るは、幹濟を義と爲す。支は支任を義と爲す。此の日辰を以て萬事を任濟す。故に支幹と云う。又、干の字に作るは、亦た簳の義なり。物の竿上に在りて、能く豎立して顯然たるが如し。故に亦た竿と云うなり。世書は易きに從う、故に干多し。

現代語訳校了

「幹」と書く場合は物事を成し遂げる意、「支」は支え担う意で、日と辰によって万事を担い成就するから支幹という。「干」と書く場合も「簳(さお)」の意である。物が竿の上にあれば高く直立してはっきり見えるようなものなので、やはり「竿」という。世間の書では簡便な字に従い、「干」を多く用いる。

GT-100025・巻1
本文 校了
原文翻刻校了

次別號者詩緯推度災云甲者押也春則開也冬則闔也鄭玄注禮記月令云甲者抽也乙者軋也春時萬物皆解孚甲自抽軋而出也

句読本文校了

次別號者、詩緯推度災云、甲者押也。春則開也、冬則闔也。鄭玄注禮記月令云、甲者抽也、乙者軋也。春時萬物皆解孚甲、自抽軋而出也。

訓読校了

次に別號は、『詩緯推度災』に云く、甲は押なり。春には則ち開き、冬には則ち闔ずなり。鄭玄の『禮記月令』注に云く、甲は抽なり、乙は軋なり。春時、萬物皆孚甲を解き、自ら抽軋して出づるなり。

現代語訳校了

次に個別名を説く。『詩緯推度災』では、甲は「押」の意で、春には開き冬には閉じるという。鄭玄の『礼記』月令注では、甲は「抽」、乙は「軋」の意で、春になると万物が殻を解き、自ら押し開いて現れることを表す。

GT-100026・巻1
本文 校了
原文翻刻校了

丙者柄也物之生長各執其柄鄭玄云丙者炳也夏時萬物強大炳然著見也丁者亭也亭猶止也物之生長將應止也

句読本文校了

丙者柄也。物之生長、各執其柄。鄭玄云、丙者炳也。夏時萬物強大、炳然著見也。丁者亭也。亭猶止也。物之生長、將應止也。

訓読校了

丙は柄なり。物の生長、各おの其の柄を執る。鄭玄云く、丙は炳なり。夏時、萬物強大にして、炳然として著見するなり。丁は亭なり。亭は猶お止のごとし。物の生長、將に應に止まるべきなり。

現代語訳校了

丙は「柄」の意で、成長する万物がそれぞれの要を握ることを表す。鄭玄は「炳」、すなわち夏に万物が強大となって明らかに現れる意とする。丁は「亭」、つまり成長がやがて止まることを表す。

GT-100027・巻1
本文 校了
原文翻刻校了

戊者貿也生長既極極則應成貿易前體也己者紀也物既始成有條紀也鄭玄云戊之言茂也己之言起也謂萬物皆枝葉茂盛其含秀者抑屈而起也

句読本文校了

戊者貿也。生長既極、極則應成、貿易前體也。己者紀也。物既始成、有條紀也。鄭玄云、戊之言茂也、己之言起也。謂萬物皆枝葉茂盛、其含秀者抑屈而起也。

訓読校了

戊は貿なり。生長既に極まり、極まれば則ち應に成るべく、前體を貿易するなり。己は紀なり。物既に始めて成り、條紀有るなり。鄭玄云く、戊の言は茂なり、己の言は起なり。萬物皆枝葉茂盛し、其の秀を含む者は抑屈して起くるを謂うなり。

現代語訳校了

戊は「貿」であり、生長が極まると形を完成させ、それまでの姿を取り替えることを表す。己は「紀」であり、物が成り始めて条理と筋道が生じることを表す。鄭玄は、戊とは繁茂の「茂」、己とは立ち起こる「起」であり、万物の枝葉が盛んに茂り、つぼみを内に含むものが屈した状態から起き上がることだと説く。

第二論支干名・庚辛壬癸

第1冊 第12画像を開く(新しいタブ)
GT-100028・巻1
本文 校了
原文翻刻校了

庚者更也辛者新也謂萬物成代改更復新也鄭玄云謂萬物皆肅然改更秀實新成也壬者任也癸者揆也陰任於陽揆然萌牙於物也鄭玄云時維閇藏萬物懷任於下揆然萌牙也

句読本文校了

庚者更也、辛者新也。謂萬物成代、改更復新也。鄭玄云、謂萬物皆肅然改更、秀實新成也。壬者任也、癸者揆也。陰任於陽、揆然萌牙於物也。鄭玄云、時維閇藏萬物、懷任於下、揆然萌牙也。

訓読校了

庚は更なり、辛は新なり。萬物成り代わり、改更して復た新たなるを謂うなり。鄭玄云く、萬物皆肅然として改更し、秀實新たに成るを謂うなり。壬は任なり、癸は揆なり。陰、陽に任じ、揆然として物に萌牙するなり。鄭玄云く、時に維れ萬物を閇藏し、下に懷任して、揆然として萌牙するなり。

現代語訳校了

庚は「更」、辛は「新」であり、万物が世代を替え、改まり、再び新しくなることを表す。鄭玄は、万物がみな粛然として改まり、花と実が新たに成ることだと説く。壬は「任」、癸は「揆」であり、陰が陽を内に宿し、物の中で測るように芽を出すことを表す。鄭玄は、万物が閉じ蔵される時にも地下で子を宿し、測るように芽を出すことだと説く。

GT-100029・巻1
本文 校了
原文翻刻校了

子者孳也陽氣既動萬物孳萌三禮義宗云陽氣至孳養生丑者紐也紐者繫也續萌而繫長也故曰孳萌於子紐牙於丑三禮義宗云言居終始之際故以紐結爲名

句読本文校了

子者孳也。陽氣既動、萬物孳萌。三禮義宗云、陽氣至、孳養生。丑者紐也。紐者繫也。續萌而繫長也。故曰、孳萌於子、紐牙於丑。三禮義宗云、言居終始之際、故以紐結爲名。

訓読校了

子は孳なり。陽氣既に動き、萬物孳萌す。『三禮義宗』に云く、陽氣至り、孳養して生ず。丑は紐なり。紐は繫なり。萌を續けて繫ぎ長ずるなり。故に曰く、子に孳萌し、丑に紐牙す。『三禮義宗』に云く、終始の際に居るを言う、故に紐結を以て名と爲す。

現代語訳校了

子は繁殖の「孳」であり、陽気がすでに動き、万物が繁殖して芽生える段階を表す。『三礼義宗』は、陽気が到来して万物を養い生じさせることだと説く。丑は「紐」であり、「紐」はつなぐことを意味し、芽生えを引き継いでつなぎ育てる。ゆえに、子において繁殖し芽生え、丑において芽をつないで伸ばすという。『三礼義宗』は、丑が終わりと始まりの境に位置するため、紐で結ぶことを名としたと説く。

GT-100030・巻1
本文 校了
原文翻刻校了

寅者移也亦云引也物牙稍吐引而申之移出於地也淮南子云寅螾動生也三禮義宗云寅者引也肆建之義也卯者冒也物生長大覆冒於地也淮南子云丣茂也茂然也三禮義宗云丣茂也陽氣至此物生滋茂

句読本文校了

寅者移也、亦云引也。物牙稍吐、引而申之、移出於地也。淮南子云、寅螾動生也。三禮義宗云、寅者引也、肆建之義也。卯者冒也。物生長大、覆冒於地也。淮南子云、丣茂也、茂然也。三禮義宗云、丣茂也、陽氣至此、物生滋茂。

訓読校了

寅は移なり、亦た引と云う。物の牙稍く吐き、引きて之を申ばし、地より移り出づるなり。『淮南子』に云く、寅は螾動して生ずるなり。『三禮義宗』に云く、寅は引なり、肆建の義なり。卯は冒なり。物生じ長大となり、地を覆冒するなり。『淮南子』に云く、丣は茂なり、茂然たるなり。『三禮義宗』に云く、丣は茂なり、陽氣此に至り、物生じ滋茂す。

現代語訳校了

寅は「移」、また「引」であり、芽がわずかに出て、それを引き伸ばし、地中から移り出ることを表す。『淮南子』は、寅とは虫が動いて生じることだと説く。『三礼義宗』は、寅とは引くことであり、広く立て起こす意味だと説く。卯は「冒」であり、物が生じて大きく成長し、地を覆うことを表す。『淮南子』は、丣とは「茂」であり、盛んに茂るさまだと説く。『三礼義宗』は、丣とは「茂」であり、陽気がここに至って物が生じ繁茂することだと説く。

GT-100031・巻1
本文 校了
原文翻刻校了

辰者震也震動奮迅去其故體也三禮義宗云此月之時物盡震動而長巳者巳也故體洗去於是巳竟也

句読本文校了

辰者震也。震動奮迅、去其故體也。三禮義宗云、此月之時、物盡震動而長。巳者巳也。故體洗去、於是巳竟也。

訓読校了

辰は震なり。震動奮迅して、其の故體を去るなり。『三禮義宗』に云く、此の月の時、物盡く震動して長ず。巳は巳なり。故體洗い去られ、是に於いて巳に竟わるなり。

現代語訳校了

辰は「震」であり、震え動いて勢いよく進み、それまでの形を脱することを表す。『三礼義宗』は、この月には物がことごとく震え動いて成長すると説く。巳は「巳」であり、それまでの形が洗い去られ、ここで既に終わることを表す。

GT-100032・巻1
本文 校了
原文翻刻校了

三禮義宗云巳起也物至此時皆畢盡而起午者仵也亦云萼也仲夏之月萬物盛大枝柯萼布於午淮南子云午者忤也三禮義宗云仵長也大也明物皆長大也未者昧也陰氣已長萬物稍衰體薆昧也故曰薆昧於未淮南子云未味也三禮義宗云時物向成皆有氣味

句読本文校了

三禮義宗云、巳起也、物至此時、皆畢盡而起。午者仵也、亦云萼也。仲夏之月、萬物盛大、枝柯萼布於午。淮南子云、午者忤也。三禮義宗云、仵長也、大也、明物皆長大也。未者昧也。陰氣已長、萬物稍衰、體薆昧也、故曰薆昧於未。淮南子云、未味也。三禮義宗云、時物向成、皆有氣味。

訓読校了

『三禮義宗』に云ふ、巳は起なり。物此の時に至り、皆畢盡して起つ。午は仵なり、亦た萼と云ふ。仲夏の月、萬物盛大にして、枝柯の萼、午に布く。『淮南子』に云ふ、午は忤なり。『三禮義宗』に云ふ、仵は長なり、大なり。物皆長大するを明らかにす。未は昧なり。陰氣已に長じ、萬物稍く衰へ、體薆昧なり。故に薆昧於未と曰ふ。『淮南子』に云ふ、未は味なり。『三禮義宗』に云ふ、時に物成るに向かひ、皆氣味有り。

現代語訳校了

『三礼義宗』は、巳とは「起」であり、物がこの時に至ってことごとく立ち起こると説く。午は「仵」、また「萼」であり、仲夏には万物が盛大になって、枝々の萼が午の時に広がる。『淮南子』は、午とは逆らう「忤」だと説く。『三礼義宗』は、「仵」とは長大になることであり、万物がみな成長して大きくなることを示すと説く。未は「昧」であり、陰気がすでに伸び、万物が少し衰えて形が暗くおぼろになるため「未において薆昧する」という。『淮南子』は、未とは「味」だと説く。『三礼義宗』は、この時に物が成熟へ向かい、すべて気と味を備えると説く。

GT-100033・巻1
本文 校了
原文翻刻校了

申者伸伸猶引也長也衰老引長淮南子云申呻也三禮義宗云申者身也物皆身體成就也酉者老也亦云熟也萬物老極而成熟也淮南子云酉飽也三禮義宗云酉猶也猶倫之義也此時物皆縮小而成也

句読本文校了

申者伸。伸猶引也、長也。衰老引長。淮南子云、申呻也。三禮義宗云、申者身也、物皆身體成就也。酉者老也、亦云熟也。萬物老極而成熟也。淮南子云、酉飽也。三禮義宗云、酉猶也、猶倫之義也。此時物皆縮小而成也。

訓読校了

申は伸なり。伸は猶お引なり、長なり。衰老して引き長ず。『淮南子』に云く、申は呻なり。『三禮義宗』に云く、申は身なり。物皆身體成就するなり。酉は老なり、亦た熟と云う。萬物老極して成熟するなり。『淮南子』に云く、酉は飽なり。『三禮義宗』に云く、酉は猶なり。猶は倫の義なり。此の時、物皆縮小して成るなり。

現代語訳校了

申は「伸」であり、「伸」は引き伸ばすこと、長くなることを意味し、衰え老いながらも伸長することを表す。『淮南子』は、申とはうめく「呻」だと説く。『三礼義宗』は、申とは「身」であり、物の身体がすべて完成することだと説く。酉は「老」、また「熟」であり、万物が老いを極めて成熟することを表す。『淮南子』は、酉とは満ち足りる「飽」だと説く。『三礼義宗』は、酉とは「猶」であり、「猶」は秩序・類別を意味し、この時に物がみな縮小して完成することだと説く。

GT-100034・巻1
本文 校了
原文翻刻校了

戌者滅也殺也九月殺極物皆滅也三禮義宗云此時物衰滅也亥者核也閡也十月閉藏萬物皆入核閡三禮義宗云亥劾也言陰氣劾殺萬物也爾雅歲次云大歲在寅名攝提格

句読本文校了

戌者滅也、殺也。九月殺極、物皆滅也。三禮義宗云、此時物衰滅也。亥者核也、閡也。十月閉藏、萬物皆入核閡。三禮義宗云、亥劾也。言陰氣劾殺萬物也。爾雅歲次云、大歲在寅、名攝提格。

訓読校了

戌は滅なり、殺なり。九月、殺極まり、物皆滅するなり。『三禮義宗』に云く、此の時、物衰滅す。亥は核なり、閡なり。十月閉藏し、萬物皆核閡に入る。『三禮義宗』に云く、亥は劾なり。陰氣、萬物を劾殺するを言うなり。『爾雅』歲次に云く、大歲寅に在るを攝提格と名づく。

現代語訳校了

戌は「滅」、また「殺」であり、九月には殺気が極まって万物が滅することを表す。『三礼義宗』は、この時に物が衰え滅すると説く。亥は「核」、また「閡」であり、十月には万物が閉じ蔵され、すべて核と閉塞の中へ入ることを表す。『三礼義宗』は、亥とは罪を問い殺す「劾」であり、陰気が万物を責め殺すことだと説く。『爾雅』の歳次篇は、太歳が寅にある年を摂提格と名づける。

第二論支干名・攝提格と單閼

第1冊 第13画像を開く(新しいタブ)
GT-100035・巻1
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淮南子注云格起也萬物承陽而起卯名單閼單盡閼止也言陽氣推萬物而起陰氣盡止也辰名執徐執蟄也徐舒也言伏蟄之物皆散舒而出也

句読本文校了

淮南子注云、格起也、萬物承陽而起。卯名單閼。單盡、閼止也。言陽氣推萬物而起、陰氣盡止也。辰名執徐。執蟄也、徐舒也。言伏蟄之物、皆散舒而出也。

訓読校了

『淮南子』注に云く、格は起なり。萬物陽を承けて起く。卯を單閼と名づく。單は盡、閼は止なり。陽氣萬物を推して起こし、陰氣盡く止むを言うなり。辰を執徐と名づく。執は蟄なり、徐は舒なり。伏蟄の物、皆散舒して出づるを言うなり。

現代語訳校了

『淮南子』注は、格とは「起」であり、万物が陽気を受けて起こることだと説く。卯の歳次名は単閼で、「単」は尽きること、「閼」は止まることを意味し、陽気が万物を押し起こし、陰気が尽きて止むことを表す。辰の歳次名は執徐で、「執」は冬ごもり、「徐」はゆるやかに広がることを意味し、伏して冬ごもりしていた物がみな散り広がって外へ出ることを表す。

第二論支干名・大荒落

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GT-100036・巻1
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巳名大荒落荒大也言萬物熾盛而大出落落而布散也午名敦牂淮南子云欃槍敦盛牂壯也言萬物盛壯也

句読本文校了

巳名大荒落。荒大也。言萬物熾盛而大出、落落而布散也。午名敦牂。淮南子云、欃槍、敦盛、牂壯也。言萬物盛壯也。

訓読校了

巳を大荒落と名づく。荒は大なり。萬物熾盛して大いに出で、落落として布散するを言ふなり。午を敦牂と名づく。『淮南子』に云く、欃槍、敦は盛、牂は壯なり。萬物盛壯なるを言ふなり。

現代語訳校了

巳の歳次名は大荒落で、「荒」は大きいことを意味し、万物が盛んになって大きく現れ、広々と散り広がることを表す。午の歳次名は敦牂である。『淮南子』では欃槍ともいい、「敦」は盛ん、「牂」は壮んなことを意味し、万物が盛んで壮大になることを表すと説く。

第二論支干名・協洽と涒灘

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GT-100037・巻1
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原文翻刻校了

未名協洽淮南子云協和也洽合也言陰欲化萬物和合也申名涒灘淮南子云涒灘大脩也言萬物皆脩其精氣也

句読本文校了

未名協洽。淮南子云、協和也、洽合也。言陰欲化、萬物和合也。申名涒灘。淮南子云、涒灘大脩也。言萬物皆脩其精氣也。

訓読校了

未を協洽と名づく。『淮南子』に云く、協は和なり、洽は合なり。陰化せんと欲し、萬物和合するを言うなり。申を涒灘と名づく。『淮南子』に云く、涒灘は大いに脩むるなり。萬物皆其の精氣を脩むるを言うなり。

現代語訳校了

未の歳次名は協洽である。『淮南子』は、「協」は調和、「洽」は合一を意味し、陰気が変化を起こそうとして万物が調和し合うことを表すと説く。申の歳次名は涒灘である。『淮南子』は、涒灘とは大いに修め整えることであり、万物がみな自己の精気を修めることを表すと説く。

第二論支干名・作鄂と掩茂

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GT-100038・巻1
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酉名作鄂淮南子云作鄂零落也言萬物皆陊落也戌名掩茂掩蔽也茂冒也言萬物皆蔽冒也

句読本文校了

酉名作鄂。淮南子云、作鄂零落也。言萬物皆陊落也。戌名掩茂。掩蔽也、茂冒也。言萬物皆蔽冒也。

訓読校了

酉を作鄂と名づく。『淮南子』に云く、作鄂は零落なり。萬物皆陊落するを言うなり。戌を掩茂と名づく。掩は蔽なり、茂は冒なり。萬物皆蔽冒するを言うなり。

現代語訳校了

酉の歳次名は作鄂である。『淮南子』は、作鄂とは零落することであり、万物がみな落ち散ることを表すと説く。戌の歳次名は掩茂で、「掩」は覆い隠すこと、「茂」は上から覆うことを意味し、万物がみな覆い包まれることを表す。

第二論支干名・大淵獻と困敦

第1冊 第14画像を開く(新しいタブ)
GT-100039・巻1
本文 校了
原文翻刻校了

亥名大淵獻淵藏獻迎也言萬物終亥大小深藏窟伏以迎陽也子名困敦困混也敦沌也言陽氣混沌萬物牙孽也

句読本文校了

亥名大淵獻。淵藏、獻迎也。言萬物終亥、大小深藏窟伏、以迎陽也。子名困敦。困混也、敦沌也。言陽氣混沌、萬物牙孽也。

訓読校了

亥を大淵獻と名づく。淵は藏、獻は迎なり。萬物亥に終わり、大小深く藏れて窟伏し、以て陽を迎うるを言うなり。子を困敦と名づく。困は混なり、敦は沌なり。陽氣混沌として、萬物牙孽するを言うなり。

現代語訳校了

亥の歳次名は大淵献で、「淵」は蔵すること、「献」は迎えることを意味し、万物が亥で一巡を終え、大小を問わず深く蔵され穴に伏して陽気を迎えることを表す。子の歳次名は困敦で、「困」は混じること、「敦」は混沌を意味し、陽気が混沌とする中で万物の芽が生じることを表す。

第二論支干名・赤奮若と結語

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GT-100040・巻1
本文 校了
原文翻刻校了

丑名赤奮若奮起也若從也言陽氣奮迅萬物而起無不順其性赤陽色也春秋緯云大陰所在之名與淮南子爾雅不同此竝支干別名大意終從氣解故以具釋之

句読本文校了

丑名赤奮若。奮起也、若從也。言陽氣奮迅萬物而起、無不順其性。赤陽色也。春秋緯云、大陰所在之名、與淮南子爾雅不同。此竝支干別名、大意終從氣解、故以具釋之。

訓読校了

丑を赤奮若と名づく。奮は起なり、若は從なり。陽氣奮迅し、萬物起きて、其の性に順わざる無きを言う。赤は陽の色なり。『春秋緯』に云く、大陰所在の名は、『淮南子』『爾雅』と同じからず。此れ竝びに支干の別名にして、大意は終に氣に從いて解す。故に以て具さに之を釋す。

現代語訳校了

丑の歳次名は赤奮若で、「奮」は起きること、「若」は従うことを意味する。陽気が勢いよく万物を動かして起こし、万物が自己の本性に従わないことはない。赤は陽の色である。『春秋緯』のいう太陰所在の名称は、『淮南子』『爾雅』の名称とは異なる。これらはすべて支干の別名であり、その大意は最終的には気の働きに従って解釈されるため、ここに詳しく説明した。

第二辨體性・総論と木火

第1冊 第14画像を開く(新しいタブ)
GT-100041・巻1
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原文翻刻校了

第二辨體性體者以形質爲名性者以功用爲義以五行體性資益萬物故合而辨之木居少陽之位春氣和煦溫柔弱火伏其中故木以溫柔爲體曲直爲性火居大陽之位炎熾赫烈故火以明熱爲體炎上爲性

句読本文校了

第二、辨體性。體者、以形質爲名。性者、以功用爲義。以五行體性資益萬物、故合而辨之。木居少陽之位、春氣和煦溫柔、弱火伏其中。故木以溫柔爲體、曲直爲性。火居大陽之位、炎熾赫烈。故火以明熱爲體、炎上爲性。

訓読校了

第二、體性を辨ず。體は形質を以て名と爲し、性は功用を以て義と爲す。五行の體性を以て萬物を資益するが故に、合わせて之を辨ず。木は少陽の位に居り、春氣和煦溫柔にして、弱火其の中に伏す。故に木は溫柔を以て體と爲し、曲直を性と爲す。火は大陽の位に居り、炎熾赫烈なり。故に火は明熱を體とし、炎上を性と爲す。

現代語訳校了

第二に五行の体と性を弁別する。体とは形質を名づけたもので、性とは働きと作用を意味する。五行の体と性が万物を助け養うため、両者を合わせて弁別する。木は少陽の位にあり、春の気が暖かく穏やかで柔らかく、弱い火がその中に潜むため、温柔を体、曲直を性とする。火は太陽の位にあり、炎が激しく燃え盛るため、明熱を体、炎上を性とする。

GT-100042・巻1
本文 校了
原文翻刻校了

土在四時之中處季夏之末陽衰陰長居位之中總於四行積塵成實積則有間有間故含容成實故能持故土以含散持實爲體稼穡爲性

句読本文校了

土在四時之中、處季夏之末。陽衰陰長、居位之中、總於四行。積塵成實、積則有間、有間故含容、成實故能持。故土以含散持實爲體、稼穡爲性。

訓読校了

土は四時の中に在り、季夏の末に處る。陽衰え陰長じ、位の中に居り、四行を總ぶ。塵を積みて實を成し、積めば則ち間有り、間有るが故に含容し、實を成すが故に能く持す。故に土は含散持實を以て體と爲し、稼穡を性と爲す。

現代語訳校了

土は四季の中央、季夏の末に位置し、陽が衰え陰が伸びる中位にあって、木・火・金・水の四行を統括する。塵が積もって実体となり、積もれば隙間が生じ、その隙間によって物を包容できる。実体となるため物を支えることができる。ゆえに土は、含み散ずる「含散」と、保持して実をなす「持実」を体とし、種をまき収穫する「稼穡」を性とする。

GT-100043・巻1
本文 校了
原文翻刻校了

金居少陰之位西方成物之所物成則凝強少陰則清冷故金以強冷爲體從革爲性水以寒虚爲體潤下爲性洪範云木曰曲直火曰炎上土曰稼穡金曰從革水曰潤下是其性也

句読本文校了

金居少陰之位、西方成物之所。物成則凝強、少陰則清冷。故金以強冷爲體、從革爲性。水以寒虚爲體、潤下爲性。洪範云、木曰曲直、火曰炎上、土曰稼穡、金曰從革、水曰潤下。是其性也。

訓読校了

金は少陰の位に居り、西方は物を成す所なり。物成れば則ち凝強し、少陰なれば則ち清冷なり。故に金は強冷を體とし、從革を性と爲す。水は寒虚を體とし、潤下を性と爲す。『洪範』に云く、木を曲直と曰い、火を炎上と曰い、土を稼穡と曰い、金を從革と曰い、水を潤下と曰う。是れ其の性なり。

現代語訳校了

金は少陰の位にあり、西方は物が完成する場所である。物が完成すれば凝り固くなり、少陰であるため清く冷たい。ゆえに金は強固・清冷を体とし、型に従って形を改める従革を性とする。水は寒さと虚ろさを体とし、潤して下ることを性とする。『洪範』は、木の性を曲直、火の性を炎上、土の性を稼穡、金の性を従革、水の性を潤下と述べる。これらが五行の性である。

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