五行大義

五行大義

隋の蕭吉が五行思想の諸説を集成した『五行大義』全五巻について、土御門文書編纂所による原文翻刻・句読・訓読・現代語訳を公開します。

土御門文書編纂所による公開校訂版です。元禄十二年刊本の画像を底本とし、原文翻刻、独自句読、独自訓読、独自現代語訳を分離して公開します。

自家翻刻・訓読・現代語訳

公開版 gogyo-taigi-20260818-g4-v2・全964単位・47 / 49頁

GT-500145・巻5
本文 校了
原文翻刻校了

又乾象六龍取其潛躍之義說卦云馬取其強健之德以健之故稱良馬以父故稱老馬以其乾乾不息故稱瘠馬以其有變化之用故稱駮馬然坤卦又稱牝馬之貞此止取順義馬之爲義不獨乾坤震又爲善鳴之馬以震有雷聲故震雷之象又爲馵足馬亦曰白頭爲的顙之馬取其顯耀之義

句読本文校了

又乾象六龍取其潛躍之義說卦云、馬取其強健之德以健之故稱良馬以父故稱老馬以其乾乾不息故稱瘠馬以其有變化之用故稱駮馬然坤卦又稱牝馬之貞此止取順義馬之爲義不獨乾坤震又爲善鳴之馬以震有雷聲故震雷之象又爲馵足馬亦曰、白頭爲的顙之馬取其顯耀之義。

訓読校了

また乾が六龍に象るのは潜躍の義を取る。『説卦』は馬の強健の徳を取り、健ゆえ良馬、父ゆえ老馬、乾乾として息まぬゆえ痩馬、変化の用があるゆえ駮馬とする。坤も牝馬の貞をいうが、ここでは順の義だけを取る。馬の義は乾坤だけではない。震は雷声を持つため善鳴の馬とし、また馵足の馬、白頭で的顙の馬として顕耀の義を取る。

現代語訳校了

また、乾を六龍にかたどるのは、龍が水中に潜み、空へ躍り上がる意味を取るためである。『説卦』は馬の強健な徳を取り、健やかなので良馬、父を表すので老馬、たゆまず活動を続けるので痩馬、変化する働きがあるので駮馬とする。一方、坤卦にも「牝馬の貞」とあるが、ここでは従順という意味だけを取る。したがって馬の象意は乾と坤だけに限られない。震は雷の声を持つので、よくいななく馬とし、また足に白い部分のある馵足の馬、額の白い的顙の馬として、明るく目立つ意味を取る。

GT-500146・巻5
本文 校了
原文翻刻校了

坎爲美脊之馬以有居中之閏故或卦龍馬以配者多以爲行天莫若於龍行地莫過於馬故多所象也坤稱子母牛者重其蕃息艮既爲狗亦爲鼠狗有守備之能狗爲能止鼠爲所止竝屬於艮離爲鼈蟹螺蜯龜皆取其有甲象外陽之義也此皆五行之所配合故於此而釋也

句読本文校了

坎爲美脊之馬以有居中之閏故或卦龍馬以配者多以爲行天莫若於龍行地莫過於馬故多所象也。坤稱子母牛者重其蕃息艮既爲狗亦爲鼠狗有守備之能狗爲能止鼠爲所止竝屬於艮離爲鼈蟹螺蜯龜皆取其有甲象外陽之義也。此皆五行之所配合故於此而釋也。

訓読校了

坎は中に居る閏があるため美脊の馬とする。このように龍馬を卦に配する例が多いのは、天を行くものは龍、地を行くものは馬に及ぶものがないためである。坤が子母牛をいうのは繁殖を重んずるからである。艮は狗であると同時に鼠でもあり、狗は守備して止め、鼠は止められるため共に艮に属す。離の鼈・蟹・螺・蜯・亀は甲を持ち外陽に象る。これらは五行の配合なのでここに釈す。

現代語訳校了

坎を背の美しい馬とするのは、卦の中央に陽爻があるためだと解される。ただし底本はこの箇所を「閏」とする。このように龍や馬を卦へ配する例が多いのは、天を行くものでは龍に勝るものがなく、地を行くものでは馬に勝るものがないためである。坤を子を連れた母牛とするのは、その繁殖力を重んじるからである。艮は犬であると同時に鼠でもある。犬には守備して物を止める働きがあり、鼠は止められる側なので、ともに艮に属する。離に配する鼈・蟹・螺・蜯・亀は、いずれも甲殻を持ち、外側が陽である形を表す。これらはすべて五行との配合に関わるため、ここで説明する。

GT-500147・巻5
本文 校了
原文翻刻校了

第二者論三十六禽禽蟲之類名數甚多今解三十六者蓋取六甲之數拭經所用也其十二屬配十二支支有三禽故三十有六禽所以支有三者分一日爲三時旦及晝暮也若以意求正應十二屬竝居晝位不應或旦或暮今依拭經法以氣而取孟則在暮仲則在中季則在旦

句読本文校了

第二者論三十六禽禽蟲之類名數甚多今解三十六者蓋取六甲之數拭經所用也。其十二屬配十二支支有三禽故三十有六禽所以支有三者分一日爲三時旦及晝暮也。若以意求正應十二屬竝居晝位不應或旦或暮今依拭經法以氣而取孟則在暮仲則在中季則在旦。

訓読校了

第二、三十六禽を論ず。禽虫の名数は多いが、三十六は六甲の数を取り、『式経』に用いる。十二属を十二支に配し、一支に三禽あるので三十六禽となる。一日に朝・昼・暮の三時があるためである。本来は十二属すべて昼位にあるはずだが、『式経』は気によって孟を暮、仲を中、季を朝に取る。

現代語訳校了

第二に、三十六禽を論じる。禽虫の名称や分類は非常に多いが、ここで三十六種を取り上げるのは、六甲の数に基づき、『式経』で用いる体系だからである。十二属を十二支に配し、各支に三禽を置くので、全部で三十六禽となる。各支に三禽があるのは、一日を朝・昼・暮の三つの時間帯に分けるためである。理だけから考えれば、十二属はすべて昼の位置に置くべきで、朝や暮に置くべきではない。しかし『式経』の方法では気の盛衰に従い、孟・仲・季に当たる支を、それぞれ暮・昼・朝に置く。

GT-500148・巻5
本文 校了
原文翻刻校了

是十二屬當十二辰也餘二十四既是配禽以不當支位所以孟在暮者孟是一時之首氣初則未盛向仲方盛故屬也取近盛氣所以在暮也仲則在晝者以其氣盛在中也季則在旦者以季爲一時之末其氣已衰當初近仲尚有王勢故屬旦也

句読本文校了

是十二屬當十二辰也。餘二十四既是配禽以不當支位所以孟在暮者孟是一時之首氣初則未盛向仲方盛故屬也。取近盛氣所以在暮也。仲則在晝者以其氣盛在中也。季則在旦者以季爲一時之末其氣已衰當初近仲尚有王勢故屬旦也。

訓読校了

この十二属が十二辰に当たり、残る二十四禽は支位に直接当たらない配禽である。孟が暮なのは一時の初めで気がまだ盛んでなく仲へ向かうからで、盛気に近い暮を取る。仲は気が盛んな中央なので昼、季は一時の末で気が衰えるが初めには仲に近く王勢を残すため朝とする。

現代語訳校了

このうち十二属そのものが十二辰に対応し、残る二十四禽は補助的に配されるもので、支の位置には直接対応しない。孟を暮に置くのは、孟が一季の初めで、その気がまだ盛んではなく、仲に向かって初めて盛んになるからである。そこで盛んな気に近い側を取り、暮に置く。仲を昼に置くのは、その気が中央で盛んになるからである。季を朝に置くのは、季が一季の末で気はすでに衰えているものの、その初めは仲に近く、まだ旺盛な勢いが残るからである。

GT-500149・巻5
本文 校了
原文翻刻校了

於式當位二俱不失王簡云子朝爲䴏晝爲鼠暮爲伏翼丑朝爲牛晝爲蟹暮爲鼈寅朝爲狸晝爲豹暮爲虎本生經云旦爲生木又云晝爲虎暮爲狸卯朝爲猬晝爲兔暮爲貉一云朝爲狐本生經云暮爲鶴辰朝爲龍晝爲蛟暮爲魚巳朝爲蟮晝爲蚯蚓暮爲魚蛇一云暮爲龜

句読本文校了

於式當位、二俱不失。王簡云、子朝爲䴏晝爲鼠暮爲伏翼丑朝爲牛晝爲蟹暮爲鼈寅朝爲狸晝爲豹暮爲虎本生經云、旦爲生木又云、晝爲虎暮爲狸卯朝爲猬晝爲兔暮爲貉一云、朝爲狐本生經云、暮爲鶴辰朝爲龍晝爲蛟暮爲魚巳朝爲蟮晝爲蚯蚓暮爲魚蛇一云、暮爲龜。

訓読校了

式に於いて位に當たり、二つながら失はれず。王簡によれば、子は朝が燕、昼が鼠、暮が伏翼、丑は朝が牛、昼が蟹、暮が鼈、寅は朝が狸、昼が豹、暮が虎である。『本生経』には寅の朝を生木、昼を虎、暮を狸とする説もある。卯は朝が猬、昼が兔、暮が貉で、異説は朝を狐、『本生経』は暮を鶴とする。辰は朝が龍、昼が蛟、暮が魚である。巳は朝が蟮、昼が蚯蚓、暮が魚蛇で、異説は暮を亀とする。

現代語訳校了

式法では所定の位置に当て、二者とも欠けることがない。王簡によれば、子は朝が燕、昼が鼠、暮が伏翼、丑は朝が牛、昼が蟹、暮が鼈、寅は朝が狸、昼が豹、暮が虎である。『本生経』には寅の朝を生木、昼を虎、暮を狸とする説もある。卯は朝が猬、昼が兔、暮が貉で、異説は朝を狐、『本生経』は暮を鶴とする。辰は朝が龍、昼が蛟、暮が魚である。巳は朝が蟮、昼が蚯蚓、暮が魚蛇で、異説は暮を亀とする。

GT-500150・巻5
本文 校了
原文翻刻校了

本生經言旦爲赤土晝爲蛇暮爲蟬午朝爲鹿晝爲馬暮爲獐本生經言旦爲馬晝爲鹿暮爲麞未朝爲羊晝爲鷹暮爲鴈本生經云暮爲老木申朝爲猫晝爲猨暮爲猴一云旦爲羊本生經言暮爲死石酉朝爲雉晝爲雞暮爲馬一云朝爲雞暮爲死石禽變云暮爲死土

句読本文校了

本生經言旦爲赤土晝爲蛇暮爲蟬午朝爲鹿晝爲馬暮爲獐本生經言旦爲馬晝爲鹿暮爲麞未朝爲羊晝爲鷹暮爲鴈本生經云、暮爲老木申朝爲猫晝爲猨暮爲猴一云、旦爲羊本生經言暮爲死石酉朝爲雉晝爲雞暮爲馬一云、朝爲雞暮爲死石禽變云、暮爲死土。

訓読校了

『本生経』は巳の朝を赤土、昼を蛇、暮を蝉とする。午は朝が鹿、昼が馬、暮が獐で、『本生経』は朝を馬、昼を鹿、暮を麞とする。未は朝が羊、昼が鷹、暮が雁で、『本生経』は暮を老木とする。申は朝が猫、昼が猨、暮が猴で、異説は朝を羊、『本生経』は暮を死石とする。酉は朝が雉、昼が鶏、暮が馬で、異説は朝を鶏、暮を死石、『禽変』は暮を死土とする。

現代語訳校了

『本生経』は巳の朝を赤土、昼を蛇、暮を蝉とする。午は朝が鹿、昼が馬、暮が獐で、『本生経』は朝を馬、昼を鹿、暮を麞とする。未は朝が羊、昼が鷹、暮が雁で、『本生経』は暮を老木とする。申は朝が猫、昼が猨、暮が猴で、異説は朝を羊、『本生経』は暮を死石とする。酉は朝が雉、昼が鶏、暮が馬で、異説は朝を鶏、暮を死石、『禽変』は暮を死土とする。

GT-500151・巻5
本文 校了
原文翻刻校了

本生經言暮爲鳶戌朝爲狗晝爲狼暮爲豺一云暮爲死金禽變云暮爲死火亥朝爲豕晝爲玃暮爲猪一云旦爲生木晝爲豕暮爲蛦蝓一云旦爲㹠晝爲𤠾一云暮爲朽木雖本生經及禽變互有不同晝暮之位理從前解子爲鼠䴏伏翼者色皆玄也取水之色鼠之爲性晝伏夜遊象陰氣也

句読本文校了

本生經言暮爲鳶戌朝爲狗晝爲狼暮爲豺一云、暮爲死金禽變云、暮爲死火亥朝爲豕晝爲玃暮爲猪一云、旦爲生木晝爲豕暮爲蛦蝓一云、旦爲㹠晝爲𤠾一云、暮爲朽木雖本生經及禽變互有不同晝暮之位理從前解子爲鼠䴏伏翼者色皆玄也。取水之色鼠之爲性晝伏夜遊象陰氣也。

訓読校了

『本生経』は酉の暮を鳶とする。戌は朝が狗、昼が狼、暮が豺で、異説は暮を死金、『禽変』は暮を死火とする。亥は朝が豕、昼が玃、暮が猪で、異説は朝を生木、昼を豕、暮を蛦蝓、また朝を㹠、昼を𤠾、別説では暮を朽木とする。『本生経』と『禽変』では朝昼暮の説が異なるが、位置の理は前説に従う。子の鼠・燕・伏翼はいずれも玄色で、水色を取る。鼠は昼伏し夜遊ぶので陰気に象る。

現代語訳校了

『本生経』は酉の暮を鳶とする。戌は朝が狗、昼が狼、暮が豺で、異説は暮を死金、『禽変』は暮を死火とする。亥は朝が豕、昼が玃、暮が猪で、異説は朝を生木、昼を豕、暮を蛦蝓、また朝を㹠、昼を𤠾、別説では暮を朽木とする。『本生経』と『禽変』では朝昼暮の説が異なるが、位置の理は前説に従う。子の鼠・燕・伏翼はいずれも玄色で、水色を取る。鼠は昼伏し夜遊ぶので陰気に象る。

GT-500152・巻5
本文 校了
原文翻刻校了

出於穴常見首者象陽氣萌動於子欲見之狀也䴏口下有赤者象陰之懷陽其尾分者陰數二也春分而至隨陽見也秋分而蟄隨陰伏也禮記月令云仲春之月玄鳥至至日以太牢祀于高禖以祈子孫也秋分玄鳥歸也是見二月者子刑卯也易通卦驗云玄鳥陰鳥也

句読本文校了

出於穴常見首者象陽氣萌動於子欲見之狀也。䴏口下有赤者象陰之懷陽其尾分者陰數二也。春分而至隨陽見也。秋分而蟄隨陰伏也。禮記月令云、仲春之月玄鳥至至日以太牢祀于高禖以祈子孫也。秋分玄鳥歸也。是見二月者子刑卯也。易通卦驗云、玄鳥陰鳥也。

訓読校了

穴から頭を常に出すのは、陽気が子に萌して現れようとする象である。燕の口下の赤は陰中に陽を懐く象、二分する尾は陰数二の象である。春分に来て陽に従い現れ、秋分に蟄して陰に従い伏す。『礼記』月令は仲春に玄鳥が至り、太牢で高禖を祭り子孫を祈り、秋分に帰るという。二月に現れるのは子が卯を刑するためである。『易通卦験』は玄鳥を陰鳥とする。

現代語訳校了

鼠が穴から常に頭を出すのは、陽気が子の方位で芽生え、現れようとする形を表す。燕の口の下が赤いのは陰の中に陽を抱く形を表し、二つに分かれた尾は陰数の二を表す。燕は春分に来て陽に従って姿を現し、秋分に巣ごもりして陰に従って隠れる。『礼記』月令は、仲春に玄鳥が来ると、その日に太牢を供えて高禖を祭り、子孫を授かるよう祈り、秋分には玄鳥が帰ると述べる。二月に姿を現すのは、子が卯を刑するためである。『易通卦験』は玄鳥を陰の鳥とする。

GT-500153・巻5
本文 校了
原文翻刻校了

伏翼者鼠老爲之謂之仙鼠方言云自關已東謂之伏翼三者皆是陰蟲故竝居子也丑爲牛蟹鼈者丑爲艮立春之節農事既興牛之力也又上當牛宿說題辭曰牛爲陰事牽耦耜耕也故在丑蟹者立春之時卉木生根如其足也艮爲山巨靈贔負首頂靈山負蓬萊山卽巨蟹也

句読本文校了

伏翼者鼠老爲之謂之仙鼠方言云、自關已東謂之伏翼三者皆是陰蟲故竝居子也。丑爲牛蟹鼈者丑爲艮立春之節農事既興牛之力也。又上當牛宿說題辭曰、牛爲陰事牽耦耜耕也。故在丑蟹者立春之時卉木生根如其足也。艮爲山巨靈贔負首頂靈山負蓬萊山卽巨蟹也。

訓読校了

伏翼は老鼠が変じた仙鼠で、『方言』では関東で伏翼という。三者とも陰虫なので子に居る。丑の牛・蟹・鼈では、丑は艮で立春に農事が始まるため牛力を取り、牛宿にも当たる。『説題辞』は牛を陰事として耜を牽いて耕すので丑に置く。蟹の足は立春に草木が根を生ずる形に似る。艮は山であり、巨霊贔負は頭に霊山を頂き蓬莱山を負う巨蟹である。

現代語訳校了

伏翼とは、年老いた鼠が変じたもので、仙鼠ともいう。『方言』によれば、関より東ではこれを伏翼と呼ぶ。鼠・燕・伏翼の三者はいずれも陰の虫なので、子に置かれる。丑に配する牛・蟹・鼈について、丑は艮に当たり、立春を迎えて農事が始まる時なので、牛の力を用いる。また天上では牛宿に当たる。『説題辞』は、牛を陰の働きを担うものとし、二頭で鋤を引いて耕すため丑に置くという。蟹を配するのは、その足が立春に草木の根が生える形に似るためである。艮は山を表し、巨霊贔負は頭に霊山を載せ、蓬莱山を背負う巨大な蟹である。

GT-500154・巻5
本文 校了
原文翻刻校了

鼈者土之精氣而生中軟外堅象土含陰陽也其藏黃者土之色也牛亦有黃蟹中亦黃皆土精也丑在北方水位故兼主水土寅爲虎豹狸者三獸形類皆相似寅爲木位木主藂林寅又屬艮艮爲山虎之所處集靈經云寅爲少陽五色玄黃寅又有生火火主文章三獸俱斑竝有文也

句読本文校了

鼈者土之精氣而生中軟外堅象土含陰陽也。其藏黃者土之色也。牛亦有黃蟹中亦黃皆土精也。丑在北方水位故兼主水土寅爲虎豹狸者三獸形類皆相似寅爲木位木主藂林寅又屬艮艮爲山虎之所處集靈經云、寅爲少陽五色玄黃寅又有生火火主文章三獸俱斑竝有文也。

訓読校了

鼈は土精の気から生じ、内は軟らかく外は堅く、土が陰陽を含む象である。蔵が黄で土色、牛も蟹中も黄なので土精である。丑は北方の水位なので水土を兼ねる。寅の虎・豹・狸は形が似、寅は木位で木は叢林を主る。寅は艮にも属し山は虎の居所である。『集霊経』は寅を少陽、色を玄黄とし、寅に生火があり火は文章を主るので三獣の斑文に応ずる。

現代語訳校了

鼈は土の精気から生じ、内側は軟らかく外側は堅いので、土が陰陽を含む形を表す。体内が黄色いのは土の色であり、牛も黄色を帯び、蟹の内側も黄色いので、いずれも土の精に属する。丑は北方の水の位置にあるため、水と土の両方をつかさどる。寅に配する虎・豹・狸は姿形が互いに似ている。寅は木の位置で、木は叢林をつかさどる。また寅は艮にも属し、艮は山を表して虎の住みかとなる。『集霊経』は寅を少陽、色を玄黄とする。さらに寅には火を生む働きがあり、火は文様をつかさどるので、三種の獣がいずれも斑紋を持つことに対応する。

GT-500155・巻5
本文 校了
原文翻刻校了

上應箕宿箕主風虎嘯風起易云風從虎家語云三九二十七七主星星主虎虎七月生申衝寅故虎在寅狸豹以同類相從也本生經云主木者以寅有相木正月方生也卯爲兔猬狢者兔陽蟲也居月中者陰懷陽也元命苞云兔居月中者陰懷陽也

句読本文校了

上應箕宿箕主風虎嘯風起易云、風從虎家語云、三九二十七七主星星主虎虎七月生申衝寅故虎在寅狸豹以同類相從也。本生經云、主木者以寅有相木正月方生也。卯爲兔猬狢者兔陽蟲也。居月中者陰懷陽也。元命苞云、兔居月中者陰懷陽也。

訓読校了

上は箕宿に應ず。箕は風を主り、虎嘯けば風起こる。『易』に云く、風は虎に從ふ。『家語』に云く、三九は二十七、七は星を主り、星は虎を主る。虎は七月にして生ず。申は寅と衝す。故に虎は寅に在り。狸・豹は同類を以て相從ふ。『本生經』に木を主ると云ふは、寅に相木あり、正月に方に生ずるを以てなり。卯を兔・猬・狢とするは、兔は陽蟲なり。月中に居るは、陰が陽を懐くなり。『元命苞』も、兔が月中に居るは陰が陽を懐くためなりと云ふ。

現代語訳校了

寅は天上では箕宿に応じ、箕宿は風をつかさどるので、虎が嘯けば風が起こる。『易』にも「風は虎に従う」とある。『家語』の数では三掛ける九が二十七となり、その末尾の七は星を、星は虎をつかさどる。虎は七か月を経て生まれ、その七に当たる申が寅と衝するため、虎を寅に置く。狸と豹も同類なのでこれに従う。『本生経』が寅に木を配するのは、寅に相木があり、正月に木が生じ始めるためである。卯に配する兔・猬・狢について、兔は陽の虫だが月の中にいるため、陰が陽を抱く形を表す。『元命苞』も同じく述べる。

GT-500156・巻5
本文 校了
原文翻刻校了

坎之氣坎在子位子刑在卯故兔屬卯老兔爲猬狢亦兔類故竝居卯一云狢者狐也狐狢相類也本生經言鶴者此音同字誤也辰爲龍鮫魚者申爲水之源子爲中流辰爲水之末如百川東注皆歸于海龍能興雲致雨爲水蟲之長非海不能苞容故其神而大鮫魚亦是水蟲之長者故竝在辰

句読本文校了

坎之氣坎在子位子刑在卯故兔屬卯老兔爲猬狢亦兔類故竝居卯一云、狢者狐也。狐狢相類也。本生經言鶴者此音同字誤也。辰爲龍鮫魚者申爲水之源子爲中流辰爲水之末如百川東注皆歸于海龍能興雲致雨爲水蟲之長非海不能苞容故其神而大鮫魚亦是水蟲之長者故竝在辰。

訓読校了

坎気は子位にあり子は卯を刑するので兔は卯に属す。老兔は猬となり狢も兔類なので卯に居る。狢を狐とする説もあり、狐狢は同類である。『本生経』の鶴は同音の誤字である。辰の龍・鮫魚では、申は水源、子は中流、辰は水末で、百川が東注して海へ帰るように、龍は雲を興し雨を致す水蟲の長にして、海に非ざれば包容すること能はず、故に神にして大なり。鮫魚も水虫の長なので辰に居る。

現代語訳校了

坎気は子位にあり子は卯を刑するので兔は卯に属す。老兔は猬となり狢も兔類なので卯に居る。狢を狐とする説もあり、狐狢は同類である。『本生経』の鶴は同音の誤字である。辰の龍・鮫魚では、申は水源、子は中流、辰は水末で、百川が東注して海へ帰るように、龍は雲を起こし雨をもたらす水生動物の長であり、海でなければ収めきれないほど神妙で巨大である。鮫魚も水虫の長なので辰に居る。

GT-500157・巻5
本文 校了
原文翻刻校了

巳爲蛇蟮蚯蚓者拭經云巳有騰蛇之將因而配之蛇陽也本在南龜陰也本在北以蛇配龜爲玄武二蟲共爲一神以陰偶故從數在北方蟮及蚯蚓皆形同也禮記云小滿之節蚯蚓出見慎子云騰蛇遊霧與蚯蚓同黃帝有大螾如蚯以應土德巳有寄生之土故竝配之本生經言土者以火相合生土也

句読本文校了

巳爲蛇蟮蚯蚓者拭經云、巳有騰蛇之將因而配之蛇陽也。本在南龜陰也。本在北以蛇配龜爲玄武二蟲共爲一神以陰偶故從數在北方蟮及蚯蚓皆形同也。禮記云、小滿之節蚯蚓出見慎子云、騰蛇遊霧與蚯蚓同黃帝有大螾如蚯以應土德巳有寄生之土故竝配之本生經言土者以火相合生土也。

訓読校了

巳を蛇・蟮・蚯蚓とするは、『式經』に云く、巳に騰蛇の將あり、因って之を配す。蛇は陽なり、本と南に在り。龜は陰なり、本と北に在り。蛇を龜に配して玄武と爲し、二蟲共に一神と爲す。陰は偶なれば、數に從ひて北方に在り。蟮及び蚯蚓は皆形同じなり。『禮記』に云く、小滿の節、蚯蚓出でて見はる。『慎子』に云く、騰蛇霧に遊ぶこと蚯蚓と同じ。黃帝の時、大螾あり、蚯の如く、以て土德に應ず。巳に寄生の土ある故に、竝びに之を配す。『本生經』に土と云ふは、火と相合して土を生ずるを以てなり。

現代語訳校了

巳に配する蛇・蟮・蚯蚓について、『式経』は、巳に騰蛇の将があるためこれらを配すると述べる。蛇は陽で本来は南方に、亀は陰で本来は北方に属する。蛇と亀を組み合わせて玄武とし、二つの虫で一神を成す。陰は偶数に当たるので、その数に従って北方に置く。蟮と蚯蚓は形が同じである。『礼記』は小満の時節に蚯蚓が姿を現すとし、『慎子』は騰蛇が霧の中を遊ぶ姿を蚯蚓と同じとする。黄帝の時には、土徳に応じて蚯蚓のような大きな螾が現れた。巳には寄生の土気があるため、これらをともに配する。『本生経』が土とするのは、火と結びついて土を生むためである。

GT-500158・巻5
本文 校了
原文翻刻校了

檢衆書蟮或爲鼉鼉字復作蟬本生經解蟬云常水藏畏羅網悲吟不言且欲歌言其悲吟與蟬相類論其水藏與鼉相類其形狀及土氣巳爲蛇蟮蚯蚓相類鼉與蟬竝此非也又射覆經云遇蟬者水蟲也當知是蜆也午爲鹿馬麞者午爲太陽馬有員蹄象於陽也午爲天路馬有駿足涉遠之日牝牡有時

句読本文校了

檢衆書蟮或爲鼉鼉字復作蟬本生經解蟬云、常水藏畏羅網悲吟不言且欲歌言其悲吟與蟬相類論其水藏與鼉相類其形狀及土氣巳爲蛇蟮蚯蚓相類鼉與蟬竝此非也。又射覆經云、遇蟬者水蟲也。當知是蜆也。午爲鹿馬麞者午爲太陽馬有員蹄象於陽也。午爲天路馬有駿足涉遠之日牝牡有時。

訓読校了

諸書を検すると蟮を鼉とし、鼉を蝉とも書く。『本生経』は蝉を、水に常に潜み網を恐れ、悲吟して語らず歌おうとするものと解す。悲吟は蝉、水に潜む点は鼉に似るが、形と土気から巳に配するのは蛇・蟮・蚯蚓であり、鼉と蝉はいずれも誤りである。『射覆経』に蝉を水虫というのは蜆であるべきだ。午の鹿・馬・麞では、午は太陽であり、馬の円い蹄は陽に象る。また午は天路で、馬は駿足により遠くまで行き、牝牡にはそれぞれ時期がある。

現代語訳校了

諸書を調べると、「蟮」を「鼉」とするものがあり、「鼉」をさらに「蝉」と書くものもある。『本生経』は蝉について、常に水中へ潜み、網を恐れ、悲しげに鳴いて言葉を発せず、歌おうとするものと説明する。悲しげな鳴き声は蝉に、水中へ潜むことは鼉に似るが、形と土気から巳に配すべきものは蛇・蟮・蚯蚓であり、鼉と蝉はいずれも誤りである。また『射覆経』が蝉を水中の虫とするものは、蜆であるべきだとする。午に配する鹿・馬・麞について、午は太陽であり、馬の丸い蹄は陽を表す。また午は天の道筋であり、馬は駿足で遠くまで行き、牝馬と牡馬には交わるべき時期がある。

GT-500159・巻5
本文 校了
原文翻刻校了

故家語云八九七十二偶以承奇奇主辰辰爲月月主馬馬十二月生丑衝未未與午合故在午鹿蹄坼者以象陰也而居陽位者象懷陰也禮記月令云仲夏之月鹿角解易緯通卦驗云鹿者獸中陽也夏至解角家語云四九三十六六主律律主鹿故鹿六月生未與午合故亦在午獐鹿同類因而配之

句読本文校了

故家語云、八九七十二偶以承奇奇主辰辰爲月月主馬馬十二月生丑衝未未與午合故在午鹿蹄坼者以象陰也。而居陽位者象懷陰也。禮記月令云、仲夏之月鹿角解易緯通卦驗云、鹿者獸中陽也。夏至解角家語云、四九三十六六主律律主鹿故鹿六月生未與午合故亦在午獐鹿同類因而配之。

訓読校了

故に『家語』に云く、八九は七十二、偶を以て奇を承く。奇は辰を主り、辰は月と爲り、月は馬を主る。馬は十二月にして生ず。丑は未と衝し、未は午と合す。故に午に在り。鹿の蹄の坼くるは、以て陰に象るなり。而して陽位に居るは、陽が陰を懐くに象るなり。『禮記』月令に云く、仲夏の月、鹿角解く。『易緯通卦驗』に云く、鹿は獸中の陽なり、夏至に角解く。『家語』に云く、四九は三十六、六は律を主り、律は鹿を主る。鹿は六月にして生ず。未は午と合す。故に亦た午に在り。獐は鹿と同類なれば、因って之を配す。

現代語訳校了

そこで『家語』は、八掛ける九を七十二とし、偶数によって奇数を受けると説く。奇数は辰を、辰は月を、月は馬をつかさどる。馬は十二か月を経て生まれる。その十二に当たる丑は未と衝し、未は午と合するため、馬を午に置く。鹿の割れた蹄は陰を表しながら、陽の位置である午にいるので、陽が陰を抱く形となる。『礼記』月令は仲夏に鹿の角が落ちるとし、『易緯通卦験』は鹿を獣の中の陽とし、夏至に角が落ちるとする。『家語』の数では四掛ける九が三十六となり、その末尾の六は律を、律は鹿をつかさどる。鹿は六か月を経て生まれ、その六に当たる未が午と合するため、鹿も午に置く。獐は鹿と同類なので同じく配する。

GT-500160・巻5
本文 校了
原文翻刻校了

問曰八卦配禽離不言馬禽變乃以午爲馬者何荅曰坤爲牝馬之貞坤既在未未與午合故馬居午問曰乾亦稱馬震亦稱馬何不竝取其合荅曰行地莫過於馬坤既是地取其正用乾天震木非是地體故不取合問曰若如所解乾之六爻皆稱爲龍行天莫過於龍龍德應乾何忽居辰

句読本文校了

問曰、八卦配禽離不言馬禽變乃以午爲馬者何荅曰、坤爲牝馬之貞坤既在未未與午合故馬居午問曰、乾亦稱馬震亦稱馬何不竝取其合荅曰、行地莫過於馬坤既是地取其正用乾天震木非是地體故不取合問曰、若如所解乾之六爻皆稱爲龍行天莫過於龍龍德應乾何忽居辰。

訓読校了

問う、八卦では離に馬を配さないのに『禽変』が午を馬とするのはなぜか。答えて曰く、坤は牝馬の貞で未にあり、未と午が合するため馬は午に居る。乾と震も馬なのにその合を取らないのはなぜか。答えて曰く、地を行くものは馬に及ばず、坤は地なので正用を取る。乾は天、震は木で地体でないため取らない。では乾の六爻が龍で、天を行くものは龍に及ばず乾徳に応ずるのに、なぜ辰に居るのか。

現代語訳校了

問いは次のとおりである。八卦では離に馬を配さないのに『禽変』が午を馬とするのはなぜか。答えは次のとおりである。坤は牝馬の貞で未にあり、未と午が合するため馬は午に居る。乾と震も馬なのにその合を取らないのはなぜか。答えは次のとおりである。地を行くものは馬に及ばず、坤は地なので正用を取る。乾は天、震は木で地体でないため取らない。では乾の六爻が龍で、天を行くものは龍に及ばず乾徳に応ずるのに、なぜ辰に居るのか。

GT-500161・巻5
本文 校了
原文翻刻校了

荅曰未若爲馬誠如來難馬既在午正取其合乾位居戌戌衝在辰所以龍配於辰問云坤既取合乾忽用衝此義難解荅曰坤爲陰也取其柔順從陽之義故用合乾爲陽也陽體剛強故取其衝

句読本文校了

荅曰、未若爲馬誠如來難馬既在午正取其合乾位居戌戌衝在辰所以龍配於辰問云、坤既取合乾忽用衝此義難解荅曰、坤爲陰也。取其柔順從陽之義故用合乾爲陽也。陽體剛強故取其衝。

訓読校了

答えて曰く、未を馬とするならその難の通り、馬が午に居るのは合を取るからである。乾位は戌、その衝は辰なので龍を辰に配す。坤は合を取り乾は衝を用いるのは難解だとの問いに、坤は陰で柔順により陽に従うため合を用い、乾は陽で剛強なので衝を取ると答える。

現代語訳校了

答えは次のとおりである。未を馬とするならその難の通り、馬が午に居るのは合を取るからである。乾位は戌、その衝は辰なので龍を辰に配す。坤は合を取り乾は衝を用いるのは難解だとの問いに、坤は陰で柔順により陽に従うため合を用い、乾は陽で剛強なので衝を取ると答える。

GT-500162・巻5
本文 校了
原文翻刻校了

未爲羊鷹鴈者拭經云未爲小吉主婚姻禮娉禮娉有羊鴈之用鄭玄婚禮謁文云鴈候陰陽待時乃舉易以坤爲羊坤在未也禮記月令云季夏之月鷹初學習此因候以配之本生經云老木者以未爲木墓木至六月衰老也

句読本文校了

未爲羊鷹鴈者拭經云、未爲小吉主婚姻禮娉禮娉有羊鴈之用鄭玄婚禮謁文云、鴈候陰陽待時乃舉易以坤爲羊坤在未也。禮記月令云、季夏之月鷹初學習此因候以配之本生經云、老木者以未爲木墓木至六月衰老也。

訓読校了

未の羊・鷹・雁について、『式経』は未を小吉として婚姻聘礼を主り、羊と雁を用いるとする。鄭玄『婚礼謁文』は雁が陰陽を候い時を待って行動するという。『易』は坤を羊とし坤は未にある。『禮記』月令に云く、季夏の月、鷹初めて學習す。此れ候に因りて以て之を配す。『本生経』の老木は、未が木墓で六月に木が衰老するためである。

現代語訳校了

未の羊・鷹・雁について、『式経』は未を小吉として婚姻聘礼を主り、羊と雁を用いるとする。鄭玄『婚礼謁文』は雁が陰陽を候い時を待って行動すると述べる。『易』は坤を羊とし坤は未にある。『礼記』月令は、季夏に鷹が狩りを習い始めるとするため、その時候に基づいて配する。『本生経』の老木は、未が木墓で六月に木が衰老するためである。

GT-500163・巻5
本文 校了
原文翻刻校了

申爲猴猿猫者秋爲殺氣萬物衰老猴猿之貌竝似老人七月山菓皆熟猴猿以其儲糧之時爲王拭經云金氣盛時能老萬物猴猿貌也家語云五九四十五五爲音音主猿猿五月生午中有沐浴金殺氣未壯至申金王殺氣始強又言在火中未有音聲出火其音方成故竝在申

句読本文校了

申爲猴猿猫者秋爲殺氣萬物衰老猴猿之貌竝似老人七月山菓皆熟猴猿以其儲糧之時爲王拭經云、金氣盛時能老萬物猴猿貌也。家語云、五九四十五五爲音音主猿猿五月生午中有沐浴金殺氣未壯至申金王殺氣始強又言在火中未有音聲出火其音方成故竝在申。

訓読校了

申を猴・猿・猫とするは、秋は殺氣を爲し、萬物衰老して、猴・猿の貌は竝びに老人に似る。七月、山菓皆熟し、猴・猿は其の糧を儲くる時を以て旺ず。『式經』に云く、金氣盛んなる時、能く萬物を老いしむるは猴・猿の貌なり。『家語』に云く、五九は四十五、五は音を爲し、音は猿を主る。猿は五月にして生ず。午中に沐浴の金あり、殺氣未だ壯ならず。申に至って金旺じ、殺氣始めて強し。又云く、火中に在る時は未だ音聲あらず、火を出でて其の音方に成る。故に竝びに申に在り。

現代語訳校了

申に配する猴・猿・猫について、秋には殺気が働いて万物が衰え老い、猴や猿の姿も老人に似る。七月には山の木の実がすべて熟し、猴や猿が食料を蓄える時期なので、その勢いが盛んになる。『式経』も、金気が盛んになる時には万物を老いさせることができ、それが猴や猿の姿に表れるとする。『家語』の数では五掛ける九が四十五となり、その末尾の五は音を、音は猿をつかさどる。猿は五か月を経て生まれ、その五に当たる午には沐浴の段階にある金が含まれるが、殺気はまだ強くない。申に至ると金気が旺盛になり、殺気が初めて強くなる。また火の中にいる間はまだ声がなく、火を出ると声が完成するため、いずれも申に置く。

GT-500164・巻5
本文 校了
原文翻刻校了

本生經言旦爲玉者玉有溫潤鏗鏘之音故取其旦暮爲死石者石是玉類亦有音聲言其氣衰故在暮曰死玉石皆金之本故皆配金位猫亦是同類故以配焉酉爲雞雉烏者酉爲金威武之用雞有五德以武爲先見敵必鬭是其本性說題辭云雞爲積陽南方之象火陽精物炎上故陽出則雞鳴以類感也

句読本文校了

本生經言旦爲玉者玉有溫潤鏗鏘之音故取其旦暮爲死石者石是玉類亦有音聲言其氣衰故在暮曰、死玉石皆金之本故皆配金位猫亦是同類故以配焉。酉爲雞雉烏者酉爲金威武之用雞有五德以武爲先見敵必鬭是其本性說題辭云、雞爲積陽南方之象火陽精物炎上故陽出則雞鳴以類感也。

訓読校了

『本生経』の朝の玉は、温潤で鏗鏘の音があるため朝を取る。暮の死石は玉類で音があるが気が衰えるので死という。玉石は金の本なので金位に配し、猫も同類である。酉の鶏・雉・烏は、酉が金で威武の用、鶏は五徳のうち武を先とし敵と必ず闘う。『説題辞』は鶏を積陽・南方の象とし、火の陽精は上炎するため陽が出ると鶏が鳴き類感するという。

現代語訳校了

『本生経』が朝に玉を配するのは、玉が温かみと潤いをもち、澄んだ響きを発するからである。暮に「死石」を配するのは、石が玉の類で同じく音をもつものの、その気は衰えているため、暮の位置で「死」と呼ぶのである。玉と石はいずれも五行の金のもととされるので金の位に配し、猫も同類としてそこに配する。酉に鶏・雉・烏を配するのは、酉が金に属し、威武の働きをもつからである。鶏には五徳があり、その第一は武で、敵を見れば必ず闘うのが本性である。『説題辞』は、鶏を「積陽」、すなわち陽気の集積とし、南方の象とする。火は陽の精で燃え上がるため、陽気が現れると、同類の気が感応して鶏が鳴くという。

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