五行大義

五行大義

隋の蕭吉が五行思想の諸説を集成した『五行大義』全五巻について、土御門文書編纂所による原文翻刻・句読・訓読・現代語訳を公開します。

土御門文書編纂所による公開校訂版です。元禄十二年刊本の画像を底本とし、原文翻刻、独自句読、独自訓読、独自現代語訳を分離して公開します。

自家翻刻・訓読・現代語訳

公開版 gogyo-taigi-20260818-g4-v2・全964単位・30 / 49頁

無射の釈義・無射と無厭

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GT-400047・巻4
本文 校了
原文翻刻校了

無射者射終也言萬物隨陽而終當復隨陰而起無終已也淮南子云無射者人之無厭也

句読本文校了

無射者射終也言萬物隨陽而終當復隨陰而起無終已也。淮南子云無射者人之無厭也。

訓読校了

無射は、射は終なり。萬物、陽に隨ひて終はり、當に復た陰に隨ひて起こるべく、終はり已むこと無きを言ふ。淮南子に云はく、無射は人の厭ふこと無きなり。

現代語訳校了

無射の射は終わることをいい、万物が陽に従って一度終わり、再び陰に従って起こり、循環に終止がないことを表す。『淮南子』は、無射を人が飽き嫌うことのない状態とする。

無射と九月・應鐘の釈義

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GT-400048・巻4
本文 校了
原文翻刻校了

三禮義宗云射厭也厭惡之義九月物皆成實無可厭惡應鐘者言萬物應時而鐘下藏也

句読本文校了

三禮義宗云射厭也厭惡之義九月物皆成實無可厭惡。應鐘者言萬物應時而鐘下藏也。

訓読校了

三禮義宗に云はく、射は厭なり。厭惡の義なり。九月、物皆實を成し、厭惡す可き無し。應鐘は、萬物、時に應じて鐘まり、下に藏るを言ふ。

現代語訳校了

『三礼義宗』は射を嫌悪と解し、九月には万物が実を結び、嫌うべきものがないとする。応鐘とは、万物が時節に応じて集まり、地下へ収蔵されることをいう。

應鐘の所鐘・應鐘と十月

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GT-400049・巻4
本文 校了
原文翻刻校了

淮南子云應其所鐘三禮義宗云十月之時歲功皆成陰氣之用應陽之功收而聚積故云鐘也

句読本文校了

淮南子云應其所鐘。三禮義宗云十月之時歲功皆成陰氣之用應陽之功收而聚積故云鐘也。

訓読校了

淮南子に云はく、其の鐘まる所に應ず。三禮義宗に云はく、十月の時、歲功皆成り、陰氣の用、陽の功に應じ、收めて聚積す。故に鐘と云ふなり。

現代語訳校了

『淮南子』は、万物が集まるべき所に応じることだとする。『三礼義宗』は、十月に一年の働きが完成し、陰気の作用が陽気の成果に応じて万物を収め集積するので鐘という。

應和の義・七音の配当

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GT-400050・巻4
本文 校了
原文翻刻校了

亦云應者應和之義言此時將復應陽氣而動於下也樂緯云黃鐘爲宮林鐘爲徵大簇爲商南呂爲羽沽洗爲角應鐘爲變宮蕤賓爲變徵以次配之五音備矣

句読本文校了

亦云應者應和之義言此時將復應陽氣而動於下也。樂緯云黃鐘爲宮林鐘爲徵大簇爲商南呂爲羽沽洗爲角應鐘爲變宮蕤賓爲變徵以次配之五音備矣。

訓読校了

亦た云ふ、應は應和の義なり。此の時、將に復た陽氣に應じて下に動かんとするを言ふ。樂緯に云はく、黃鐘を宮、林鐘を徵、大簇を商、南呂を羽、沽洗を角、應鐘を變宮、蕤賓を變徵と爲す。次を以て之を配し、五音備はる。

現代語訳校了

また応は応和の意味で、この時に再び陽気に応じて地下で動き始めようとすることをいう。『楽緯』は黄鐘を宮、林鐘を徴、大簇を商、南呂を羽、沽洗を角、応鐘を変宮、蕤賓を変徴と配する。七音を順に配して五音体系が整う。

GT-400051・巻4
本文 校了
原文翻刻校了

黃鐘下生林鐘故林鐘爲徵次黃鐘林鐘上生大簇故大簇爲商次林鐘大簇下生南呂故南呂爲羽次大簇南呂上生沽洗故沽洗爲角次南呂

句読本文校了

黃鐘下生林鐘故林鐘爲徵次黃鐘林鐘上生大簇故大簇爲商次林鐘大簇下生南呂故南呂爲羽次大簇南呂上生沽洗故沽洗爲角次南呂。

訓読校了

黃鐘、下りて林鐘を生ず。故に林鐘を徵と爲し、黃鐘に次ぐ。林鐘、上りて大簇を生ず。故に大簇を商と爲し、林鐘に次ぐ。大簇、下りて南呂を生ず。故に南呂を羽と爲し、大簇に次ぐ。南呂、上りて沽洗を生ず。故に沽洗を角と爲し、南呂に次ぐ。

現代語訳校了

黄鐘が林鐘を下生するので、林鐘を徴として黄鐘の次に置く。林鐘が大簇を上生するので、大簇を商として林鐘の次に置く。大簇が南呂を下生するので、南呂を羽として大簇の次に置く。南呂が沽洗を上生するので、沽洗を角として南呂の次に置く。

相生と音階二・七音旋宮

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GT-400052・巻4
本文 校了
原文翻刻校了

沽洗下生應鐘故應鐘爲變宮次沽洗應鐘上生蕤賓故蕤賓爲變徵凡有七音圜相爲宮七音者蓋以相生數七故也

句読本文校了

沽洗下生應鐘故應鐘爲變宮次沽洗應鐘上生蕤賓故蕤賓爲變徵。凡有七音圜相爲宮七音者蓋以相生數七故也。

訓読校了

沽洗、下りて應鐘を生ず。故に應鐘を變宮と爲し、沽洗に次ぐ。應鐘、上りて蕤賓を生ず。故に蕤賓を變徵と爲す。凡そ七音有り、圜りて相ひ宮と爲る。七音は、蓋し相生の數、七なるを以ての故なり。

現代語訳校了

沽洗から下生した応鐘を変宮として沽洗の次に置き、応鐘から上生した蕤賓を変徴とする。七音が循環して互いに宮となる。七音なのは、相生の数が七であるためである。

GT-400053・巻4
本文 校了
原文翻刻校了

始黃鐘生林鐘自十二月至六月凡七月也服虔解云七律爲七音外傳解云武王剋商歲在鶉火日在天駟鶉火去天駟凡七宿又地辰日在甲子從子至午又七天象地辰其數皆七

句読本文校了

始黃鐘生林鐘自十二月至六月凡七月也。服虔解云七律爲七音外傳解云武王剋商歲在鶉火日在天駟鶉火去天駟凡七宿又地辰日在甲子從子至午又七天象地辰其數皆七。

訓読校了

始め黃鐘、林鐘を生ず。十二月より六月に至るまで、凡そ七月なり。服虔解して云はく、七律を七音と爲す。外傳解して云はく、武王商に剋ち、歲は鶉火に在り、日は天駟に在り。鶉火より天駟を去ること凡そ七宿。又た地辰、日は甲子に在り、子より午に至りて又た七。天象・地辰、其の數皆七なり。

現代語訳校了

黄鐘が林鐘を生むことから始まり、十二月から六月まで数えると七か月になる。服虔は七律を七音と解する。『外伝』では、武王が商を破った時、歳星は鶉火、日は天駟にあり、両者は七宿隔たっていた。また甲子の日に子から午まで数えると七となり、天象も地辰も数が七である。

GT-400054・巻4
本文 校了
原文翻刻校了

聖人以律同其數以聲招之故以七音樂以七律配七始故以定三元四時故黃鐘以配天林鐘以配地大簇以配人沽洗以配春蕤賓以配夏南呂以配秋應鐘以配冬

句読本文校了

聖人以律同其數、以聲招之。故以七音。樂以七律配七始、故以定三元四時。故黃鐘以配天、林鐘以配地、大簇以配人、沽洗以配春、蕤賓以配夏、南呂以配秋、應鐘以配冬。

訓読校了

聖人、律を以て其の數を同じくし、聲を以て之を招く。故に七音を以てす。樂は七律を以て七始に配す。故に以て三元・四時を定む。故に黃鐘を以て天に、林鐘を以て地に、大簇を以て人に、沽洗を以て春に、蕤賓を以て夏に、南呂を以て秋に、應鐘を以て冬に配す。

現代語訳校了

聖人は律によってその数を同じくし、声によってそれを招いた。そのため七音を用いた。音楽では七律を七始に配し、それによって三元と四季を定めた。そこで黄鐘を天、林鐘を地、大簇を人、沽洗を春、蕤賓を夏、南呂を秋、応鐘を冬に配した。

GT-400055・巻4
本文 校了
原文翻刻校了

凡三元者周以建子月爲天正故黃鐘之管配之殷以建丑月爲地正應以大呂之管配之但陰數偶未土王又爲天社故取其衝應地之氣以林鐘之管配之

句読本文校了

凡三元者周以建子月爲天正故黃鐘之管配之殷以建丑月爲地正應以大呂之管配之但陰數偶未土王又爲天社故取其衝應地之氣以林鐘之管配之。

訓読校了

凡そ三元は、周は建子の月を以て天正と爲す。故に黃鐘の管を之に配す。殷は建丑の月を以て地正と爲し、應に大呂の管を以て之に配すべし。但し陰數は偶、未は土王にして又た天社なり。故に其の衝を取り、地の氣に應じ、林鐘の管を以て之に配す。

現代語訳校了

三元では、周は子月を天正として黄鐘管を配する。殷は丑月を地正として本来は大呂管を配すべきだが、陰数は偶数で、未が土の旺する天社でもあるため、その対冲を取り、地気に応じる林鐘管を配する。

GT-400056・巻4
本文 校了
原文翻刻校了

夏以建寅月爲人正故大簇之管配之夫陽徳自處故以卽位爲正陰德在他故取其衝

句読本文校了

夏以建寅月爲人正故大簇之管配之夫陽徳自處故以卽位爲正陰德在他故取其衝。

訓読校了

夏は建寅の月を以て人正と爲す。故に大簇の管を之に配す。夫れ陽徳は自ら處る。故に卽位を以て正と爲す。陰德は他に在り。故に其の衝を取る。

現代語訳校了

夏は寅月を人正として大簇管を配する。陽徳は自分の位置にあるためその位を正とし、陰徳は他所にあるため対冲を採る。

三元の定義・天元黃鐘

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GT-400057・巻4
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漢書律厤志云三元者天施地化人事之紀也十一月乾之初九陽氣伏於地下始著爲一萬物萌動鐘於太陰故黃鐘爲天元律長九寸九者所以窮極中和爲萬物之元也

句読本文校了

漢書律厤志云三元者天施地化人事之紀也。十一月乾之初九陽氣伏於地下始著爲一萬物萌動鐘於太陰故黃鐘爲天元律長九寸九者所以窮極中和爲萬物之元也。

訓読校了

漢書律厤志に云はく、三元は、天施・地化・人事の紀なり。十一月、乾の初九、陽氣地下に伏し、始めて著れて一と爲る。萬物萌動し、太陰に鐘まる。故に黃鐘を天元と爲す。律の長さ九寸。九は中和を窮極し、萬物の元と爲す所以なり。

現代語訳校了

『漢書』律暦志は、三元を天の施し・地の化育・人の営みの紀綱とする。十一月、乾の初九に陽気が地下に潜み、初めて一として現れ、万物が萌動して太陰に集まる。そのため黄鐘を天元とし、管長を九寸とする。九は中和を究極まで達成し、万物の根元となる数である。

GT-400058・巻4
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易曰立天之道曰陰與陽是也六月坤之初六陰氣受任於太陽繼養化軟萬物生長楙之未令種剛強大

句読本文校了

易曰立天之道曰陰與陽是也。六月坤之初六陰氣受任於太陽繼養化軟萬物生長楙之未令種剛強大。

訓読校了

易に曰く、天の道を立つるを陰と陽と曰ふとは、是れなり。六月、坤の初六、陰氣、太陽に任を受け、繼ぎて養ひ化軟す。萬物生長し、之を楙らしむるも、未だ種をして剛強大ならしめず。

現代語訳校了

『易』に「天の道を立てるものを陰と陽という」とあるのは、このことである。六月、坤の初六には陰気が太陽から任を受け、引き継いで万物を養い柔らかく変化させる。万物は成長し繁茂するが、まだ種子を堅く大きくはしない。

GT-400059・巻4
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故林鐘爲地元律長六寸六者所以陰承陽之施楙之於六合之內令剛柔有體也

句読本文校了

故林鐘爲地元律長六寸六者所以陰承陽之施楙之於六合之內令剛柔有體也。

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故に林鐘を地元と爲す。律の長さ六寸。六は、陰が陽の施しを承け、之を六合の內に楙らしめ、剛柔をして體有らしむる所以なり。

現代語訳校了

そこで林鐘を地元とし、管長を六寸とする。六は陰が陽の施しを受け、万物を天地四方の内に繁茂させ、剛柔に形体を与える数である。

GT-400060・巻4
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立地之道曰柔與剛是也乾知大始坤作成物正月乾之九三萬物棣通簇出於寅人奉而成之仁以養之義以行之令事物各得其理

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立地之道曰柔與剛是也乾知大始坤作成物。正月乾之九三萬物棣通簇出於寅人奉而成之仁以養之義以行之令事物各得其理。

訓読校了

地の道を立つるを柔と剛と曰ふとは、是れなり。乾は大始を知り、坤は成物を作す。正月、乾の九三、萬物棣通し、寅に簇出す。人、奉じて之を成し、仁を以て之を養ひ、義を以て之を行ひ、事物をして各おの其の理を得しむ。

現代語訳校了

「地の道を立てるものを柔と剛という」とはこのことであり、乾が大いなる始まりを司り、坤が万物を完成させる。正月、乾の九三には万物が一斉に通じ、寅の位から群がり出る。人はこれを受けて完成させ、仁で養い、義で実行して、一事一物に各自の理を得させる。

GT-400061・巻4
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寅木也爲仁其聲商也爲義故大簇爲人元律長八寸八象於卦庖羲氏之所以順天地通神明類萬物之情也

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寅木也爲仁其聲商也爲義故大簇爲人元律長八寸八象於卦庖羲氏之所以順天地通神明類萬物之情也。

訓読校了

寅は木なり、仁と爲す。其の聲は商なり、義と爲す。故に大簇を人元と爲し、律の長さ八寸。八は卦に象る。庖羲氏の天地に順ひ、神明に通じ、萬物の情を類する所以なり。

現代語訳校了

寅は木で仁に、商声は義に当たるため、大簇を人元とし管長を八寸とする。八は八卦を象徴し、庖羲氏が天地に従い、神明に通じ、万物の性情を分類した根拠である。

GT-400062・巻4
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立人之道曰仁與義是也在天成象在地成形后以裁成天地人道是爲三元律之始也

句読本文校了

立人之道曰仁與義是也在天成象在地成形后以裁成天地人道是爲三元律之始也。

訓読校了

人の道を立つるを仁と義と曰ふとは、是れなり。天に在りて象を成し、地に在りて形を成し、后、以て天地人の道を裁成す。是れ三元、律の始なり。

現代語訳校了

「人の道を立てるものを仁と義という」とはこのことである。天では象、地では形となり、君主は天・地・人の道を整え成す。これが三元であり、律の始まりである。

GT-400063・巻4
本文 校了
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感精符云十一月建子天始施之端謂之天統周正服色尚赤象物萌色赤也十二月建丑地始化之端謂之地統殷正服色尚白象物牙色白

句読本文校了

感精符云十一月建子天始施之端謂之天統周正服色尚赤象物萌色赤也十二月建丑地始化之端謂之地統殷正服色尚白象物牙色白。

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感精符に云はく、十一月、子に建つ。天、始めて施すの端、之を天統と謂ふ。周の正、服色は赤を尚ぶ。物の萌す色、赤きを象るなり。十二月、丑に建つ。地、始めて化すの端、之を地統と謂ふ。殷の正、服色は白を尚ぶ。物の牙ぐむ色、白きを象る。

現代語訳校了

『感精符』は、十一月の子を天が施し始める天統とし、周暦は萌芽の赤を象って服色に赤を尊ぶ。十二月の丑を地が化育し始める地統とし、殷暦は芽の白を象って白を尊ぶ。

GT-400064・巻4
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正月建寅人始化之端謂之人統夏正服色尚黑象物生色黑也此三正律者亦以五德相承以前三皇爲正謂天皇地皇人皇皆以天地人爲法周而復始其歲首所書乃因以爲名

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正月建寅人始化之端謂之人統夏正服色尚黑象物生色黑也。此三正律者亦以五德相承以前三皇爲正謂天皇地皇人皇皆以天地人爲法周而復始其歲首所書乃因以爲名。

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正月、寅に建つ。人、始めて化すの端、之を人統と謂ふ。夏の正、服色は黑を尚ぶ。物の生ずる色、黑きを象るなり。此の三正律は、亦た五德相承くるを以て、前三皇を正と爲す。天皇・地皇・人皇を謂ふ。皆天地人を以て法と爲し、周りて復た始まる。其の歲首に書す所、乃ち因りて以て名と爲す。

現代語訳校了

正月の寅は人が化育を始める人統で、夏暦は物が生まれる黒色を象って服色に黒を尊ぶ。この三正の律は五徳の継承にもとづき、天皇・地皇・人皇を正統とする。三皇はいずれも天・地・人を法とし、周期を一巡してまた始まり、その歳首の名称もこれによる。

GT-400065・巻4
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欲體三才之道而君臨萬邦故受天命而王者必調六律而改正朔受五氣而易服色法三正之道也

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欲體三才之道而君臨萬邦故受天命而王者必調六律而改正朔受五氣而易服色法三正之道也。

訓読校了

三才の道を體して萬邦に君臨せんと欲す。故に天命を受けて王たる者は、必ず六律を調へて正朔を改め、五氣を受けて服色を易ふ。三正の道に法るなり。

現代語訳校了

三才の道を体現して天下を治めるため、天命を受けた王は必ず六律を整えて暦の正月を改め、五気に応じて服色を変え、三正の道に従う。

GT-400066・巻4
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周以天統服色尚赤者陽道尚左故天左旋周以木德王火是其子火色赤左行用其赤色也

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周以天統服色尚赤者陽道尚左故天左旋周以木德王火是其子火色赤左行用其赤色也。

訓読校了

周、天統を以てし、服色に赤を尚ぶは、陽道、左を尚ぶを以て、故に天は左旋す。周は木德を以て王たり、火は是れ其の子、火色は赤、左行し、其の赤色を用ゐるなり。

現代語訳校了

周が天統を採って赤を尊ぶのは、陽道が左を尊び天が左回りするためである。周は木徳で王となり、その子である火の色が赤なので、左行して赤色を用いる。

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