五行大義

五行大義

隋の蕭吉が五行思想の諸説を集成した『五行大義』全五巻について、土御門文書編纂所による原文翻刻・句読・訓読・現代語訳を公開します。

土御門文書編纂所による公開校訂版です。元禄十二年刊本の画像を底本とし、原文翻刻、独自句読、独自訓読、独自現代語訳を分離して公開します。

自家翻刻・訓読・現代語訳

公開版 gogyo-taigi-20260818-g4-v2・全964単位・18 / 49頁

酉月・戌月・亥月の德刑

第2冊 第21画像を開く(新しいタブ)
GT-200137・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

建酉之月乾九四爻變爲陰觀卦用事陽氣內入陰氣外施陰陽合爭萬物變衰爲德在門刑復會於門建戌之月乾九五爻變爲陰剝卦用事陽氣將盡陰氣上達萬物枯悴殺害盛行爲德在庭而刑在巷建亥之月乾上九爻變爲陰純坤復位陽氣消除陰氣大盛萬物收藏未見刑犯爲德在堂而刑在街

句読本文校了

建酉之月乾九四爻變爲陰觀卦用事陽氣內入陰氣外施陰陽合爭萬物變衰爲德在門刑復會於門。建戌之月乾九五爻變爲陰剝卦用事陽氣將盡陰氣上達萬物枯悴殺害盛行爲德在庭、而刑在巷。建亥之月乾上九爻變爲陰純坤復位陽氣消除陰氣大盛萬物收藏未見刑犯爲德在堂、而刑在街。

訓読校了

建酉の月、乾の九四爻變じて陰と爲り、觀卦用事す。陽氣內に入り、陰氣外に施し、陰陽合爭し、萬物變衰す。德は門に在り、刑も復た門に會す。建戌の月、乾の九五爻變じて陰と爲り、剝卦用事す。陽氣將に盡きんとし、陰氣上達し、萬物枯悴し、殺害盛行す。德は庭に在りて、刑は巷に在ると爲す。建亥の月、乾の上九爻變じて陰と爲り、純坤、位に復す。陽氣消除し、陰氣大いに盛んにして、萬物收藏し、未だ刑犯を見ず。德は堂に在りて、刑は街に在ると爲す。

現代語訳校了

酉月には乾の九四爻が陰に変わって観卦が働く。陽気は内へ入り、陰気は外へ広がり、陰陽が争って万物が衰えるため、徳は門にあり、刑も門で会う。戌月には乾の九五爻が陰に変わって剝卦が働く。陽気が尽きようとし、陰気が上へ達し、万物が枯れて殺害が盛んになるため、徳は庭、刑は巷にある。亥月には乾の上九爻が陰に変わり、純坤が本位へ戻る。陽気が消え、陰気が盛んとなり、万物は収蔵されてまだ刑犯が現れないため、徳は堂、刑は街にある。

GT-200138・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

此刑德二事出入向趣皆以用之彌忘拙鑿遇德則吉逢刑則凶故於此釋

句読本文校了

此刑德二事出入向趣皆以用之彌忘拙鑿遇德、則吉逢刑、則凶。故於此釋。

訓読校了

此の刑德二事、出入向趣、皆以て之を用ふ。彌いよ拙鑿を忘る。德に遇へば則ち吉、刑に逢へば則ち凶。故に此に於て釋す。

現代語訳校了

刑と徳の出入りや向かう場所は、いずれも実際の判断に用いられる。〔「彌忘拙鑿」の句は未詳。〕徳に会えば吉、刑に会えば凶となるため、ここで説明した。

GT-200139・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

第八論合孔子曰乾陽也坤陰也陰陽合德五行之本受生於天則受成於地稟氣於陽定形於陰體無偏立故各有合

句読本文校了

第八論合孔子曰、乾陽也。坤陰也。陰陽合德五行之本受生於天、則受成於地稟氣於陽定形於陰體無偏立。故各有合。

訓読校了

第八、合を論ず。孔子曰く、乾は陽なり、坤は陰なり。陰陽、德を合す。五行の本、天に生を受け、則ち地に成を受け、陽に氣を稟け、陰に形を定む。體、偏りて立つこと無し。故に各々合有り。

現代語訳校了

第八論は「合」を扱う。孔子は「乾は陽、坤は陰である」と述べる。陰陽は徳を合わせる。五行は天から生を、地から完成を受け、陽から気を受け、陰によって形を定める。一方だけでは本体が成立しないため、それぞれに組合せがある。

GT-200140・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

總而言之干爲陽屬天支爲地屬陰別而言之干自有陰陽甲陽乙陰丙陽丁陰戊陽己陰庚陽辛陰壬陽癸陰支亦自有陰陽子陽丑陰寅陽卯陰辰陽巳陰午陽未陰申陽酉陰戌陽亥陰各象天地而自相配合有夫婦之道

句読本文校了

總、而言之干爲陽屬天支爲地屬陰別、而言之干自有陰陽甲陽乙陰丙陽丁陰戊陽己陰庚陽辛陰壬陽癸陰支亦自有陰陽子陽丑陰寅陽卯陰辰陽巳陰午陽未陰申陽酉陰戌陽亥陰各象天地、而自相配合有夫婦之道。

訓読校了

總じて之を言へば、干は陽と爲して天に屬し、支は地と爲して陰に屬す。別して之を言へば、干、自ら陰陽有り。甲は陽、乙は陰、丙は陽、丁は陰、戊は陽、己は陰、庚は陽、辛は陰、壬は陽、癸は陰なり。支も亦、自ら陰陽有り。子は陽、丑は陰、寅は陽、卯は陰、辰は陽、巳は陰、午は陽、未は陰、申は陽、酉は陰、戌は陽、亥は陰なり。各々天地に象りて、自ら相配合し、夫婦の道有り。

現代語訳校了

総じていえば、干は陽で天に属し、支は地で陰に属する。個別にいえば、干にも陰陽があり、甲は陽、乙は陰、丙は陽、丁は陰、戊は陽、己は陰、庚は陽、辛は陰、壬は陽、癸は陰である。支にも陰陽があり、子は陽、丑は陰、寅は陽、卯は陰、辰は陽、巳は陰、午は陽、未は陰、申は陽、酉は陰、戌は陽、亥は陰である。それぞれ天地を象り、互いに組み合わされて夫婦の道を成す。

GT-200141・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

干合者己爲甲妻故甲與己合辛爲丙妻故丙與辛合癸爲戊妻故癸與戊合乙爲庚妻故乙與庚合丁爲壬妻故壬與丁合

句読本文校了

干合者、己爲甲妻。故甲與己合辛爲丙妻。故丙與辛合癸爲戊妻。故癸與戊合乙爲庚妻。故乙與庚合丁爲壬妻。故壬與丁合。

訓読校了

干合は、己を甲の妻と爲す。故に甲と己と合す。辛を丙の妻と爲す。故に丙と辛と合す。癸を戊の妻と爲す。故に癸と戊と合す。乙を庚の妻と爲す。故に乙と庚と合す。丁を壬の妻と爲す。故に壬と丁と合す。

現代語訳校了

干合では、己を甲の妻とするため甲と己が合し、辛を丙の妻とするため丙と辛が合し、癸を戊の妻とするため戊と癸が合し、乙を庚の妻とするため庚と乙が合し、丁を壬の妻とするため壬と丁が合する。

GT-200142・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

季氏陰陽說曰木八畏庚九故以妹乙妻庚庚氣在秋和以木氣是以薺麥當秋而生所謂妻來之義火七畏壬六故以妹丁妻壬壬得火熱氣故款冬當冬而華

句読本文校了

季氏陰陽說曰、木八畏庚九。故以妹乙妻庚庚氣在秋和以木氣是以薺麥當秋、而生所謂妻來之義火七畏壬六。故以妹丁妻壬壬得火熱氣。故款冬當冬、而華。

訓読校了

季氏『陰陽說』に曰く、木八は庚九を畏る。故に妹乙を以て庚に妻す。庚の氣、秋に在りて和するに木氣を以てす。是を以て薺麥、秋に當たりて生ず。所謂、妻來るの義なり。火七は壬六を畏る。故に妹丁を以て壬に妻す。壬、火熱の氣を得る。故に款冬、冬に當たりて華さく。

現代語訳校了

季氏の『陰陽説』によれば、木の数八は庚の数九を畏れるため、妹の乙を庚の妻とする。庚の気は秋にあり、木気によって調和するので、薺(ナズナ)や麦は秋に生える。これがいわゆる「妻が来る」という意味である。火の数七は壬の数六を畏れるため、妹の丁を壬の妻とする。壬は火の熱気を得るので、款冬は冬に花を咲かせる。

季氏説・金土水の干合

第2冊 第22画像を開く(新しいタブ)
GT-200143・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

金九畏丙七故以妹辛妻丙丙得金氣故首夏靡草薺麥死故夏至之後三庚爲伏以畏火也土五畏甲八故以妹己妻甲土帶陰陽合以雌嫁木故能生物也水六畏土五故以妹癸妻戊五行相和是其合也

句読本文校了

金九畏丙七。故以妹辛妻丙丙得金氣。故首夏靡草薺麥死。故夏至之後三庚爲伏以畏火也。土五畏甲八。故以妹己妻甲土帶陰陽合以雌嫁木。故能生物也。水六畏土五。故以妹癸妻戊五行相和是其合也。

訓読校了

金九は丙七を畏る。故に妹辛を以て丙に妻す。丙、金氣を得る。故に首夏、靡草・薺麥死す。故に夏至の後、三庚を伏と爲すは、火を畏るるを以てなり。土五は甲八を畏る。故に妹己を以て甲に妻す。土は陰陽を帶び、合するに雌を以て木に嫁す。故に能く物を生ずるなり。水六は土五を畏る。故に妹癸を以て戊に妻す。五行相和す、是れ其の合なり。

現代語訳校了

金の数九は火の丙の数七を畏れるため、妹に当たる辛を丙に嫁がせる。丙はこれによって金の気を得るので、初夏には靡草と薺麦が枯れる。また、夏至後三度目の庚日を伏とするのは、金が火を畏れるからである。土の数五は木の甲の数八を畏れるため、妹に当たる己を甲に嫁がせる。土は陰陽の両気を帯び、結合に際して雌として木に嫁ぐので、よく万物を生み出す。水の数六は土の数五を畏れるため、妹に当たる癸を戊に嫁がせる。このように五行が互いに調和することが、その合である。

GT-200144・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

支合者日月行次之所合也正月日月會於諏訾之次諏訾亥也一名豕韋斗建在寅故寅與亥合二月日月會於降婁之次降婁戌也斗建在卯故卯與戌合三月日月會於大梁之次大梁酉也斗建在辰故辰與酉合

句読本文校了

支合者、日月行次之所合也。正月日月會於諏訾之次諏訾亥也。一名豕韋斗建在寅。故寅與亥合。二月日月會於降婁之次降婁戌也。斗建在卯。故卯與戌合。三月日月會於大梁之次大梁酉也。斗建在辰。故辰與酉合。

訓読校了

支合は、日月行次の合する所なり。正月、日月は諏訾の次に會す。諏訾は亥なり。一名、豕韋。斗建は寅に在り。故に寅と亥と合す。二月、日月は降婁の次に會す。降婁は戌なり。斗建は卯に在り。故に卯と戌と合す。三月、日月は大梁の次に會す。大梁は酉なり。斗建は辰に在り。故に辰と酉と合す。

現代語訳校了

支合とは、太陽と月が進む星次で会合する関係である。正月には日月が諏訾の星次で会う。諏訾は亥で、別名を豕韋といい、斗建は寅にあるため、寅と亥が合する。二月には日月が降婁の星次で会う。降婁は戌で、斗建は卯にあるため、卯と戌が合する。三月には日月が大梁の星次で会う。大梁は酉で、斗建は辰にあるため、辰と酉が合する。

GT-200145・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

四月日月會於實沈之次實沈申也斗建在巳故巳與申合五月日月會於鶉首之次鶉首未也斗建在午故午與未合六月日月會於鶉火之次鶉火午也斗建在未故未與午合

句読本文校了

四月日月會於實沈之次實沈申也。斗建在巳。故巳與申合。五月日月會於鶉首之次鶉首未也。斗建在午。故午與未合。六月日月會於鶉火之次鶉火午也。斗建在未。故未與午合。

訓読校了

四月、日月は實沈の次に會す。實沈は申なり。斗建は巳に在り。故に巳と申と合す。五月、日月は鶉首の次に會す。鶉首は未なり。斗建は午に在り。故に午と未と合す。六月、日月は鶉火の次に會す。鶉火は午なり。斗建は未に在り。故に未と午と合す。

現代語訳校了

四月には日月が実沈の星次で会う。実沈は申で、斗建は巳にあるため、巳と申が合する。五月には日月が鶉首の星次で会う。鶉首は未で、斗建は午にあるため、午と未が合する。六月には日月が鶉火の星次で会う。鶉火は午で、斗建は未にあるため、未と午が合する。

GT-200146・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

七月日月會於鶉尾之次鶉尾巳也斗建在申故申與巳合八月日月會於壽星之次壽星辰也斗建在酉故酉與辰合九月日月會於大火之次大火卯也斗建在戌故戌與卯合

句読本文校了

七月日月會於鶉尾之次鶉尾巳也。斗建在申。故申與巳合。八月日月會於壽星之次壽星辰也。斗建在酉。故酉與辰合。九月日月會於大火之次大火卯也。斗建在戌。故戌與卯合。

訓読校了

七月、日月は鶉尾の次に會す。鶉尾は巳なり。斗建は申に在り。故に申と巳と合す。八月、日月は壽星の次に會す。壽星は辰なり。斗建は酉に在り。故に酉と辰と合す。九月、日月は大火の次に會す。大火は卯なり。斗建は戌に在り。故に戌と卯と合す。

現代語訳校了

七月には日月が鶉尾の星次で会う。鶉尾は巳で、斗建は申にあるため、申と巳が合する。八月には日月が寿星の星次で会う。寿星は辰で、斗建は酉にあるため、酉と辰が合する。九月には日月が大火の星次で会う。大火は卯で、斗建は戌にあるため、戌と卯が合する。

GT-200147・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

十月日月會於析木之次析木寅也斗建在亥故亥與寅合十一月日月會於星紀之次星紀丑也斗建在子故子與丑合

句読本文校了

十月、日月會於析木之次。析木、寅也。斗建在亥、故亥與寅合。十一月、日月會於星紀之次。星紀、丑也。斗建在子、故子與丑合。

訓読校了

十月、日月、析木の次に会す。析木は寅なり。斗建は亥に在り、故に亥と寅と合す。十一月、日月、星紀の次に会す。星紀は丑なり。斗建は子に在り、故に子と丑と合す。

現代語訳校了

十月には日月が析木の星次で会う。析木は寅で、斗建は亥にあるため、亥と寅が合する。十一月には日月が星紀の星次で会う。星紀は丑で、斗建は子にあるため、子と丑が合する。

GT-200148・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

十二月日月會於玄枵之次玄枵子也一名天黿斗建在丑故丑與子合玄枵者玄黑也枵秏也陰氣盛故萬物始動猶未出生天下空虚謂之曰秏

句読本文校了

十二月、日月會於玄枵之次。玄枵、子也。一名天黿。斗建在丑、故丑與子合。玄枵者、玄黑也、枵秏也。陰氣盛、故萬物始動、猶未出生、天下空虚、謂之曰秏。

訓読校了

十二月、日月、玄枵の次に会す。玄枵は子なり。一名を天黿という。斗建は丑に在り、故に丑と子と合す。玄枵とは、玄は黒、枵は秏なり。陰気盛んなる故に、万物始めて動けども、なお未だ出生せず、天下空虚なるをこれ秏という。

現代語訳校了

十二月には日月が玄枵の星次で会う。玄枵は子で、別名を天黿という。斗建は丑にあるため、丑と子が合する。「玄」は黒、「枵」は耗を意味する。陰気が盛んで万物が動き始めても、まだ生まれ出ず、天下が空虚なので「耗」という。

GT-200149・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

星紀者紀統也領萬物所終始也析木者萬物始萌分別水木也大火者東方木也心宿在卯火出木心也壽星者萬物始達各任其命也

句読本文校了

星紀者、紀統也、領萬物所終始也。析木者、萬物始萌、分別水木也。大火者、東方木也。心宿在卯、火出木心也。壽星者、萬物始達、各任其命也。

訓読校了

星紀とは、紀は統なり、万物の終始する所を領す。析木とは、万物始めて萌し、水木を分別するなり。大火とは、東方の木なり。心宿は卯に在り、火は木の心より出づ。寿星とは、万物始めて達し、各おのその命に任ずるなり。

現代語訳校了

星紀とは、「紀」が統べることを意味し、万物が終わり始まるところを統括する。析木とは、万物が萌し始め、水と木とが分かれることを意味する。大火とは東方の木であり、心宿は卯にあって、火が木の中心から出ることを意味する。寿星とは、万物が始めて伸長し、それぞれが自らの命に任ずることを意味する。

GT-200150・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

鶉尾者南方朱雀之宿以軫尾也鶉火者陽氣盛大火星昬中在七星朱鳥之處也鶉首者南方之宿其形象鳥以井爲冠以柳爲口也

句読本文校了

鶉尾者、南方朱雀之宿、以軫尾也。鶉火者、陽氣盛、大火星昬中、在七星朱鳥之處也。鶉首者、南方之宿、其形象鳥、以井爲冠、以柳爲口也。

訓読校了

鶉尾とは、南方朱雀の宿にして、軫を尾とするなり。鶉火とは、陽気盛んにして、大火星、昏に中し、七星朱鳥の処に在るなり。鶉首とは、南方の宿にして、その形は鳥に象り、井を冠とし、柳を口とするなり。

現代語訳校了

鶉尾は南方朱雀の星宿で、軫宿を鳥の尾とする。鶉火は陽気が盛んで、夕暮れに大火星が南中し、朱鳥の七星宿の位置にあることを表す。鶉首も南方の星宿で、形を鳥に象り、井宿を冠、柳宿を口とする。

GT-200151・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

實沈者陰氣沈重降實於物也大梁者強也白露巳降萬物堅強也降婁者降下也婁曲也陰氣上侵萬物萎曲也諏訾者陰盛陽伏萬物愁哀也

句読本文校了

實沈者、陰氣沈重、降實於物也。大梁者、強也。白露巳降、萬物堅強也。降婁者、降下也、婁曲也。陰氣上侵、萬物萎曲也。諏訾者、陰盛陽伏、萬物愁哀也。

訓読校了

実沈とは、陰気沈重にして、実を物に降すなり。大梁とは、強なり。白露すでに降り、万物堅強なり。降婁とは、降は下る、婁は曲がるなり。陰気上り侵して、万物萎え曲がるなり。諏訾とは、陰盛んに陽伏し、万物愁哀するなり。

現代語訳校了

実沈とは、陰気が重く沈み、実りを万物に降ろすことをいう。大梁とは強さを意味し、白露がすでに降り、万物が堅く強くなることをいう。降婁の「降」は下ること、「婁」は曲がることを意味し、陰気が上り侵して、万物が萎え曲がることをいう。諏訾とは、陰が盛んとなって陽が潜み、万物が愁い悲しむことをいう。

GT-200152・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

凡陰陽相配善惡理均凶不全凶吉不獨吉吉終則凶凶終則吉故合不專合復有離義就支干配日辰乃有五合五離

句読本文校了

凡陰陽相配、善惡理均。凶不全凶、吉不獨吉。吉終則凶、凶終則吉。故合不專合、復有離義。就支干配日辰、乃有五合五離。

訓読校了

凡そ陰陽相い配すれば、善悪の理は均し。凶は全く凶ならず、吉は独り吉ならず。吉終れば凶、凶終れば吉なり。故に合は専ら合ならず、また離の義あり。支干を日辰に配するに、すなわち五合五離あり。

現代語訳校了

陰陽が配合すると、善と悪の道理は均衡する。凶は完全に凶ではなく、吉も吉だけで完結しない。吉が終われば凶となり、凶が終われば吉となる。したがって「合」は合することだけに専らではなく、また「離」の意味を持つ。干支を日辰に配すると、五合と五離がある。

GT-200153・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

五合者河圖云甲寅乙卯天地合丙寅丁卯日月合戊寅己卯人民合庚寅辛卯金石合壬寅癸卯江河合

句読本文校了

五合者、河圖云、甲寅乙卯、天地合。丙寅丁卯、日月合。戊寅己卯、人民合。庚寅辛卯、金石合。壬寅癸卯、江河合。

訓読校了

五合とは、『河図』に云う、甲寅乙卯は天地の合、丙寅丁卯は日月の合、戊寅己卯は人民の合、庚寅辛卯は金石の合、壬寅癸卯は江河の合なり。

現代語訳校了

五合とは、『河図』によれば、甲寅・乙卯を天地の合、丙寅・丁卯を日月の合、戊寅・己卯を人民の合、庚寅・辛卯を金石の合、壬寅・癸卯を江河の合とするものである。

GT-200154・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

五離者甲申乙酉天地離甲申丁酉日月離戊申己酉人民離庚申辛酉金石離壬申癸酉江河離寅卯陽之所昇能生萬物日常出之月滿又出東方少陽生長之處物所欣會故以爲合

句読本文校了

五離者、甲申乙酉、天地離。甲申丁酉、日月離。戊申己酉、人民離。庚申辛酉、金石離。壬申癸酉、江河離。寅卯、陽之所昇、能生萬物。日常出之、月滿又出。東方少陽生長之處、物所欣會、故以爲合。

訓読校了

五離とは、甲申乙酉は天地の離、甲申丁酉は日月の離、戊申己酉は人民の離、庚申辛酉は金石の離、壬申癸酉は江河の離なり。寅卯は陽の昇る所にして、よく万物を生ず。日は常にこれより出で、月も満つればまた出づ。東方は少陽生長の処、物の欣び会する所なれば、故に合とす。

現代語訳校了

五離とは、甲申と乙酉を天地の離、甲申と丁酉を日月の離、戊申と己酉を人民の離、庚申と辛酉を金石の離、壬申と癸酉を江河の離とするものである。一方、寅・卯は陽が昇って万物を生ずる所であり、太陽は常にここから出て、月も満ちればここから出る。東方は少陽が生長する場所で、万物が喜んで集まるため、合とする。

GT-200155・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

申酉陰之所湊肅殺之方日月皆沒於其所西方少陰衰老之處物之所惡故以爲離甲乙曰干之首卦屬乾坤故比天地丙丁陽光之盛故方日月

句読本文校了

申酉、陰之所湊、肅殺之方。日月皆沒於其所。西方少陰衰老之處、物之所惡、故以爲離。甲乙、曰干之首。卦屬乾坤、故比天地。丙丁、陽光之盛、故方日月。

訓読校了

申酉は陰の湊る所、粛殺の方なり。日月みなその所に没す。西方は少陰衰老の処、物の悪む所なれば、故に離とす。甲乙は干の首と曰ふ。卦は乾坤に属す、故に天地に比す。丙丁は陽光の盛んなるもの、故に日月に方ぶ。

現代語訳校了

申・酉は陰が集まる所で、粛殺の方位であり、日月はともにそこに沈む。西方は少陰の衰老する所で、万物が嫌う場所なので、「離」とする。甲・乙は干の先頭といい、卦では乾・坤に属するため、天地になぞらえる。丙・丁は陽光が盛んなものなので、日月になぞらえる。

GT-200156・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

戊己居中能成萬物故類人民庚辛體自金石壬癸居然江河凡爲萬事吉則從合凶則從離遇合則休遇離則否選日定時卜筮之用彌所用也

句読本文校了

戊己居中、能成萬物、故類人民。庚辛、體自金石。壬癸、居然江河。凡爲萬事、吉則從合、凶則從離。遇合則休、遇離則否。選日定時、卜筮之用、彌所用也。

訓読校了

戊己は中に居り、よく万物を成す、故に人民に類す。庚辛の体は金石よりし、壬癸は居然として江河なり。凡そ万事を為すに、吉ならば合に従い、凶ならば離に従う。合に遇えば休、離に遇えば否なり。日を選び時を定むる、卜筮の用に、いよいよ用いる所なり。

現代語訳校了

戊・己は中央にあって万物を成就させるため人民に類し、庚・辛の本体は金石であり、壬・癸はまさしく江河である。およそ万事を行うにあたり、吉であれば合に従い、凶であれば離に従う。合に会えば吉善・安泰であり、離に会えば塞がり不調となる。日を選び時を定めることや占筮で、これを大いに用いる。

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