五行大義

五行大義

隋の蕭吉が五行思想の諸説を集成した『五行大義』全五巻について、土御門文書編纂所による原文翻刻・句読・訓読・現代語訳を公開します。

土御門文書編纂所による公開校訂版です。元禄十二年刊本の画像を底本とし、原文翻刻、独自句読、独自訓読、独自現代語訳を分離して公開します。

自家翻刻・訓読・現代語訳

公開版 gogyo-taigi-20260818-g4-v2・全964単位・16 / 49頁

GT-200097・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

火外陽卽是火也內陰卽是水也能殺卽是金也能熟卽是木也能生卽是土也

句読本文校了

火外陽卽是火也。內陰卽是水也。能殺卽是金也。能熟卽是木也。能生卽是土也。

訓読校了

火は、外陽は卽ち是れ火なり。內陰は卽ち是れ水なり。能く殺すは卽ち是れ金なり。能く熟すは卽ち是れ木なり。能く生ずるは卽ち是れ土なり。

現代語訳校了

火には、外側の陽としての火性、内側の陰としての水性、殺傷する金性、成熟させる木性、生成する土性がある。

GT-200098・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

土能生卽是土也能容卽是水也能成卽是木也能防卽是金也含陽卽是火也

句読本文校了

土能生卽是土也。能容卽是水也。能成卽是木也。能防卽是金也。含陽卽是火也。

訓読校了

土は、能く生ずるは卽ち是れ土なり。能く容るるは卽ち是れ水なり。能く成すは卽ち是れ木なり。能く防ぐは卽ち是れ金なり。陽を含むは卽ち是れ火なり。

現代語訳校了

土には、生成する土性、受け入れる水性、完成させる木性、防ぐ金性、陽を含む火性がある。

GT-200099・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

金能斷卽是金也從革卽是木也含火卽是火也有汗卽是水也能生卽是土也

句読本文校了

金能斷卽是金也。從革卽是木也。含火卽是火也。有汗卽是水也。能生卽是土也。

訓読校了

金は、能く斷つは卽ち是れ金なり。革に從ふは卽ち是れ木なり。火を含むは卽ち是れ火なり。汗有るは卽ち是れ水なり。能く生ずるは卽ち是れ土なり。

現代語訳校了

金には、切断する金性、変形に従う木性、火を含む火性、液を生じる水性、生成する土性がある。

GT-200100・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

水外陰卽是水也內陽卽是火也含養卽是木也潤生卽是土也能殺卽是金也此皆以義釋一行通有五氣

句読本文校了

水外陰卽是水也。內陽卽是火也。含養卽是木也。潤生卽是土也。能殺卽是金也。此皆以義釋一行通有五氣。

訓読校了

水は、外陰は卽ち是れ水なり。內陽は卽ち是れ火なり。含養は卽ち是れ木なり。潤生は卽ち是れ土なり。能く殺すは卽ち是れ金なり。此れ皆、義を以て釋し、一行に通じて五氣有り。

現代語訳校了

水には、外側の陰としての水性、内側の陽としての火性、養い含む木性、潤して生じさせる土性、殺す金性がある。これは意味の上から、一行に五気が通有すると説明したものである。

GT-200101・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

就事而論義則不爾或有或無質弱者則體相容質堅者則體不相容金中無木木中無金金木以正相害故水中無火火中無水兩法正相害故亦無金

句読本文校了

就事、而論義、則不爾或有或無質弱者、則體相容質堅者、則體不相容金中無木木中無金金木以正相害。故水中無火火中無水兩法正相害。故亦無金。

訓読校了

事に就きて義を論ずれば、則ち爾らず。或いは有り、或いは無し。質弱き者は則ち體相容れ、質堅き者は則ち體相容れず。金中に木無く、木中に金無し。金木は正に相害するを以ての故なり。水中に火無く、火中に水無し。兩法は正に相害するが故なり。亦、金無し。

現代語訳校了

しかし実体について論じれば、五行が常にすべて含まれるわけではない。弱い性質は入り合うが、堅い性質は入り合わない。金と木、水と火は直接害し合うので互いの内に存在しない。また水中に金もない。

GT-200102・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

金中有水木中亦有水木中亦有火石中亦有火而水能生木則木中有水水生於金金中有水火生於木木中有火水復從金生金中有水水能生木木中有火火刻於金那得石復有火此是火性弱故能入堅而水中無金是堅不能入弱木生於水木中含水金能生水金中含水所以水中無金木者金木在水中不得言水體有金木溼潤在木石中木石便得有水義此亦是弱能入堅堅不能入弱

句読本文校了

金中有水木中亦有水木中亦有火石中亦有火、而水能生木、則木中有水水生於金金中有水火生於木木中有火水復從金生金中有水水能生木木中有火火刻於金那得石復有火此是火性弱。故能入堅、而水中無金是堅不能入弱木生於水木中含水金能生水金中含水所以水中無金木者、金木在水中不得言水體有金木溼潤在木石中木石便得有水義此亦是弱能入堅堅不能入弱。

訓読校了

金中に水有り、木中にも亦水有り、木中にも亦火有り、石中にも亦火有り。而して水は能く木を生ずれば、則ち木中に水有り。水は金より生ずれば、金中に水有り。火は木より生ずれば、木中に火有り。水は復た金より生ずれば、金中に水有り。水は能く木を生じ、木中に火有り、火は金に剋つ。那んぞ石に復た火有るを得ん。此れ火性弱きが故に能く堅に入り、而して水中に金無きは、是れ堅は弱に入る能はざればなり。木は水より生じ、木中に水を含む。金は能く水を生じ、金中に水を含む。所以に水中に金木無きは、金木、水中に在りといへども、水體に金木有りと言ふを得ざればなり。溼潤、木石に在れば、木石は便ち水の義有るを得。此れ亦、弱は能く堅に入り、堅は弱に入る能はざるなり。

現代語訳校了

金の中には水があり、木の中にも水があり、木の中には火があり、石の中にも火がある。水は木を生ずるので木の中に水があり、水は金から生ずるので金の中に水があり、火は木から生ずるので木の中に火がある。水が金から生ずるため金の中に水があり、水が木を生じ、その木の中の火が金に剋つのなら、なぜ石の中にも火があるのか。それは火の性質が弱いため堅い物へ入れるからである。水の中に金がないのは、堅い物は弱い物へ入れないからである。木は水から生じて木中に水を含み、金は水を生じて金中に水を含む。それでも水の中に金木がないというのは、金木が水中にあっても、水そのものに金木があるとはいえないからである。湿潤が木石の中にあれば、木石は水の性質を持つ。これも、弱い物は堅い物へ入れるが、堅い物は弱い物へ入れないということである。

GT-200103・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

炎州有樹生於火中此非火能生樹是火不能燒樹亦非火在樹中乃是樹在火中而體不相雜無異金在水中而不能雜水體亦如海中陰火潛燃此水中有火但非水體雜火此稍涉靈奇亦非五行常準

句読本文校了

炎州有樹生於火中此非火能生樹是火不能燒樹亦非火在樹中乃是樹在火中、而體不相雜無異金在水中、而不能雜水體亦如海中陰火潛燃此水中有火但非水體雜火此稍涉靈奇亦非五行常準。

訓読校了

炎州に樹有り、火中に生ず。此れ火の能く樹を生ずるに非ず、是れ火、樹を燒く能はざるなり。亦、火の樹中に在るに非ず、乃ち是れ樹、火中に在りて、體は相雜らざるなり。金、水中に在りて水體に雜る能はざるに異なること無し。亦、海中に陰火潛み燃ゆるが如し。此れ水中に火有れども、但だ水體に火を雜ふるに非ず。此れ稍や靈奇に涉り、亦、五行の常準に非ず。

現代語訳校了

炎州には火の中に生える樹があるという。これは火が樹を生じたのではなく、火がその樹を焼くことができないのである。また、火が樹の中にあるのではなく、樹が火の中にあるだけで、両者の本体は混じらない。金が水中にあっても水の本体に混じらないのと同じである。海中で陰火がひそかに燃える場合も、水中に火は存在するが、水の本体に火が混じるわけではない。このような例はやや霊異な現象に属し、五行の通常の基準ではない。

GT-200104・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

又木中有火火還燒木此是生火方盛故能燒木石中有火火不燒石是火至金鄕氣巳衰故不能燒石其以火消金者亦取其盛故能爍金是不取衰火猶如金能剋木鉛錫不能斷此是不堅之金也

句読本文校了

又木中有火火還燒木此是生火方盛。故能燒木石中有火火不燒石是火至金鄕氣巳衰。故不能燒石其以火消金者、亦取其盛。故能爍金是不取衰火猶如金能剋木鉛錫不能斷此是不堅之金也。

訓読校了

又、木中に火有り、火還た木を燒く。此れ生火方に盛んなるが故に、能く木を燒く。石中に火有れども、火、石を燒かず。是れ火、金鄕に至りて氣已に衰ふるが故に、石を燒く能はず。其れ火を以て金を消すは、亦、其の盛んなるを取る。故に能く金を爍かす。是れ衰火を取らず。猶ほ金は能く木に剋てども、鉛錫は斷つ能はざるが如し。此れ堅からざるの金なり。

現代語訳校了

木中の火が木を焼けるのは、生まれた火が盛んだからである。石中の火が石を焼かないのは、金の領域に至って火気が衰えているからである。火が金を溶かすのも盛んな火に限る。同じく金が木に勝つといっても、柔らかな鉛や錫では切断できない。

GT-200105・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

土性包含無所不受故土中皆備有水金木火火非直陽氣猶如范陽地燃是陰也土火不相害雖不恒爾不得言無

句読本文校了

土性包含無所不受。故土中皆備有水金木火火非直陽氣猶如范陽地燃是陰也。土火不相害雖不恒爾不得言無。

訓読校了

土性は包含し、受けざる所無し。故に土中に皆備はり、水・金・木・火有り。火は直だ陽氣のみに非ず。范陽の地燃ゆるが猶きは、是れ陰なり。土火は相害せず。恒には爾らずと雖も、無しと言ふを得ず。

現代語訳校了

土の性質はすべてを包み受け入れるので、その中には水・金・木・火が備わる。火も陽気だけではなく、范陽で地面が燃えるような陰性の火がある。土と火は害し合わないため、常にそうでなくても、土中に火がないとはいえない。

土が特に四行を含む理由

第2冊 第16画像を開く(新しいタブ)
GT-200106・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

等是四行何故獨爾土既居地地卽是陰火卽是太陽之氣故不得恒有也

句読本文校了

等是四行何故獨爾土既居地地卽是陰火卽是太陽之氣。故不得恒有也。

訓読校了

等しく是れ四行なるに、何故に獨り土のみ爾るや。土は既に地に居り、地は卽ち是れ陰、火は卽ち是れ太陽の氣なり。故に恒に有るを得ざるなり。

現代語訳校了

水・金・木・火はいずれも同じ四行であるのに、なぜ火だけが常には土中にないのか。土は地に属し、地は陰であるのに対し、火は太陽の気だから、いつでも土中にあることはできないのである。

二論支干雜・乙の雜氣

第2冊 第15画像を開く(新しいタブ)
GT-200107・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

二論支干雜支干雜者五行書云甲以女弟乙嫁庚爲妻故乙中有雜金立春木王甲召乙還乙懷金氣來故仲春殺榆莢白也

句読本文校了

二論支干雜支干雜者、五行書云、甲以女弟乙嫁庚爲妻。故乙中有雜金立春木王甲召乙還乙懷金氣來。故仲春殺榆莢白也。

訓読校了

二、支干の雜を論ず。支干の雜は、『五行書』に云ふ、甲は女弟の乙を以て庚に嫁して妻と爲す。故に乙中に雜金有り。立春に木王たり、甲、乙を召して還らしむれば、乙は金氣を懷きて來る。故に仲春、榆莢を殺し、白きなり。

現代語訳校了

第二に干支の混合を論じる。『五行書』によれば、甲は妹の乙を庚に嫁がせて妻としたので、乙の中には金気が混じる。立春に木が旺じると甲が乙を呼び戻し、乙は金気を帯びて帰る。そのため仲春には、金気が楡の莢を落とし、その莢は白くなるという。

GT-200108・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

丙以女弟丁嫁壬爲妻丁中有雜水立夏火王丙召丁還丁懷水氣來故仲夏桑椹熟黑也

句読本文校了

丙以女弟丁嫁壬爲妻丁中有雜水立夏火王丙召丁還丁懷水氣來。故仲夏桑椹熟黑也。

訓読校了

丙は女弟の丁を以て壬に嫁して妻と爲す。丁中に雜水有り。立夏に火王たり、丙、丁を召して還らしむれば、丁は水氣を懷きて來る。故に仲夏、桑椹熟して黑きなり。

現代語訳校了

丙は妹の丁を壬に嫁がせて妻としたので、丁の中には水気が混じる。立夏に火が旺じると丙が丁を呼び戻し、丁は水気を帯びて帰る。そのため仲夏には桑の実が黒く熟するという。

GT-200109・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

戊以女弟己嫁甲爲妻己中有雜木季夏土王戊召己還己懷木氣來故季夏有果實青也

句読本文校了

戊以女弟己嫁甲爲妻己中有雜木季夏土王戊召己還己懷木氣來。故季夏有果實青也。

訓読校了

戊は女弟の己を以て甲に嫁して妻と爲す。己中に雜木有り。季夏に土王たり、戊、己を召して還らしむれば、己は木氣を懷きて來る。故に季夏、果實の青き有るなり。

現代語訳校了

戊は妹の己を甲に嫁がせて妻としたので、己の中には木気が混じる。季夏に土が旺じると戊が己を呼び戻し、己は木気を帯びて帰る。そのため季夏には青い果実があるという。

GT-200110・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

庚以女弟辛嫁丙爲妻辛中有雜火立秋金王庚召辛還辛懷火氣來故仲秋棗熟朱也

句読本文校了

庚以女弟辛嫁丙爲妻辛中有雜火立秋金王庚召辛還辛懷火氣來。故仲秋棗熟朱也。

訓読校了

庚は女弟の辛を以て丙に嫁して妻と爲す。辛中に雜火有り。立秋に金王たり、庚、辛を召して還らしむれば、辛は火氣を懷きて來る。故に仲秋、棗熟して朱きなり。

現代語訳校了

庚は妹の辛を丙に嫁がせて妻としたので、辛の中には火気が混じる。立秋に金が旺じると庚が辛を呼び戻し、辛は火気を帯びて帰る。そのため仲秋には棗が赤く熟するという。

GT-200111・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

壬以女弟癸嫁戊爲妻癸中有雜土立冬水王壬召癸還癸懷土氣來故仲冬草木皆黃也甲丙戊庚壬爲男剛強故自有德不雜乙丁己辛癸爲女柔弱不自專從夫故有雜猶出嫁之女卽稱夫氏歸寧之日攜子而來氏族便雜

句読本文校了

壬以女弟癸嫁戊爲妻癸中有雜土立冬水王壬召癸還癸懷土氣來。故仲冬草木皆黃也。甲丙戊庚壬爲男剛強。故自有德不雜乙丁己辛癸爲女柔弱不自專從夫。故有雜猶出嫁之女卽稱夫氏歸寧之日攜子、而來氏族便雜。

訓読校了

壬は女弟の癸を以て戊に嫁して妻と爲す。癸中に雜土有り。立冬に水王たり、壬、癸を召して還らしむれば、癸は土氣を懷きて來る。故に仲冬、草木皆黃なるなり。甲丙戊庚壬は男と爲し、剛強なるが故に自ら德有りて雜らず。乙丁己辛癸は女と爲し、柔弱にして自ら專らにせず、夫に從ふが故に雜有り。猶ほ出嫁の女、卽ち夫氏を稱し、歸寧の日、子を攜へて來れば、氏族便ち雜るがごとし。

現代語訳校了

壬は妹の癸を戊に嫁がせて妻としたので、癸には土の気が混じる。立冬に水が旺じると壬は癸を呼び戻し、癸は土気を帯びて来るため、仲冬には草木がみな黄色くなる。甲・丙・戊・庚・壬は男性に配され、剛強で自ら徳を備えるため他の気を混じえない。乙・丁・己・辛・癸は女性に配され、柔弱で自ら専らにせず夫に従うため他の気を混じえる。これは、嫁いだ女性が夫の氏を称し、里帰りの日に子を伴って来ると氏族が混じることにたとえたものである。

GT-200112・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

五行十雜云甲爲木乙爲材丙爲火丁爲灰戊爲土己爲泥庚爲金辛爲鑪銻壬爲水癸爲濁汙此皆雜義也

句読本文校了

五行十雜云、甲爲木乙爲材丙爲火丁爲灰戊爲土己爲泥庚爲金辛爲鑪銻壬爲水癸爲濁汙此皆雜義也。

訓読校了

『五行十雜』に云ふ、甲を木と爲し、乙を材と爲し、丙を火と爲し、丁を灰と爲し、戊を土と爲し、己を泥と爲し、庚を金と爲し、辛を鑪銻と爲し、壬を水と爲し、癸を濁汙と爲す。此れ皆、雜の義なり。

現代語訳校了

『五行十雑』は、甲を木、乙を材、丙を火、丁を灰、戊を土、己を泥、庚を金、辛を底本にいう「鑪銻」、壬を水、癸を濁水に配する。これらはいずれも混合の意味を示す。

GT-200113・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

寅卯爲木春懷火故卯爲純木寅爲雜木巳午爲火夏懷土故午爲純火巳爲雜火申酉爲金秋懷水故酉爲純金申爲雜金亥子爲水冬懷木故子爲純水亥爲雜水

句読本文校了

寅卯爲木春懷火。故卯爲純木寅爲雜木巳午爲火夏懷土。故午爲純火巳爲雜火申酉爲金秋懷水。故酉爲純金申爲雜金亥子爲水冬懷木。故子爲純水亥爲雜水。

訓読校了

寅卯は木と爲す。春、火を懷むが故に、卯を純木と爲し、寅を雜木と爲す。巳午は火と爲す。夏、土を懷むが故に、午を純火と爲し、巳を雜火と爲す。申酉は金と爲す。秋、水を懷むが故に、酉を純金と爲し、申を雜金と爲す。亥子は水と爲す。冬、木を懷むが故に、子を純水と爲し、亥を雜水と爲す。

現代語訳校了

寅・卯は木であり、春は火を内に宿すため、卯を純木、寅を雑木とする。巳・午は火であり、夏は土を内に宿すため、午を純火、巳を雑火とする。申・酉は金であり、秋は水を内に宿すため、酉を純金、申を雑金とする。亥・子は水であり、冬は木を内に宿すため、子を純水、亥を雑水とする。

GT-200114・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

土居中央分主四氣故辰中有餘木未中有餘火戌中有餘金丑中有餘水各十二日故四孟爲懷任生氣之所由四仲盛壯之所立四季葬送之所在懷任及葬皆有雜義

句読本文校了

土居中央分主四氣。故辰中有餘木未中有餘火戌中有餘金丑中有餘水各十二日。故四孟爲懷任生氣之所由四仲盛壯之所立四季葬送之所在懷任及葬皆有雜義。

訓読校了

土は中央に居り、分かちて四氣を主る。故に辰中に餘木有り、未中に餘火有り、戌中に餘金有り、丑中に餘水有り、各々十二日なり。故に四孟は懷任、生氣の由る所と爲し、四仲は盛壯の立つ所、四季は葬送の在る所なり。懷任及び葬は、皆、雜の義有り。

現代語訳校了

中央の土は四季の気を分担するので、辰・未・戌・丑にはそれぞれ前季の木・火・金・水の余気が十二日ずつある。各季節の初めは懐妊と生気、中ほどは盛壮、末は葬送の段階であり、懐妊と葬送には気が混じる意味がある。

GT-200115・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

三論方位雜五行非直性相雜當方亦有雜義東方甲乙寅卯辰甲木也乙中有雜金寅中有生火辰土也卯中有死水

句読本文校了

三論方位雜五行非直性相雜當方亦有雜義東方甲乙寅卯辰甲木也。乙中有雜金寅中有生火辰土也。卯中有死水。

訓読校了

三、方位の雜を論ず。五行は直だ性相雜るのみに非ず、當方にも亦、雜の義有り。東方は甲乙寅卯辰。甲は木なり。乙中に雜金有り、寅中に生火有り、辰は土なり、卯中に死水有り。

現代語訳校了

第三に方位の混合を論じる。五行は性質が互いに混じるだけでなく、各方位にも混合の意味がある。東方は甲・乙・寅・卯・辰から成り、甲は木、乙の中には雑金、寅の中には生火、辰は土、卯の中には死水がある。

GT-200116・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

南方丙丁巳午未丙火也丁中有雜水巳中有生金未土也午中有死木西方庚辛申酉戌庚金也辛中有雜火申中有生水戌土也又酉中有胎木北方壬癸亥子丑壬水也癸中有雜土亥中有生木子中有胎火丑中有死金此竝方別有五行也

句読本文校了

南方丙丁巳午未丙火也。丁中有雜水巳中有生金未土也。午中有死木西方庚辛申酉戌庚金也。辛中有雜火申中有生水戌土也。又酉中有胎木北方壬癸亥子丑壬水也。癸中有雜土亥中有生木子中有胎火丑中有死金此竝方別有五行也。

訓読校了

南方は丙丁巳午未。丙は火なり。丁中に雜水有り、巳中に生金有り、未は土なり、午中に死木有り。西方は庚辛申酉戌。庚は金なり。辛中に雜火有り、申中に生水有り、戌は土なり。又、酉中に胎木有り。北方は壬癸亥子丑。壬は水なり。癸中に雜土有り、亥中に生木有り、子中に胎火有り、丑中に死金有り。此れ竝びに方別に五行有るなり。

現代語訳校了

南方は丙・丁・巳・午・未である。丙は火、丁の中には雑水、巳の中には生金、未には土、午の中には死木がある。西方は庚・辛・申・酉・戌である。庚は金、辛の中には雑火、申の中には生水、戌には土、酉の中には胎木がある。北方は壬・癸・亥・子・丑である。壬は水、癸の中には雑土、亥の中には生木、子の中には胎火、丑の中には死金がある。このように、それぞれの方位には五行が備わる。

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