五行大義

五行大義

隋の蕭吉が五行思想の諸説を集成した『五行大義』全五巻について、土御門文書編纂所による原文翻刻・句読・訓読・現代語訳を公開します。

土御門文書編纂所による公開校訂版です。元禄十二年刊本の画像を底本とし、原文翻刻、独自句読、独自訓読、独自現代語訳を分離して公開します。

自家翻刻・訓読・現代語訳

公開版 gogyo-taigi-20260818-g4-v2・全964単位・11 / 49頁

GT-100144・巻1
本文 校了
原文翻刻校了

南方炎天數九其星鬼柳星鬼秦分也柳星周分也火性炎上故曰炎天也對離宮楊州東南陽天數四其星張翼軫張周分翼軫楚分木之季將卽太陽故曰陽天也對巽宮徐州此九天亦屬北斗九星之數故

句読本文校了

南方炎天、數九、其星鬼柳星。鬼、秦分也。柳星、周分也。火性炎上、故曰炎天也。對離宮楊州。東南陽天、數四、其星張翼軫。張、周分。翼軫、楚分。木之季、將卽太陽、故曰陽天也。對巽宮徐州。此九天、亦屬北斗九星之數、故

訓読校了

南方の炎天九には鬼・柳・星を置き、鬼は秦、柳星は周の分野、火が上へ炎える性質から炎天と名づけ、離宮・楊州に配す。東南の陽天四には張・翼・軫を置き、張は周、翼軫は楚の分野、木の季の末にまさに太陽に即かんとするため陽天と名づけ、巽宮・徐州に配す。この九天は北斗九星の数にも属するが故に、

現代語訳校了

南方の炎天九には鬼・柳・星を置き、鬼は秦、柳と星は周の分野とする。火は上へ燃え上がる性質をもつため炎天といい、離宮・楊州へ配する。東南の陽天四には張・翼・軫を置き、張は周、翼と軫は楚の分野とする。木の季節の末に当たり、まさに太陽の気へ至ろうとするため陽天といい、巽宮・徐州へ配する。この九天は北斗九星の数にも属するため、

GT-100145・巻1
本文 校了
原文翻刻校了

下對九州炎天數九屬斗第一樞星應離宮對楊州變天數八屬斗第二璇星應艮宮對兗州昊天數七屬斗第三璣星應兌宮對梁州幽天數六屬斗第四權星應乾宮對雍州鈞天數五屬斗第五衡星應中宮對豫州陽天數四屬斗第六開陽星應巽宮對徐

句読本文校了

下對九州。炎天數九、屬斗第一樞星、應離宮、對楊州。變天數八、屬斗第二璇星、應艮宮、對兗州。昊天數七、屬斗第三璣星、應兌宮、對梁州。幽天數六、屬斗第四權星、應乾宮、對雍州。鈞天數五、屬斗第五衡星、應中宮、對豫州。陽天數四、屬斗第六開陽星、應巽宮、對徐

訓読校了

下は九州に対す。炎天九は斗第一の樞星に属し離宮・楊州に応ず。変天八は第二の璇星・艮宮・兗州、昊天七は第三の璣星・兌宮・梁州、幽天六は第四の權星・乾宮・雍州、鈞天五は第五の衡星・中宮・豫州、陽天四は第六の開陽星・巽宮・徐州に応ず。

現代語訳校了

下では九州に対応させる。炎天九は北斗第一の枢星・離宮・楊州、変天八は第二の璇星・艮宮・兗州、昊天七は第三の璣星・兌宮・梁州、幽天六は第四の権星・乾宮・雍州、鈞天五は第五の衡星・中宮・豫州、陽天四は第六の開陽星・巽宮・徐州へ対応する。

GT-100146・巻1
本文 校了
原文翻刻校了

州蒼天數三屬斗第七瑤光星應震宮對青州朱天數二屬斗第八星應坤宮對荊州玄天數一屬斗第九星應坎宮對冀州屬斗第八第九二星陰而不見以其對陰宮也

句読本文校了

州蒼天數三屬斗第七瑤光星、應震宮、對青州。朱天數二屬斗第八星、應坤宮、對荊州。玄天數一屬斗第九星、應坎宮、對冀州。屬斗第八第九二星、陰而不見、以其對陰宮也。

訓読校了

蒼天の數三は斗の第七瑤光星に屬し、震宮に應じ、青州に對す。朱天の數二は斗の第八星に屬し、坤宮に應じ、荊州に對す。玄天の數一は斗の第九星に屬し、坎宮に應じ、冀州に對す。斗の第八・第九の二星は陰にして見えず、其の陰宮に對するを以てなり。

現代語訳校了

蒼天三は北斗第七の瑤光星に属し、震宮に応じ、青州に対応する。朱天二は北斗第八星に属し、坤宮に応じ、荊州に対応する。玄天一は北斗第九星に属し、坎宮に応じ、冀州に対応する。北斗第八星と第九星の二星は陰に属し、陰宮に対応するため目には見えない。

GT-100147・巻1
本文 校了
原文翻刻校了

又郭璞易占云乾一坤二震三巽四坎五離六艮七兌八占人及物數皆準此蓋以父母男女爲次也此九宮八卦之數故以備釋 五行大義卷第一

句読本文校了

又郭璞易占云、乾一、坤二、震三、巽四、坎五、離六、艮七、兌八。占人及物數皆準此、蓋以父母男女爲次也。此九宮八卦之數、故以備釋。五行大義卷第一。

訓読校了

又た郭璞の『易占』に云ふ、乾一、坤二、震三、巽四、坎五、離六、艮七、兌八。人及び物を占ふ數は皆これに準ず。蓋し父母男女を以て次と爲すなり。此れ九宮八卦の數、故に以て備へ釋す。五行大義卷第一。

現代語訳校了

郭璞の『易占』は、乾を一、坤を二、震を三、巽を四、坎を五、離を六、艮を七、兌を八とする。人および物を占う数はすべてこの配列に準じる。これは父母である乾坤、長男・長女・中男・中女・少男・少女の順序を用いたものである。以上で九宮八卦の数をすべて説明し、『五行大義』巻第一を終える。

GT-200001
表紙・巻頭 校了
原文翻刻校了

五行大義 二

句読本文校了

五行大義 二

訓読校了

五行大義、二。

現代語訳校了

『五行大義』第二冊の表紙題簽。

GT-200002・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

五行大義卷第二

句読本文校了

五行大義卷第二。

訓読校了

五行大義、卷第二。

現代語訳校了

『五行大義』巻第二。

GT-200003・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

上儀同三司城陽郡開國公蕭吉撰

句読本文校了

上儀同三司城陽郡開國公蕭吉撰。

訓読校了

上儀同三司、城陽郡開國公、蕭吉撰す。

現代語訳校了

上儀同三司・城陽郡開国公の蕭吉が撰した。

GT-200004・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

第四論相生就此分爲三段一者論相生二者論生死所三者論四時休王 第五論配支干

句読本文校了

第四論相生、就此分爲三段。一者論相生、二者論生死所、三者論四時休王。第五論配支干。

訓読校了

第四、相生を論ず。此れを三段と爲す。一は相生を論じ、二は生死の所を論じ、三は四時の休王を論ず。第五、支干の配を論ず。

現代語訳校了

第四論「相生」は、相生・生死する場所・四時の休旺という三段からなり、続いて第五論「支干の配当」を置く。

GT-200005・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

第六論相雜就此分爲三段一者論五行體雜二者論支干雜三者論方位雜

句読本文校了

第六論相雜、就此分爲三段。一者論五行體雜、二者論支干雜、三者論方位雜。

訓読校了

第六、相雜を論ず。此れを三段と爲す。一は五行の體雜を論じ、二は支干の雜を論じ、三は方位の雜を論ず。

現代語訳校了

第六論「相雑」は、五行の本体の混合・支干の混合・方位の混合という三段からなる。

GT-200006・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

第七論德 第八論合 第九論扶抑 第十論相剋 第十一論刑 第十二論害第十三論衝破

句読本文校了

第七論德。第八論合。第九論扶抑。第十論相剋。第十一論刑。第十二論害。第十三論衝破。

訓読校了

第七、德を論ず。第八、合を論ず。第九、扶抑を論ず。第十、相剋を論ず。第十一、刑を論ず。第十二、害を論ず。第十三、衝破を論ず。

現代語訳校了

以下、第七論「徳」、第八論「合」、第九論「扶抑」、第十論「相剋」、第十一論「刑」、第十二論「害」、第十三論「衝破」が続く。

GT-200007・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

第四論相生就此分爲三段一者論相生二者論生死所三者論四時休王一者論相生經云天生一始於北方水地生二

句読本文校了

第四、論相生。就此分爲三段。一者、論相生。二者、論生死所。三者、論四時休王。一者、論相生。經云、天生一、始於北方水。地生二。

訓読校了

第四、相生を論ずるに、此れを三段と爲す。一は相生、二は生死の所、三は四時の休王を論ず。第一の相生に就き、經に云ふ。「天、一を生じ、北方の水より始む。地、二を生ず」と。

現代語訳校了

第四論「相生」は三段に分かれる。第一は相生、第二は生死の所在、第三は四季における休旺を論ずる。第一の相生について、経書は「天は一を生じ北方の水に始まり、地は二を生ず」と説く。

GT-200008・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

始於南方火人生三始於東方木時生四始於西方金五行生五始於中央土又曰天始生一者因一而生天非天生一也

句読本文校了

始於南方火。人生三。始於東方木。時生四。始於西方金。五行生五。始於中央土。又曰。天始生一者。因一而生天。非天生一也。

訓読校了

二は南方の火に始まる。人、三を生じ、東方の木に始まる。時、四を生じ、西方の金に始まる。五行、五を生じ、中央の土に始まる。又曰く、「天、始め一を生ず」とは、一に因りて天を生ずるなり。天が一を生ずるには非ざるなり。

現代語訳校了

二は南方の火に始まり、人は三を生じて東方の木に始まり、時は四を生じて西方の金に始まり、五行は五を生じて中央の土に始まる。また「天が初めに一を生んだ」とは、一によって天が生じたということであり、天が一を生んだという意味ではない。

GT-200009・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

故云一生二二生三三生萬物地生二者亦因二而生地因三生人因四生時五行皆由一而生數至於五土最在後

句読本文校了

故云。一生二。二生三。三生萬物。地生二者。亦因二而生地。因三生人。因四生時。五行皆由一而生。數至於五。土最在後。

訓読校了

故に云ふ、「一、二を生じ、二、三を生じ、三、萬物を生ず」と。地も亦二に因りて生じ、三に因りて人を生じ、四に因りて時を生ず。五行は皆一に由りて生じ、數五に至り、土最も後に在り。

現代語訳校了

一は二を、二は三を、三は万物を生む。地も二によって生じ、三から人、四から時が生じる。五行は一に由来し、数が五に至って最後に土が生じる。

GT-200010・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

得五而生五行也五行同出而異時者出離其親有所配偶譬如人生亦同元氣而生各出一家配爲夫妻化生子息

句読本文校了

得五而生五行也。五行同出而異時者。出離其親。有所配偶。譬如人生。亦同元氣而生。各出一家。配爲夫妻。化生子息。

訓読校了

五を得て五行を生ずるなり。五行は同じく出でて時を異にするものは、其の親を出で離れ、配偶する所あり。譬へば人の生も、亦た同じ元気より生じ、各々一家を出で、配して夫婦となり、子息を化生するが如し。

現代語訳校了

五を得て五行が生じる。五行は同じ根源から出ながら現れる時を異にし、親元を離れて配偶を得る。人も同じ元気から生じながら、それぞれ別の家を出て夫婦となり、子を生むのと同じである。

GT-200011・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

故五行皆相須而成也五行同胎而異居有先後耳夫五行皆資陰陽氣而生故云濡氣生水溫氣生火強氣生木剛氣生金

句読本文校了

故五行皆相須而成也。五行同胎而異居。有先後耳。夫五行皆資陰陽氣而生。故云。濡氣生水。溫氣生火。強氣生木。剛氣生金。

訓読校了

ゆえに五行は互いを必要として成る。同じ胎より生じても居所と順序が異なる。五行は陰陽の気を受け、湿気は水、温気は火、強気は木、剛気は金を生ず。

現代語訳校了

ゆえに五行は互いを必要として成り立つ。同じ胎から生じても居所と順序が異なる。五行は陰陽の気を受け、湿気は水、温気は火、強気は木、剛気は金を生む。

GT-200012・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

和氣生土故知五行同時而起託義相生傳曰五行竝起各以名別然五行既以名別而更互用事輪轉休王故相生也

句読本文校了

和氣生土。故知五行同時而起。託義相生。傳曰。五行竝起。各以名別。然五行既以名別。而更互用事。輪轉休王。故相生也。

訓読校了

和気は土を生ず。故に五行は同時に起こるが、義を相生に託すと知る。『伝』に曰はく、「五行は並び起こり、各々名を以て別る」と。然れども五行は既に名を以て別れ、更互に事を用ひ、休王を輪転す。故に相生するなり。

現代語訳校了

和気は土を生む。したがって、五行は同時に起こるものの、その意味を相生に託していると分かる。『伝』は「五行は並んで起こり、それぞれ異なる名で区別される」と説く。こうして名を分けた五行が交互に働き、旺衰を循環するので相生という。

GT-200013・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

穎容云凡五行相生謂異類相化如男女異姓能至繁殖若以水濟水不生嘉味河閒獻王問溫城董君曰孝者天之經

句読本文校了

穎容云。凡五行相生。謂異類相化。如男女異姓。能至繁殖。若以水濟水。不生嘉味。河閒獻王問溫城董君曰。孝者。天之經。

訓読校了

穎容は、五行の相生とは異類が交わって変化することで、異姓の男女が繁殖するのに似ると云ふ。同じ水を水に加へても嘉味は生ぜず。河間献王は温城の董君に、孝が天の常道であることについて問い、

現代語訳校了

穎容は、五行の相生とは異なる種類が交わって変化することであり、異姓の男女が繁殖するのに似ているという。同じ水を水に加えても、よい味は生じない。河間献王は温城の董君に、孝が天の常道であることについて問い、

GT-200014・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

地之義也何謂也對曰天有五行木火土金水是也木生火火生土土生金金生水水生木木爲春春主生夏主長養

句読本文校了

地之義也。何謂也。對曰。天有五行。木火土金水是也。木生火。火生土。土生金。金生水。水生木。木爲春。春主生。夏主長養。

訓読校了

さらに「地の義なりとは、何を謂ふや」と。答へて曰はく、「天に五行あり、木・火・土・金・水これなり。木は火を生じ、火は土を生じ、土は金を生じ、金は水を生じ、水は木を生ず。木は春となり、春は生を主り、夏は長養を主る」と。

現代語訳校了

さらに「孝が地の義であるとは、どういう意味か」と問う。董君は「天には木・火・土・金・水という五行がある。木は火を生み、火は土を生み、土は金を生み、金は水を生み、水は木を生む。木は春に当たり、春は生じさせることを、夏は成長させ養うことをつかさどる」と答えた。

GT-200015・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

秋主收冬主藏藏者冬之所成也是故父之所生其子長之父之所長其子養之父之所養其子成之不敢不致如父之意

句読本文校了

秋主收。冬主藏。藏者。冬之所成也。是故父之所生。其子長之。父之所長。其子養之。父之所養。其子成之。不敢不致如父之意。

訓読校了

秋は収むることを主り、冬は蔵することを主る。蔵とは冬の成す所なり。是の故に、父の生ずる所は其の子これを長じ、父の長ずる所は其の子これを養ひ、父の養ふ所は其の子これを成す。父の意の如く致さざることを敢へてせず。

現代語訳校了

秋は収めることを、冬は蔵することをつかさどる。蔵することは冬が成し遂げる働きである。したがって、父が生んだものを子が成長させ、父が成長させたものを子が養い、父が養ったものを子が完成させる。子は父の意に沿うよう、必ず最後まで成し遂げる。

GT-200016・巻2
本文 校了
原文翻刻校了

盡爲人之道也故五行者五常也白虎通云木生火者木性溫暖火伏其中鑽灼而出故木生火火生土者火熱故能焚木

句読本文校了

盡爲人之道也。故五行者。五常也。白虎通云。木生火者。木性溫暖。火伏其中。鑽灼而出。故木生火。火生土者。火熱。故能焚木。

訓読校了

これを尽くすを人の道と為すなり。故に五行は五常なり。『白虎通』に云ふ、木が火を生ずるは、木の性は温暖にして火その中に伏し、鑽灼して出づ。故に木は火を生ず。火が土を生ずるは、火は熱く、故に能く木を焚く、と。

現代語訳校了

これを最後まで尽くすことが人の道である。そのため五行は五常でもある。『白虎通』は、木の性質が温かく内部に火が潜んでおり、木を鑽って焼けば火が出るので、木が火を生むと説く。また、火は熱く木を焼くことができるので土を生むという。

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五行大義 第1冊 第39画像 画像を読み込んでおります
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