麗氣記

麗氣記

『麗氣記(れいきき)』は、伊勢両宮の神々を密教的な世界観から説く中世神道書です。本文十四巻と神体図四巻からなる「十八巻」として伝えられ、後世の両部神道に大きな影響を与えました。

本頁は、土御門文書編纂所が国文学研究資料館鵜飼文庫所蔵の写本を底本として、新たに本文を読み取り、句読点・訓読・現代語訳・注釈を独自に作成する自家翻刻資料です。近現代の校訂本・書き下し文・現代語訳を転載せず、原画像との照合を終えた区分から順次掲載します。

土御門文書編纂所版について

ここでいう原文翻刻は、著者自筆原本を復元したという意味ではありません。オンラインで全冊を確認できる近世写本のうち、慶安二年と承応二年の識語をもつ鵜飼文庫本を作業底本とし、その本文を可能な限り底本どおりに翻刻します。伝本間の異同から祖本の本文を考える作業は、底本翻刻とは分けて校異・編纂注に記します。

原文翻刻、句読本文、訓読、現代語訳は混在させず、共通の区分番号で対応させます。底本に付された返り点・仮名・朱筆は歴史資料として尊重しますが、土御門文書編纂所版の句読・訓読・現代語訳は独自に作成します。

底本の配列

鵜飼文庫本では、「天地麗氣記」が最初に置かれ、次に「二所太神宮麗氣記」が続きます。本版では既成の刊本配列へ並べ替えず、まず底本の物理的な配列どおりに翻刻します。

影印の読み方

下の「底本影印」には、鵜飼文庫本二冊の全九十八画像を収めています。「前へ」「次へ」、または画像下のつまみで画像を送れます。画像を押すと、CODHが配信する高精細の原画像を別画面で開きます。

本頁は土御門文書編纂所による編纂中の作業稿です。原文翻刻、独自句読、独自訓読、独自現代語訳を分離し、各単位の校合状態を明示して公開します。

自家翻刻・訓読・現代語訳

公開版 reikiki-20260807-full-v5・ 全276単位・ 2 / 14頁

RK-PAR-0020・影印 第3画像 右丁
識語・奥書等 単位: 画像照合済
原文翻刻 画像照合済

神躰圖一

句読本文 画像照合済

神躰圖一

訓読 画像照合済

神躰圖 一

現代語訳 画像照合済

「神体図」第一。

RK-PAR-0021・影印 第3画像 右丁
識語・奥書等 単位: 画像照合済
原文翻刻 画像照合済

同二

句読本文 画像照合済

同二

訓読 画像照合済

同 二

現代語訳 画像照合済

同第二。

RK-PAR-0022・影印 第3画像 右丁
識語・奥書等 単位: 校了
原文翻刻 校了

同三

句読本文 校了

同三

訓読 校了

同 三

現代語訳 校了

同第三。

RK-PAR-0023・影印 第3画像 右丁
識語・奥書等 単位: 校了
原文翻刻 校了

同四

句読本文 校了

同四

訓読 校了

同 四

現代語訳 校了

同第四。

RK-0001・影印 第3画像 左丁
見出し・巻題 単位: 校了
原文翻刻 校了

天地麗氣記

句読本文 校了

天地麗氣記

訓読 校了

天地麗氣記

現代語訳 校了

天地麗気記。

RK-0002・影印 第3画像 左丁
見出し・巻題 単位: 校了
原文翻刻 校了

十八巻内

句読本文 校了

十八巻内

訓読 校了

十八巻の内。

現代語訳 校了

全十八巻のうちの一巻。

RK-PAR-0024・影印 第3画像 左丁
見出し・巻題 単位: 校了
原文翻刻 校了

天地麗氣記

句読本文 校了

天地麗氣記

訓読 校了

天地麗氣記

現代語訳 校了

『天地麗気記』。

RK-0003・影印 第3画像 左丁
本文 単位: 校了
原文翻刻 校了

天神七葉者過去七佛轉呈天七星地神五葉者現在四佛加增舍那爲五佛化成地上五行神供奉十六葉大神大小尊神賢劫十六尊也

句読本文 校了

天神七葉者、過去七佛、轉呈天七星。地神五葉者、現在四佛、加增舍那、爲五佛。化成地上五行神、供奉十六葉大神。大小尊神、賢劫十六尊也。

訓読 校了

天神七葉とは、過去の七佛、轉じて天の七星を呈す。地神五葉とは、現在の四佛に舍那を加增して五佛と爲す。化して地上の五行神と成り、十六葉の大神に供奉す。大小の尊神は、賢劫の十六尊なり。

現代語訳 校了

天神七葉とは、過去の七仏が姿を転じ、天の七星として現れたものをいう。地神五葉とは、現在の四仏に舎那仏を加えて五仏としたものをいう。それらは地上において五行の神となって現れ、十六葉の大神に仕える。大小の尊神は、賢劫の十六尊に相当する。

RK-0004・影印 第3画像 左丁
本文 単位: 画像照合済
原文翻刻 画像照合済

憶昔在因地行菩薩道時生千生萬從百生重百世亘千千守國神坐下下下下王神賤戰具十種玉神鏡 神本靈本覺天國璽地神印百寶千寶百大僧祇劫初敷無量無數劫不變常住三種神物

句読本文 画像照合済

憶昔、在因地行菩薩道時、生千生萬、從百生、重百世、亘千千、守國神坐。下下下下王神賤戰具、十種玉神鏡。 神本靈、本覺天國璽、地神印、百寶千寶、百大僧祇劫初敷、無量無數劫不變常住、三種神物。

訓読 画像照合済

憶う、昔、因地に在りて菩薩道を行ぜし時、千生萬生し、百生より百世を重ね、千千に亘り、守國の神として坐す。下下下下、王神賤戰具、十種の玉神鏡なり。 神の本靈、本覺の天國璽、地神印、百寶千寶、百大僧祇劫の初敷、無量無數劫にも不變常住なる三種の神物なり。

現代語訳 画像照合済

思えば昔、菩薩として修行していた因位の時から、幾千幾万の生を重ね、長い世代にわたって国を守る神として鎮座した。そこには十種の玉の神鏡がある。 それは神の根本霊、本覚の天の国璽、地の神印であり、無量無数劫を経ても変わらず常住する三種の神聖な品である。

RK-0005・影印 第4画像 両丁
本文 単位: 画像照合済
原文翻刻 画像照合済

置我五世時以是爲尊重相並可奉崇敬 本御靈金色如意寶珠爲淨菩提心寶珠是國常立尊心神本有滿字御形文也 法中大毘盧遮那佛此佛生身所五百執金剛神左右侍立常恒三世衞護 此五百執金剛神各有五百金剛神各各持各時生王等重重歴劫重重界内重重界外仙番番守之 星宿夜夜坐之令蒙精進仁福令蒙穢惡者罰是名神之神亦名天地鏡或名辟鬼神

句読本文 画像照合済

置我五世時、以是爲尊重相、並可奉崇敬。 本御靈、金色如意寶珠、爲淨菩提心寶珠。是國常立尊心神、本有滿字御形文也。 法中大毘盧遮那佛、此佛生身所、五百執金剛神左右侍立、常恒三世衞護。 此五百執金剛神、各有五百金剛神。各各持各時生王等、重重歴劫、重重界内、重重界外仙、番番守之。 星宿夜夜坐之、令蒙精進仁福、令蒙穢惡者罰。是名神之神、亦名天地鏡、或名辟鬼神。

訓読 画像照合済

我を五世の時に置き、是を以て尊重の相と爲し、並びに崇敬し奉るべし。 本の御靈たる金色の如意寶珠を淨菩提心の寶珠と爲す。是れ國常立尊の心神、本有の滿字の御形文なり。 法中の大毘盧遮那佛、この佛の生身の所に、五百の執金剛神、左右に侍立し、常恒に三世を衞護す。 此の五百執金剛神には各おの五百の金剛神有り。各おの各時の生王等を持し、重重の歴劫、界内・界外を番番に之を守る。 星宿、夜夜に之に坐し、精進仁福を蒙らしめ、穢惡なる者には罰を蒙らしむ。是を神の神と名づけ、亦た天地鏡と名づけ、或いは辟鬼神と名づく。

現代語訳 画像照合済

これを五世に置いて尊重のしるしとし、あわせて崇敬すべきである。 根本の御霊である金色の如意宝珠を、清らかな菩提心の宝珠とする。これは国常立尊の心神であり、本来そなわる満字の御形文である。 法のうちの大毘盧遮那仏の身の左右には五百の執金剛神が侍立し、過去・現在・未来を常に守護する。 その各執金剛神にも五百の金剛神がいて、幾劫にもわたり界内外を交替で守る。 星々は夜ごとそこにあり、善い者には精進と福を与え、穢れ悪しき者には罰を与える。これを神の中の神、天地の鏡、また辟鬼神ともいう。

RK-0006・影印 第4画像 両丁
表組 単位: 画像照合済
原文翻刻 画像照合済

國狹槌尊 毘盧遮那佛 豐斟渟尊 盧遮那佛 此二神浮天跡地報應二身青黑二色寶珠也 青色者衆生果報寶珠 黑色者無明調伏寶珠 三神葉木國漂蕩狀貌如鷄子漸漸萬萬時十一十一十時有化生之神 此浮經者葦葉今獨股金剛也 此國者獨股金剛上生成大日本州 此玉罸以人時横成許時下臥失時立之以本圖可得意 泥土煮尊 毘婆尸如來 沙土煮尊 尸棄如來 大苦邊尊 毘舍婆如來 物留孫尊 拘留孫如來 大戸之道尊 拘那含牟尼如來

句読本文 画像照合済

國狹槌尊。 毘盧遮那佛。 豐斟渟尊。 盧遮那佛。 此二神、浮天跡地報應二身、青黑二色寶珠也。 青色者、衆生果報寶珠。 黑色者、無明調伏寶珠。 三神葉、木國漂蕩狀貌如鷄子、漸漸萬萬時、十一十一十時、有化生之神。 此浮經者葦葉、今獨股金剛也。 此國者、獨股金剛上、生成大日本州。 此玉罸、以人時横成許時、下臥失時、立之、以本圖可得意。 泥土煮尊。 毘婆尸如來。 沙土煮尊。 尸棄如來。 大苦邊尊。 毘舍婆如來。 物留孫尊。 拘留孫如來。 大戸之道尊。 拘那含牟尼如來。

訓読 画像照合済

國狹槌尊は毘盧遮那佛、豐斟渟尊は盧遮那佛なり。 此の二神は、天に浮かび地に跡づける報應の二身、青・黑二色の寶珠なり。青色は衆生果報の寶珠、黑色は無明調伏の寶珠なり。 三神葉、木國の漂蕩する狀貌は鷄子の如し。漸漸萬萬の時に化生の神有り。此の浮經は葦葉、今の獨股金剛なり。此の國は獨股金剛の上に大日本州を生成す。「此玉罸以人時横成許時」は語切り未詳。下に臥し失する時、之を立て、本圖を以て意を得べし。 泥土煮尊は毘婆尸如來、沙土煮尊は尸棄如來、大苦邊尊は毘舍婆如來、物留孫尊は拘留孫如來、大戸之道尊は拘那含牟尼如來なり。

現代語訳 画像照合済

国狭槌尊を毘盧遮那仏に、豊斟渟尊を盧遮那仏に対応させる。この二神は、天と地に応じて現れる二つの身であり、青と黒の二色の宝珠である。青は衆生の果報を示す宝珠、黒は無明を調伏する宝珠である。 国土が漂う姿は卵のようで、長い時を経て化生の神が現れた。その浮かぶ形は葦の葉、また独鈷金剛とされ、その上に大日本州が生じたという。「此玉罸以人時横成許時」から始まる一文は字面を採ったが、語切りと意味を確定していない。 続いて泥土煮尊と毘婆尸如来、沙土煮尊と尸棄如来、大苦辺尊と毘舍婆如来、物留孫尊と拘留孫如来、大戸之道尊と拘那含牟尼如来を対応させる。

RK-FIG-0001・影印 第4画像 右丁
梵字・種字 単位: 画像照合済

翻訳対象外の理由

梵字・種字の専門校合を要する単位です。現段階では本文四層の翻訳対象外です。

RK-FIG-0002・影印 第4画像 右丁
梵字・種字 単位: 画像照合済

翻訳対象外の理由

梵字・種字の専門校合を要する単位です。現段階では本文四層の翻訳対象外です。

RK-0007・影印 第5画像 両丁
表組 単位: 画像照合済
原文翻刻 画像照合済

面足尊 拘那含牟尼如來 大富道尊 迦葉如來 惶根尊 釋迦牟尼如來

句読本文 画像照合済

面足尊。 拘那含牟尼如來。 大富道尊。 迦葉如來。 惶根尊。 釋迦牟尼如來。

訓読 画像照合済

面足尊は拘那含牟尼如來、大富道尊は迦葉如來、惶根尊は釋迦牟尼如來なり。

現代語訳 画像照合済

面足尊を拘那含牟尼如来に、大富道尊を迦葉如来に、惶根尊を釈迦牟尼如来に対応させる。

RK-0008・影印 第5画像 両丁
本文 単位: 画像照合済
原文翻刻 画像照合済

彌勒如來 伊弉諾尊金剛界俗體男形如馬鳴菩薩乘白馬手持斤一切衆生善惡量之 伊弉冉尊胎藏處俗體女形如阿梨樹王桑荷葉説法利生 釋迦如來權宜百千山川寶住大日本國金剛寶山化坐西宮心柱上説周遍法泉深理 側聞本在以降二界遍照如來爲幽契所産一女三男 女天照皇太神地神始玉靈靈鏡大日尊貴端嚴美麗坐下轉神變向下隨順 此時御氣都神與尸棄光明天女交同會中立上下法性下來之給光明大梵天王 尸棄大梵天王一體無二誓願合掌在上 一時功德無上下化時功德光等神寶日出之時二神大神豫結勵契永治天下 宣肆或爲日或爲月永懸大空不落照四天下與無量梵摩尼殿以降達正覺正智成真如智建立三界 時以清陽者爲天以重濁者爲地和曜一二定後以天爲神以地爲仁 百億萬劫間九山八海無主時第六天伊舍那魔醯修羅毘遮耶摩醯修羅頂鳴

句読本文 画像照合済

彌勒如來。 伊弉諾尊、金剛界俗體、男形如馬鳴菩薩、乘白馬、手持斤、一切衆生善惡量之。 伊弉冉尊、胎藏處俗體、女形如阿梨樹王桑荷葉、説法利生。 釋迦如來、權宜百千山川寶、住大日本國金剛寶山、化坐西宮心柱上、説周遍法泉深理。 側聞、本在以降、二界遍照如來爲幽契、所産一女三男。 女天照皇太神、地神始玉靈靈鏡大日尊貴、端嚴美麗、坐下轉神變、向下隨順。 此時、御氣都神與尸棄光明天女交同、會中立上下法性、下來之給光明大梵天王。 尸棄大梵天王、一體無二、誓願合掌在上。 一時功德、無上下化時、功德光等神寶日出之時、二神大神豫結勵契、永治天下。 宣肆、或爲日、或爲月、永懸大空不落、照四天下、與無量梵摩尼殿、以降達正覺正智、成真如智、建立三界。 時、以清陽者爲天、以重濁者爲地、和曜一二定後、以天爲神、以地爲仁。 百億萬劫間、九山八海無主時、第六天伊舍那魔醯修羅、毘遮耶摩醯修羅、頂鳴。

訓読 画像照合済

彌勒如來。 伊弉諾尊は金剛界の俗體にして男形、馬鳴菩薩の如く白馬に乘り、手に斤を持ち、一切衆生の善惡を量る。伊弉冉尊は胎藏處の俗體にして女形、阿梨樹王桑荷葉の如く、法を説き衆生を利す。釋迦如來は權宜に百千山川の寶となり、大日本國の金剛寶山に住し、西宮の心柱の上に化坐して、周遍する法泉の深理を説く。 側聞するに、本在より以降、二界の遍照如來は幽契を爲し、一女三男を産む所なり。女は天照皇太神、地神の始めの玉靈靈鏡、大日尊貴にして端嚴美麗なり。此の時、御氣都神と尸棄光明天女と交同し、會中に上下の法性を立て、光明大梵天王を下來せしめ給う。尸棄大梵天王は一體無二にして、誓願し合掌して上に在り。 功德光等の神寶たる日が出づる時、二神大神は豫め勵契を結び、永く天下を治む。或いは日となり、或いは月となり、永く大空に懸かりて落ちず、四天下を照らし、正覺正智に達し、真如智を成じ、三界を建立す。清陽なるものを天と爲し、重濁なるものを地と爲し、後に天を神、地を仁と爲す。百億萬劫の間、九山八海に主なき時、第六天の伊舍那魔醯修羅・毘遮耶摩醯修羅、頂鳴す。

現代語訳 画像照合済

弥勒如来。 伊弉諾尊は金剛界が世俗の姿を取った男性形で、馬鳴菩薩のように白馬に乗り、手に斤を持って衆生の善悪を量る。伊弉冉尊は胎蔵界が世俗の姿を取った女性形で、法を説いて衆生を利益する。釈迦如来は方便によって山川の宝となり、日本国の金剛宝山に住し、西宮の心柱の上で広く行き渡る法の深い理を説く。 本文の説では、両界の遍照如来の幽かな結びから一女三男が生まれ、その娘が天照皇太神である。御気都神と尸棄光明天女との交会により、光明大梵天王が降る。大梵天王は一体で二つなく、誓願して合掌する。 神宝である日が現れる時、二柱の大神は契りを結び、永く天下を治める。日または月となって大空に懸かり、四天下を照らし、正覚と真如の智慧を得て三界を建立する。清く陽なるものを天、重く濁るものを地とし、天を神、地を人の領域とする。

RK-0009・影印 第6画像 両丁
本文 単位: 画像照合済
原文翻刻 画像照合済

動忽怒元天下魂 此時遍照三明月天子下成堅牢地神國平思食事八十萬劫 其後瑠璃平地聚葉塵生五色地草木生枝花成眞業落成種子 種子變成有情有情有凡聖 依聖分現遍照三明日天子開敷八葉蓮華 是名大空無相日輪 是名如如安樂地 亦名大光明心殿 亦名法性心殿 亦名伊勢二所兩宮正殿者也 自性大三摩耶大梵宮殿表文也 伊弉諾伊弉冉二神尊持左手金鏡陰生持右手銀鏡陽生 名曰日天子月天子 是一切衆生眼目坐故一切火氣變成日一切水氣變成月 三界建立日月是也 于時以羸都鏡邊都鏡爲國璽玉尊靈而日神月神自送于天宮而照六合給 正哉吾勝勝速日天忍穗耳尊天照太神捧八坂瓊曲玉由至大八州爲大靈鏡火珠所成神也 天津彦彦火瓊瓊杵尊 天照太神太子正哉吾勝勝速日天忍穗耳尊娶天皇天御中主神太子高皇産靈皇帝女栲幡豐秋津姫命生天津彦彦火瓊瓊杵尊 謂高皇産靈尊

句読本文 画像照合済

動忽怒、元天下魂。 此時、遍照三明月天子下、成堅牢地神、國平思食事八十萬劫。 其後、瑠璃平地、聚葉塵、生五色地。草木生枝、花成眞業、落成種子。 種子變成有情、有情有凡聖。 依聖分現、遍照三明日天子、開敷八葉蓮華。 是名大空無相日輪。 是名如如安樂地。 亦名大光明心殿。 亦名法性心殿。 亦名伊勢二所兩宮正殿者也。 自性大三摩耶大梵宮殿、表文也。 伊弉諾伊弉冉二神尊、持左手金鏡、陰生、持右手銀鏡、陽生。 名曰日天子月天子。 是一切衆生眼目坐故、一切火氣變成日、一切水氣變成月。 三界建立、日月是也。 于時、以羸都鏡邊都鏡爲國璽玉尊靈、而日神月神自送于天宮、而照六合給。 正哉吾勝勝速日天忍穗耳尊、天照太神捧八坂瓊曲玉、由至大八州、爲大靈鏡火珠所成神也。 天津彦彦火瓊瓊杵尊。 天照太神太子正哉吾勝勝速日天忍穗耳尊、娶天皇天御中主神太子高皇産靈皇帝女栲幡豐秋津姫命、生天津彦彦火瓊瓊杵尊。 謂高皇産靈尊。

訓読 画像照合済

此の時、遍照三明月天子は下りて堅牢地神と成り、國を平らかに思し食すこと八十萬劫なり。 其の後、瑠璃の平地に葉塵聚まり、五色の地を生ず。草木は枝を生じ、花は眞業を成し、落ちて種子と成る。種子は變じて有情と成り、有情に凡聖有り。聖分に依りて遍照三明日天子現れ、八葉蓮華を開敷す。是を大空無相日輪と名づけ、如如安樂地、大光明心殿、法性心殿、また伊勢二所兩宮の正殿と名づく。自性大三摩耶大梵宮殿の表文なり。 伊弉諾・伊弉冉二神尊は、左手に金鏡を持ちて陰を生じ、右手に銀鏡を持ちて陽を生ず。名づけて日天子・月天子という。一切衆生の眼目として坐す故に、火氣は日となり、水氣は月となる。三界を建立するは此の日月なり。 時に羸都鏡・邊都鏡を國璽の玉尊靈と爲し、日神月神は天宮より六合を照らし給う。正哉吾勝勝速日天忍穗耳尊は天照太神より八坂瓊曲玉を捧げ、大八州に至り、大靈鏡の火珠より成れる神なり。 天津彦彦火瓊瓊杵尊は、天照太神の太子正哉吾勝勝速日天忍穗耳尊が、高皇産靈皇帝の女栲幡豐秋津姫命を娶りて生みし尊なり。

現代語訳 画像照合済

この時、遍照三明の月天子は地上に下り、堅牢地神となって、八十万劫にわたり国を安らかに治めた。 その後、瑠璃のような大地に塵が集まって五色の地となり、草木が枝を伸ばし、花が実を結び、落ちて種子となった。種子は有情へ変化し、そこに凡夫と聖者が生じた。聖なる働きにより日天子が現れて八葉蓮華を開く。これを大空無相の日輪、安楽の地、大光明心殿、法性心殿、さらに伊勢の内外両宮の正殿と名づける。 伊弉諾・伊弉冉の二神は金鏡と銀鏡を持ち、陰陽を生じる。それを日天子・月天子といい、火の気は日、水の気は月となる。この日月が三界を成り立たせる。 羸都鏡と辺都鏡を国の神聖なしるしとし、日神と月神は天宮から天地四方を照らす。続いて天忍穂耳尊と瓊瓊杵尊の系譜が述べられる。

RK-0010・影印 第7画像 両丁
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原文翻刻 画像照合済

者爲豐葦原中津水穗國主玉光明天子也 爾時八十柱諸神曰中國初契天下二聖無主非冥應者不能治之誰神乎 神達曰皇孫杵獨王也可以尊 此大神也 皇孫尊爲中國皇三十三天陣障爲去所稱玄龍車追眞床像錦衾 奉授八咫流大鏡赤玉寶鈴草薙八握劒而壽之曰 嗟呼汝杵敬承吾壽平祀流鈴以御無窮無念爾祖吾在鏡中

句読本文 画像照合済

者、爲豐葦原中津水穗國主、玉光明天子也。 爾時、八十柱諸神曰、中國初契、天下二聖無主、非冥應者不能治之、誰神乎。 神達曰、皇孫杵獨王也、可以尊。 此大神也。 皇孫尊爲中國皇、三十三天陣障爲去、所稱玄龍車、追眞床像錦衾。 奉授八咫流大鏡、赤玉寶鈴、草薙八握劒、而壽之曰。 嗟呼、汝杵、敬承吾壽、平祀流鈴、以御無窮、無念爾祖、吾在鏡中。

訓読 画像照合済

者は豐葦原中津水穗國の主、玉光明天子なり。 爾の時、八十柱の諸神曰く、中國の初契に、天下の二聖、主無し。冥應する者に非ずんば之を治むる能わず。誰の神か、と。神達曰く、皇孫杵、獨り王なり。以て尊ぶべし。此れ大神なり。 皇孫尊を中國の皇と爲し、三十三天の陣障を去らしめ、玄龍車、眞床像の錦衾と稱する所を追う。 八咫流大鏡、赤玉寶鈴、草薙八握劒を授け奉りて、之を壽して曰く、嗟呼、汝杵よ、敬して吾が壽を承け、流鈴を平らかに祀り、以て無窮に御せ。爾の祖を念うこと無かれ、吾は鏡中に在り、と。

現代語訳 画像照合済

その神は豊葦原中津水穂国の主である玉光明天子である。 この時、八十柱の神々は、天下に主がなく、神秘の感応を受けた者でなければ国を治められないとして、誰を立てるべきか相談した。神々は皇孫の杵尊こそ唯一の王であり、尊ぶべき大神だと答えた。 そこで皇孫尊を中国の君主とし、八咫の大鏡、赤玉の宝鈴、草薙の八握剣を授けた。そして「杵尊よ、私の命を敬って受け、永遠に治めよ。私は鏡の中にいる」と祝福した。

RK-0011・影印 第7画像 両丁
表組 単位: 画像照合済
原文翻刻 画像照合済

御餘寶十種神財者 羸都鏡一面 天字五輪形 豐受皇大神 邊都鏡一面 地字圓形外緣八咫形 天照皇太神 八握劒一柄 天村雲劒者草薙劒八葉形表 生玉一 如意寶珠火珠 死玉一 如意寶珠水珠

句読本文 画像照合済

御餘寶十種神財者。 羸都鏡一面。 天字五輪形。 豐受皇大神。 邊都鏡一面。 地字圓形、外緣八咫形。 天照皇太神。 八握劒一柄。 天村雲劒者、草薙劒、八葉形表。 生玉一。 如意寶珠、火珠。 死玉一。 如意寶珠、水珠。

訓読 画像照合済

御餘の寶、十種の神財は、羸都鏡一面、天字五輪形、豐受皇大神。邊都鏡一面、地字圓形、外緣八咫形、天照皇太神。八握劒一柄、天村雲劒は草薙劒、八葉形の表なり。生玉一、如意寶珠・火珠。死玉一、如意寶珠・水珠。

現代語訳 画像照合済

このほかの宝である十種の神財として、羸都鏡一面、天字の五輪形、豊受皇大神、辺都鏡一面、地字の円形で外縁が八咫形のもの、天照皇太神、八握剣一柄すなわち天村雲剣・草薙剣、八葉形のしるし、生玉一個すなわち如意宝珠・火珠、死玉一個すなわち如意宝珠・水珠を挙げる。

RK-FIG-0003・影印 第7画像 両丁
図像 単位: 画像照合済

翻訳対象外の理由

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RK-0012・影印 第8画像 右丁
表組 単位: 画像照合済
原文翻刻 画像照合済

足玉一 道反玉一 蛇比禮一枚 蜂比禮一枚 品物比禮一

句読本文 画像照合済

足玉一。 道反玉一。 蛇比禮一枚。 蜂比禮一枚。 品物比禮一。

訓読 画像照合済

足玉一つ。道反玉一つ。蛇比禮一枚。蜂比禮一枚。品物比禮一つ。

現代語訳 画像照合済

足玉一個、道反玉一個、蛇の比礼一枚、蜂の比礼一枚、品物の比礼一つ。

底本影印

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