象数の可視化
第1冊 第3画像を開く(新しいタブ)原文翻刻校了
數則可紀象則可形可形可紀故其理可假而知
句読本文校了
數則可紀象則可形可形可紀故其理可假而知。
訓読校了
數は則ち紀す可く、象は則ち形づくる可し。形づくる可く、紀す可きが故に、其の理は假りて知る可し。
現代語訳校了
数は記録でき、象は形に示すことができる。形と記録にできるから、それらを手がかりとしてその理を知ることができる。
隋の蕭吉が五行思想の諸説を集成した『五行大義』全五巻について、土御門文書編纂所による原文翻刻・句読・訓読・現代語訳を公開します。
土御門文書編纂所による公開校訂版です。元禄十二年刊本の画像を底本とし、原文翻刻、独自句読、独自訓読、独自現代語訳を分離して公開します。
公開版 gogyo-taigi-20260818-g4-v2・全964単位・2 / 49頁
數則可紀象則可形可形可紀故其理可假而知
數則可紀象則可形可形可紀故其理可假而知。
數は則ち紀す可く、象は則ち形づくる可し。形づくる可く、紀す可きが故に、其の理は假りて知る可し。
数は記録でき、象は形に示すことができる。形と記録にできるから、それらを手がかりとしてその理を知ることができる。
可假而知則龜筮是也
可假而知則龜筮是也。
假りて知る可きは、則ち龜筮是れなり。
手がかりによって知るためのものが、ほかならぬ龜卜と筮竹占である。
龜則爲象故以日爲五行之元
龜則爲象故以日爲五行之元。
龜は則ち象を爲す。故に日を以て五行の元と爲す。
龜卜は象を用いる。そのため日を五行の根源とする。
筮則爲數故以辰爲五行之主
筮則爲數故以辰爲五行之主。
筮は則ち數を爲す。故に辰を以て五行の主と爲す。
筮竹占は数を用いる。そのため辰を五行の主とする。
若夫參辰伏見日月盈虧雷動虹出雲行雨施此天之象也
若夫、參辰伏見、日月盈虧、雷動虹出、雲行雨施、此天之象也。
若し夫れ、參辰の伏見、日月の盈虧、雷動き虹出で、雲行き雨施す。此れ天の象なり。
たとえば、参・辰の二星が隠れたり現れたりすること、日月の満ち欠け、雷が鳴り、虹が現れ、雲が動き、雨が降ること、これらが天の象である。
二十八舎内外諸官七曜三光星分歲次此天之數也
二十八舎内外諸官七曜三光星分歲次此天之數也。
二十八舎、内外の諸官、七曜、三光、星分、歲次、此れ天の數なり。
二十八宿、天上の内外に配された諸官、七曜、三光、星の分野、歳星の運行位置は、天の数である。
山川水陸高下平汗嶽鎭河通風迴露
山川、水陸、高下、平汗、嶽鎭、河通、風迴、露、
山川、水陸、高下、平汗あり。嶽は鎭まり、河は通じ、風は迴り、露は……
山川や水陸、高い所と低い所、平汗(底本の語。平坦地と低湿地の意とみられる)があり、山岳は鎮まり、河川は通じ、風は巡り、露は……。
蒸此地之象也
蒸此地之象也。
蒸す。此れ地の象なり。
露は蒸発する。これらが地の象である。
八極四海三江五湖九州百郡千里万頃此地之數也
八極四海三江五湖九州百郡千里万頃此地之數也。
八極、四海、三江、五湖、九州、百郡、千里、万頃、此れ地の數なり。
八方の果て、四海、三江、五湖、九州、百郡、千里、万頃という区分は、地の数である。
禮以節事樂以和心爵表章旗刑用革善此人之象也
禮以節事、樂以和心、爵表章旗、刑用革善、此人之象也。
禮は以て事を節し、樂は以て心を和し、爵は章旗に表れ、刑は善に革むるに用ふ。此れ人の象なり。
礼は物事に節度を与え、音楽は心を調和させ、爵位は標章や旗に表され、刑罰は人を善へ改めるために用いられる。これが人における象である。
百官以治万人以立四教修文七德閲武此人之數也
百官以治、万人以立、四教修文、七德閲武、此人之數也。
百官を以て治め、万人を以て立つ。四教は文を修め、七德は武を閲す。此れ人の數なり。
人の営みは百官によって治まり、万民によって成り立つ。四教は文を修め、七徳は武を整える。これが人における数である。
因夫象數故識五行之始末
因夫象數故識五行之始末。
夫の象數に因り、故に五行の始末を識る。
その象と数によって、五行の始まりから終わりまでを知ることができる。
藉斯龜筮乃辨陰陽之吉凶
藉斯龜筮乃辨陰陽之吉凶。
斯の龜筮に藉り、乃ち陰陽の吉凶を辨ず。
この龜卜と筮竹占を借りて、はじめて陰陽の吉凶を判別する。
是以事假象知物從數立
是以事假象知、物從數立。
是を以て、事は象を假りて知り、物は數に從ひて立つ。
このように、事柄は象を手がかりとして知ることができ、物は数に従って成り立つ。
吉每尋閲墳索研究經典自羲農以來迄于周漢
吉、每尋閲墳索、研究經典。自羲農以來、迄于周漢、
吉、每に墳索を尋閲し、經典を研究するに、羲・農より以來、周・漢に迄るまで、
私、蕭吉が、つねに『三墳』『八索』などの古書をひもとき、経典を研究してみると、伏羲・神農以来、周・漢に至るまで、
莫不以五行爲政治之本以蓍龜爲善惡之先
莫不以五行爲政治之本、以蓍龜爲善惡之先。
五行を以て政治の本と爲し、蓍龜を以て善惡の先と爲さざるは莫し。
五行を政治の根本とし、蓍筮と亀卜を善悪を先んじて知る手段としないものはなかった。
所以傳云天生五材廢一不可
所以傳云天生五材廢一不可。
所以に傳に云ふ、「天、五材を生ず。一を廢するも可ならず」と。
そのため伝には、「天は五材を生み出した。その一つさえ廃することはできない」という。
尚書曰商王受命狎侮五常荒怠三政
尚書曰商王受命狎侮五常荒怠三政。
尚書に曰はく、「商王、命を受くるも、五常を狎侮し、三政を荒怠す」と。
『尚書』には、「商王は命を受けたのに、五常を軽んじて侮り、三政を荒らし怠った」とある。
故知得之者昌失之者滅
故知得之者昌失之者滅。
故に之を得る者は昌え、之を失ふ者は滅ぶと知る。
これにより、その道理を得た者は栄え、失った者は滅びると分かる。
昔中原喪亂晋氏南遷
昔中原喪亂晋氏南遷。
昔、中原喪亂し、晋氏南遷す。
昔、中原が乱れ、晋の王室は南へ移った。
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