◆ お祓いとは
古来より、歴代の天皇陛下の御代の安泰を祈り奉り、また将軍家の御安泰を願い、その災厄を祓い清め、国家鎮護の大役を果たしてきたのが、当宮の歴代の陰陽師(現在は陰陽士)の務めでございました。
その伝統の中心にあるのが、人の歩みに立ちはだかる災厄を祓い清め、魂魄(こんぱく)を調え直し、安寧へと導く「お祓い」でございます。
人は日々の暮らしの中で、知らず知らずのうちに「穢(けがれ)」をまとい、また天地の理に背いた「罪(つみ)」を重ねてしまいます。これらは心身を曇らせ、災いや不運の因となります。
お祓いとは、この穢と罪を祓い清め、清浄なる魂魄へと立ち返らせるための神事でございます。太一の御前にて祈り願い、その御神徳をいただくことにより、人は再び天地と調和し、心穏やかに正道を歩むことができるのです。
国家の安泰より庶民の日々の平安に至るまで、天地の災厄を祓い清め、正しき理へと立ち返らせること。これこそ、太一の理を受け継ぐ当宮陰陽士が担い続けてきた務めにして、祓えの道を司る宗家と仰がれるゆえんなのでございます。