

当宮は、天地神々の最高神・泰山府君大神、またの御名を太一(泰一・たいいつ)大神をお祀り申し上げる、日本にただ一つの社でございます。
太一大神は、無より、天地開闢において神々と万物を生み出された根源の大神にして、陽なる太陽と陰なる太陰(月)をも内に含み、対立を超えて統べる唯一絶対の御存在でございます。
天において、神々を司る北斗七星として輝き、古来「御天道様」と尊称され、星々の巡りによって暦を司り、森羅万象を導いてこられました。
すなわち太一大神は、皇祖神・天照大神をも生み出された始原の大神にして、日本の神々を統べる至高の御神であられます。
その御神威のゆえに、当宮は第百十二代霊元天皇より「天社」の宮号を賜り、日本一社と称されております。
太一大神の御神体と特別な神事は、千三百年前に吉備真備公が唐より将来し、明治維新の幕開けまで、皇室と時の為政者により秘されてまいりました。天の理を知り、神々の根源神へ祈願をすることは、すなわち国の命運を左右することに他ならなかったからでございます。
ゆえにその御存在は世に広く知られることなく、今に伝わる「秘神」と申せましょう。

さて、「秘神」でもございます、森羅万象を司る太一大神(御天道様)の御心と、私たちの暮らしは、どう繋がっているのでしょうか。その鍵こそが、日本の「暦」なのです。
日本の暦は単なる日付の記録ではなく、太一大神(御天道様)の御心を映し、日本の神仏と人とを結ぶ道しるべでございます。
暦を拝し用いることは、日々の暮らしに神仏の息吹を迎え入れることであり、心を清め、正しい道へと導かれるための要でございます。
古くから「神は人の敬によりてその威を増し、人は神の徳によりて運を添う」と申します。神仏を敬い、日々の行いを正す者にこそ、そのご加護は届くのでございます。
そのために求められるのが、浄明正直(じょうめいしょうじき)の心でございます。
それは、どこまでも清く明るく、正しく素直な心のこと。この心で毎日を丁寧に生きることで、暦に記された吉日は、はじめてあなたにとっての「真の吉日」となるのでございます。
太一大神を敬い、その御心に従うとき、人は災厄を遠ざけ、迷いを晴らし、安らぎの中に力強く歩むことができます。とりわけ、心が苦しいとき、困難に直面するとき、太一大神は必ず人を見捨てることなく、その御力をもって、運命を拓き、助け導いてくださいます。
日本の暦を通じて太一大神の御心を知るとき、日々の出来事はただの偶然ではなく、すべてが天意と調和していること、そして、万物に太一の御心が宿っていることを理解できるかと存じます。
八百万の神々を生み出した始原の大神でございます、太一大神(御天道様)と結びを結び、その御加護が、あなたさまの人生に豊かに注がれ、苦しみのときは支えとなり、喜びのときはさらに輝きを添えてくださいますよう、心よりお祈り申し上げます。天の星々の神々と共に、自らの運命を切り拓かんと願う皆様の御参拝を、お待ちしております。



年中行事
当宮では、安倍晴明公より受け継ぎ、
永きにわたり大切に守り伝えて
まいりました天の神々への祭祀を、
今も古式ゆかしい作法に則り、
斎行しております。


お祓い・厄除け
古来より、歴代の天皇陛下の
御代の安泰を祈り奉り、また
将軍家の御安泰を願い、その
災厄を祓い清め、国家鎮護の
大役を果たしてきたのが、
当宮の歴代の陰陽師(現在は陰陽士)
の務めでございます。


ご祈祷
当宮のご祈祷は、
願主さまの願意を最高神太一大神を中心に、
願意を叶える神徳を司る神々に祈り重ね、
その御神徳をいただけるよう
陰陽士がお取り次ぎする神事でございます。




土御門文書編纂所
天社宮に設けられた「土御門文書編纂所」は、
当宮の陰陽士が所属し、陰陽道を研鑽し、
正統なる暦を編む部署でございます。