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都状

一〇八代
後水尾天皇
慶長十八年十一月五日
天胄地府祭

後水尾天皇 都状(犯土の災を憂ひての祭である)

 

謹んで請ず。五方五龍王(青龍、赤龍、黄龍、白龍、黒龍尊神、東青帝龍王尊神、南赤帝龍王尊神、中央は黄帝龍王尊神、西は白帝龍王尊神、北黑帝龍王尊神、土公将軍(金神)五土(土府官、戌都天、己都天)諸神府官屬罕藍神眷屬部類諸神尊等 維日本慶長十八年歳癸丑 (紀二三七三年) 次す 十一月五日清静潔齋して而龍 王の(青龍、赤龍、黄龍、白龍、黒龍天四神の座を構え五色寶幣捧げ十五座美膳を備ふ致所禮者は五朝の大王政仁 (御 宸翰)今度犯土(土神犯)地官宮殿盡改易因茲慎天道下(地道在敬)敬地理是の故、天宇地夭(天の災難地に起る不思議な事がら) 千里の外へ於消除す。避えば湯を以て雪を鎔如く則ち從今日転凶悪 (凶悪転じて) 吉祥掌を指す如く是の故に禍難(わざわいさいなん) 又以無變愈々宮中繁昌栄界無窮雖万歳を綿々として盡期矣伏して願ば徳堯舜仰ぎ周公思う宝齢化を於千歳北俱盧列を於千歳矣。尚以て玉体安穏息災大日本大王政仁 心中の祈願一々成就圓満令謹んで啓す。

 

慶長十八年十一月五日(紀二二七三年)