後水尾天皇
大将軍(三年塞) 金神之都状
謹んで請ひ奉る西宮大将軍方伯屬星尊神部類眷屬等請ひ
謹んで請ひ子宮、丑宮、中宮、西宮、金神屬星等請ひ奉る(西に金神泊し金気殺伐の気満ちたり)
南浮洲大日本國大王政仁 (御宸翰) 不任(任に任せず) 家康公秀忠公勅命今度禁中に就て土を犯し宮殿一宇を造営し不残盡し改易し因茲に其れ慎祟太軽からず為に其禍難遁れ金神太塞西尊神白虎神を此の宮に移し奉る謹んで跪て(ヒザマズイテ) 種々妙供酒菓備へ金銀宝幣を奠へ捧り祈者ハ大王政仁 無病安穏息災兼て又年の災月の災、日の厄日破之 難を宮中繁昌寶等(年を数える) 長く亀鶴の齢保つ(鶴は千年亀は万年)の齢、外には火盗賊の難を避け悪魔降伏 物恠祟らず、尚宥(寛大なる許し)を以て尊神護持し宮中に毛頭も子あるべからず却而凶を転じて吉と為す 是れ皆恩を祈るの多験也(しるし多きなり)愈々大王政仁心中請願は悉く成就圓満の神明の多鏡の徳にうる如し 祈奉る謹んで啓す。
慶長十八年十二月八日 (紀二二七三年)