

陰陽道とは
我が国の美しき神道や、穏やかな仏教における荘厳な儀式。そして、日本が大切に育んでまいりました繊細で風雅な風習やしきたり。その根底に、静かに、けれども確かな流れをつくり、尊き神性を支えておりますものこそが、陰陽道の神髄であります「太一陰陽五行思想」でございます。
この思想は、天地万物の始まりである「太一」より生まれた、あらゆるものに宿る八百万の神々の御神気を、「陰」と「陽」、そして「木・火・土・金・水」という五つの性質にわけて考えることで、自然と人の営みが、いかに調和しているかを説いているものでございます。
※ 太陽と月(太陰)の陰と陽が一つに調和したものが『太一』でございます。
陰陽道とは、まさにこのような世界観を基盤とし、私たち人間がどのように天地の神々と心を交わし、調和し、日々を丁寧に生きていくかを示した、日本独自の美しい学問体系でございます。
※ 天地神々の気を読み取り、それを暦に記すのも、当宮のお仕事の一つです。
平安の昔より、途切れることなく受け継がれてまいりました陰陽道の深い思想と洗練された理論は、神社や仏閣のみならず、日本が誇るさまざまな道の文化――華道、茶道、書道、剣道など、芸術や武道の世界へも広く浸透いたしました。また、能や歌舞伎といった我が国固有の伝統芸能にまで、その美しい影響は及び、日本文化全体を優しく支えているのです。
さらに、私たちの日常の暮らしに寄り添い、四季折々に営まれるさまざまな年中行事や伝統的な風習にも、陰陽道の思想はやわらかく溶け込み、暮らしの中で静かに息づいております。私たち日本人は、毎日の営みを通して、知らず知らずのうちに天地の神々への敬意と感謝を、自然に捧げ続けてきたのです。
現代においてもなお息づく、日本の美しい風習やしきたりの持つ深い意義を、いま一度静かに見つめ直してみる――そんなきっかけとなりましたら、これ以上の喜びはございません。私たちの祖先が天地の神々と心を通わせながら、調和の中に生きてきた、その美しくも懐かしい響きを感じ取っていただけましたら幸いでございます。
古の叡智が、現代を生きる皆さまの心に静かに届き、日々の暮らしの中で、神々の温かな御加護が優しくもたらされますように、心よりお祈り申し上げます。



安倍晴明暦
安倍晴明暦(あべのせいめいれき)は、
日本で最も古くから伝わる暦です。
この暦は、安倍晴明が陰陽博士として活躍していた時代から、
安倍家によって代々守り伝えられてきたものです。


四季の会
四季の会は、境内の掃除や食事会を通して、
自然や天地の神々と触れ、
陰陽道(おんみょうどう)の知恵、文化を学ぶ会です。