◆ 御祈祷とは
当宮の御祈祷は、願主さまの願意を、万物の根源神・太一(泰山府君大神)の御前に奏上し、その願いに応じた御神徳を司る神々へ祈りを重ね、御加護をお取り次ぎする神事でございます。
その祭式の基は、晴明公以来、土御門家が家職として伝えてまいりました陰陽道第一の祭祀・泰山府君大神の祭祀でございます。当宮では、この泰山府君大神の祭祀を柱と立て、願意に応じた神々の御加護を併せ仰ぎます。
この祭祀のうち最も重いものを「天曺地府祭」と申しまして、天皇の御即位と将軍の宣下に際し、代々土御門家が修めてまいりました。願いますところは、無病息災と延命長寿でございます。
泰山府君大神は、人の寿命を記した籍(ふみ)を預かりたまうと伝えられる、陰陽道の主神。晴明公は、願主の名と願意を認めた「都状(とじょう)」と呼ばれる文を御前に捧げ、この神に祈りを届けました。その作法は古文書となって今日に伝わり、当宮の御祈祷は、一千年あまりの時を経て、晴明公のこの御祈祷をそのままに受け継いだものでございます。
古い縁起絵巻には、こんな物語が残ります。ある高僧が重い病に伏したとき、身代わりを願い出た弟子のために、晴明公が泰山府君の大祭を厳修いたしました。すると祈りは神に通じ、身代わりには不動明王が自ら立ちたまい、師も弟子も命を全うした——世に「泣不動」と伝わる縁起でございます。藤原道長をはじめ王朝の貴族たちが、折にふれ祈祷を晴明公に託したことも、当時の日記に記されております。願主さまにお受けいただくのは、王朝の人々が晴明公に託したものと同じ、この御祈祷でございます。
御祈祷は、満月の深夜、当宮の陰陽士が陰陽道の作法に則って厳修いたします。満月は、陰の月が陽の光に満たされ、天地が調和して光明の満ちる時。古来、祭祀や祈祷の大切な斎日とされ、その満ち足りた相に祈りを合わせることで、願いは成就へと導かれると伝えられております。
御祈祷をお受けになった方には、御神札・御守などの授与品を奉製し、謹んでお授けいたします。遠方にお住まいの方や、ご参拝の難しい方のために、郵送祈祷も承っております。