◆ 厄年・凶年
人は生まれるとき、天より陽の気である魂(こん)を、地より陰の気である魄(はく)を授かり、この二つの釣り合いによって健やかに生きております。天地の気は、木・火・土・金・水——五行のめぐりに沿って互いを生かしながら巡り、人の身もまた、このめぐりの内にございます。
太一(北極星と北斗七星)より生まれた万物は、九星のめぐりとともに、栄えては衰えることを繰り返します。人の一生も同じく、めぐりの転じる変わり目には、魂魄の釣り合いが揺らぎ、気の流れが滞りやすくなります。これが厄年・凶年——人生で畏れるべき節目でございます。古書にも見えますように、これを「太一定分の厄年」と申し、古来、宮中にて厄祓いが行われてまいりました。生まれ星のめぐりによっては、八方塞・暗剣殺・死線と呼ばれる凶年も定まっております。
水は、流れてこそ清く、滞れば澱みます。気もまた同じでございます。めぐりの滞る年には、陰の気が澱みとなって身のうちに溜まり、この澱みは、時を経れば自ずと消えるというものではございません。陰は陰を呼び、澱みは澱みを重ね、やがて人生のめぐりそのものを濁らせてまいります。厄年・凶年をいかに過ごすかが、その年かぎりにとどまらず、後々の人生にまで及ぶのも、この理によるものでございます。神気のめぐりは、人外の理でございます。決して、軽んずるものではございません。
この澱みを解き祓うため、古くより受け継がれてまいりましたのが、解除の儀でございます。
解除の儀は、澱んだ陰の気を祓い、めぐりを本来の清らかな流れへと調え直すための祓でございます。
厄年・凶年を迎えられる方が、みな解除の儀を要するわけではございません。年の節目の備え、日々の厄除けには、御祈祷にて厄祓のご祈願を承っております。解除の儀は、すでに災いや不調が身に顕れている方のための、一段深い祓でございます。