暦の読み方
暦の歩き方
はじめての方へ暦には、何が書かれているのでしょう
現代の暦を見ると、日付と曜日くらいしか書いてありません。
けれども古来の日本の暦には、その日その日に巡る様々なことが記されておりました。
たとえば:
- 干支(かんし):その日の天と地の気の巡りを示すもの
- 撰日(せんじつ):一粒万倍日、天赦日、神吉日など、特別に縁ある日のしるし
- 二十八宿:月の巡りに基づく日柄
- 二十四節気:季節の移り変わりを知るための区切り
- 吉凶方角:神気の巡る方位
これらは「今日という日は、どのような日なのか」を知るための手がかりとして、古くから大切にされてまいりました。
暦をひらいてみましょう
暦を暮らしに取り入れるのは、難しいことではございません。
朝、神棚に手を合わせた後、あるいは朝の食卓で、暦を一枚ひらいてみてください。
そして、その日について書かれていることを、そっと読んでみる。
それだけで結構でございます。
たとえば——
天赦日(てんしゃび)は、暦のうち第一の吉日とされる日でございます。
古くから「天赦とは、天の生気が万物を生み養い、その罪を宥(ゆる)す日なり」と伝えられてまいりました。
天の生気に満ち、万物が育まれるとともに、過ぎ去りし過ちが宥められる。
天に感謝し、何を始めるにも最もよい日として、古くから重んじられてまいりました。
一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)は、「積善の家に余慶あり」と伝えられる日でございます。
日々の小さな善き行いが、やがて万倍になって実を結ぶ。
その日に何かを始めることも尊うございますが、それ以上に、日々善行を積むことの大切さを伝える日でございます。
神吉日(かみよしにち)は、神様にお参りするのに良い日。
お社やお宮へ足を運び、心を静めるのにふさわしい日取りでございます。
特別な撰日が記されていない穏やかな日には、「今日は日々の務めを大切に過ごそう」と心を整える。
特別な儀式は要りません。
暦の言葉に耳を傾け、一日の心の持ちようを整える。
それが、暦をひらくということの本来の姿でございます。
暦は、暮らしの道しるべ
「縁ある日には感謝して事を始め、穏やかな日には心静かに過ごす」。
これが、暦とともに生きる基本でございます。
けれども、どうか誤解なさらないでください。
暦は、私たちの行動を縛るものではございません。
縁ある日だからといって無理をして何かを始める必要もございませんし、特別な日ではないからといって一日中何もしないわけでもございません。大切なのは、「今日という日を、どのように生きるか」を、いちど立ち止まって考えること。
慌ただしい現代の暮らしの中で、朝のほんの数分、暦をひらく時間を持つ。
その静かなひとときが、心を整え、日々に奥行きを与えてくれます。
暦を、暮らしのそばに
暦の最も大切なもの、それは干支でございます。
干支は、天と地の気の巡りを示すもの。
天地万物のめぐりを生み出す太一の働きをあらわしております。
暦は、その家と天の大神とを結ぶ依り代(よりしろ)として、そこに在ったのです。
朝、暦をひらく。
その小さな所作は、天の大神の気に触れることでございます。
暦をひらき、その日の気を知り、心を整える。
そうすることで、自ずと運が整ってまいります。
まずは一年、手元に置いてみてください
暦とのつきあい方は、一朝一夕に分かるものではございません。
けれども、まずは一年。
手元に置いて、毎朝ひらいてみてください。
季節が巡り、干支が移り変わり、同じ日は一度もないことに気づかれるはずです。
「今日はどんな日だろう」。
「来月は、どんな月になるのだろう」。
その問いを立てるだけで、見える世界が少しずつ変わってまいります。
暦とともに生きる一年は、天地の神々とともに生きる一年でございます。