土御門文書編纂所
土御門文書編纂所

陽道を 捧げてここに 五百年安家 中葉の跡どころ此処

奥名田の加茂に 詣でかえりみれば古城の跡芒の丘に 虹立ちて

昭和三十八癸卯年中秋京都上賀茂神社禰宣・摂社久我神社宮司 岡田泰輔・遺詠より

陰陽道とは

陰陽道とは

   

我が国の神道や仏教の荘厳なる儀式、そして日本の風雅なる風習やしきたりの根底に脈々と流れ、その精神性を支えているのは、陰陽道の神髄たる「太一陰陽五行思想」にて御座います。

この思想は、陰と陽、そして、木・火・土・金・水の五元素を基とし、曜日や惑星の名称、恵方や厄年、節句といった日常生活の様々な側面にも深く浸透しております。陰陽道は、まさにこの思想を基盤とし、神仏や自然、星々との関わり方を説く、我が国固有の学問体系と言えましょう。

陰陽道は、古代中国より伝来した「太一陰陽五行思想」を礎としつつ、安倍晴明公によって見事に体系化されました。これらは森羅万象の成り立ちと因果関係を示す精緻な理論から成り、皆様の運命に紐づく、干支、厄年、恵方、吉日、九星等もこの理論に基づいております。

平安の世より綿々と受け継がれし陰陽道の思想と理論は、神道や仏教のみならず、華道、茶道、書道、剣道といった諸道、さらには能や歌舞伎などの伝統芸能にまで及び、日本文化の根幹を成しております。また、日々の暮らしに根付く様々な風習や習慣、四季折々の年中行事として、我々日本人の生活に深く溶け込み、脈々と伝承されて参りました。

今なお息づく日本の風習やしきたりの意義を今一度見直し、我々の祖先が神仏や自然といかに深く交わり、調和を保ってきたかをお感じいただけますと幸いでございます。この古(いにしえ)の叡智が、現代に生きる我々の心にも響き、日々の暮らしに潤いをもたらすことを心より願っております。

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